分圧回路
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/14 13:32 UTC 版)
分圧回路(ぶんあつかいろ)[1]または分圧器(ぶんあつき)[2]とは電気回路において、印加された電圧を所定の比で分割する回路、または、機器[2]である。
分圧するための素子として抵抗器の他、インダクタやコンデンサを用いる場合もあり[2]、直流回路、交流回路に対して同様に適用できる[3]。
抵抗分割の法則

与えられた電圧を複数の抵抗を直列接続した回路に接続すると、各抵抗には与えられた電圧に対して抵抗値に比例した電圧がかかる。これを分圧則[4]、分圧の定理[5]という。
最も簡単な分圧回路は、右図のように2つの抵抗器

直流電圧を分圧するのと同様に、交流電圧でも同様に考えることができる[10]。この場合、電圧や電流、分圧に用いるインピーダンス素子(抵抗・インダクタ・コンデンサ)を複素数の領域に拡張して行う。
上記の直流電圧の場合と同様に、2つのインピーダンス素子
例えば、
点線内は測定器の指示部および内部抵抗、倍率器は
電圧測定器では、分圧回路を適用して電圧測定範囲を拡げることができる。この場合は付加する抵抗を倍率器と呼ぶ[12][13]。
右図において、点線内の電圧測定器(検流計G)のフルスケールは、その時に流れる電流は、測定器の内部抵抗はとする。
この測定器を所定の倍率の高電圧を測定できるようにするためには、測定電圧を印加したときに流れる電流が以下であることが必要である。そのために外部に抵抗を接続する。フルスケールを所定倍率に設定するとき、フルスケールでは流れる電流は等しいので
になるように設定する。例えば10倍の電圧をフルスケールで測定するためには、がに相当するので、
出典
- ^ テキスト電気回路 2012, p. 12.
- ^ a b c 電気用語辞典 1982, pp. 742–743.
- ^ 電気回路I(オーム社) 2012, pp. 63–64.
- ^ 電気回路I(コロナ社) 2006, pp. 9–10.
- ^ テキスト電気回路 2012, pp. 11–12.
- ^ 電気回路I(オーム社) 2012, pp. 22, 25.
- ^ ポイント整理電気回路 2022, pp. 27–28.
- ^ 電気回路I(オーム社) 2012, p. 25.
- ^ 電気回路教本 2019, pp. 50–51.
- ^ ポイント整理電気回路 2022, pp. 104–114.
- ^ テキスト電気回路 2012, pp. 72–74.
- ^ a b 電気回路教本 2019, pp. 56–57.
- ^ a b ポイント整理電気回路 2022, pp. 32–34.
参考文献
- 電気用語辞典編集委員会 編『電気用語辞典』(新版)コロナ社、1982年6月。ISBN 4-339-00411-1。
- 庄喜之『テキスト 電気回路』共立出版、2012年9月。 ISBN 978-4-320-08568-8。
- 黒木修隆 編『電気回路I』オーム社〈OHM大学テキスト〉、2012年9月。 ISBN 978-4-274-21254-3。
- 橋本洋志『電気回路教本』(第2版)オーム社、2019年11月。 ISBN 978-4-274-22451-5。
- 新海健、緒方将人、松永真由美『ポイント整理 電気回路-LTspiceで回路シミュレーション-』コロナ社、2022年3月。 ISBN 978-4-339-00979-8。
- 柴田尚志『電気回路I』 3巻、コロナ社〈電気・電子系教科書シリーズ〉、2006年4月。 ISBN 978-4-339-01183-8。
関連項目
外部リンク
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