危険行為推奨シューティング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/07/13 13:25 UTC 版)
危険行為推奨シューティング(きけんこういすいしょうシューティング)とは、壁、敵、敵弾に接近する等の危険な行為をすることを奨励するゲームシステムを持つシューティングゲームのことを指す。
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特徴
『自機を失うことと隣り合わせになるような、危険な行為をすることにより得点を上げる』ことを基本コンセプトとしてデザインされているゲームである。こうした試みは「初心者は安全にプレイし、上達した人は更に高度なプレイを自分の意思で選択することができる」というコンセプトに基づく、初心者も上級者も受け入れる作品を作り出すためのゲームデザインである。初心者はクリア重視の攻略パターンを考えることで危険行為をできるだけ回避し、上級者(スコアラー)は稼ぎ重視の攻略パターンを作ることで、結果的に危険行為により接していく、などである。近年では「得点を稼げば稼ぐほど難易度が上昇し、更なる危険行為回数の上昇と死の恐怖の上昇を味わう」というコンセプトを持つ作品も多い。
クリアするだけにも危険行為が必要になるゲームはこのジャンルに入らない。例としてはバトルガレッガなどがある。
危険行為としては「接近系」と「かすり系」「敵弾巻き込み系」の3種類が挙げられる。 初めて危険行為をシステム上明示的に取り入れたのは、1989年発売の『オメガファイター』と言われている。この作品では敵との距離が近ければ近いほど倒した時の得点に倍率が掛かる。パワーアップアイテムを取ることにより威力は上がるが射程が下がる武器の存在が挙げられる。 作品の年代順で考えると『スペースインベーダー』の「ナゴヤ撃ち」も危険行為の一種と言えるが、これはプレイヤー側が作ったテクニックであるため、除外して考える場合が多い。
接近系
オメガファイターのように敵との距離、敵弾との距離で倍率上昇する「接近系」のゲームとしては『シルフィード ザ・ロスト・プラネット』や、『式神の城』のT.B.S.システム、『ケツイ ~絆地獄たち~』の倍率チップなどが挙げられる。
かすり系
「かすり系」は敵弾や壁に近づいた際、その時間や弾数1発毎に一定のボーナス点が入るものである。『ライデンファイターズ』、『レイディアントシルバーガン』のように単純にボーナス点として用意されている物が殆どだが、『サイヴァリア』は群を抜いて強烈である。最初から敵弾に突っ込んで行き、自機を敵弾にかすらせ、レベルアップしたときの無敵時間を利用して弾幕を抜けるという方法しか回避方法が無い攻撃も多々登場し、危険行為を最大限に利用したプレーが求められる。危険行為推奨シューティングの中でも極端であり、そうした行為をプレイヤーに強要するデザインは賛否が問われている。
敵弾巻き込み系
「敵弾巻き込み系」は、特定の行動に敵弾を巻き込むことによってボーナス点を得るもの。『怒首領蜂』は特定の敵を倒した際に画面内の敵弾が消滅する。これはハイスコアのリソースとしてのレートがあまり高くない事もあり、危険行為推奨と言うよりは救済措置の一種である。
これを昇華した『エスプガルーダ』は、覚聖中(回数制限のある特殊攻撃)に撃破した敵の弾がボーナスアイテムになるため、高得点を狙うには敵弾を大量に画面に撃たせてから撃破する必要がある。スコアを狙おうとすればするほど危険行為に身をさらす事となる。『ギガウイング』のリフレクトシステムの様にバリヤーを展開することで敵弾を反射する、もしくは吸収することで特典となるシステムも、ここに分類される。
前進系
『ギャロップ』や『疾風魔法大作戦』はレースゲームの要素を強制スクロールシューティングゲームに持ち込んだ。画面前方に行けば行くほどスクロールが加速し、高得点を得られる可能性が高くなるスリリングなデザインが行われている。『はちゃめちゃファイター』はスクロールの加減速は無いが、画面最前方や地面を走行することで凄まじい勢いで得点が加算されていく。
得点形態によるもの
紫炎龍、ガンネイルなどは、配点そのものが、「最後の一機でプレイすると高くなる」ように作られている。 最後の一機が被弾するなどしてやられるともちろん即ゲームオーバーである。 また、VARTHのようにポッドという基本装備を意図的に取らずにゲームを進めていくと(高額な)ボーナス点が与えられるものもある。
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