ヴォスホード (レーダー)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ヴォスホード (レーダー)の意味・解説 

ヴォスホード (レーダー)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/23 03:48 UTC 版)

ヴォスホード(MR-600、ロシア語: МР-600 «Восход»)とは、ロシア海軍において開発された、長距離対空捜索用の三次元レーダーである。NATOコードは『トップ・セイル』。

概要

冷戦期、ロシア海軍はアメリカ海軍空母機動部隊に対処するべく対空戦闘システムの強化に勤めていたが、それはレーダーも同様であった。中でも遠距離の艦砲の射程外より飛来してくる航空機を探知する手段として、空母と艦上で運用可能な早期警戒機を持たないロシア海軍にとってはレーダーが最も重要な対空兵器であった。

ヴォスホードはキンダ型ミサイル巡洋艦MR-310「アンガラー」クレスタⅠ型ミサイル巡洋艦のMR-500「クリーバー」の後継として開発され、クレスタⅡ型ミサイル巡洋艦より導入が始まった。

周波帯はL(C)バンドで、機械式走査により方位角、ビーム走査によって高角測定を行う三次元レーダーであり、高高度目標に対しては600㎞の探知距離を発揮できた。ヴォスホードは冷戦中期の対空捜索用レーダーとしては高性能であったが、フェーズドアレイレーダーが実用化された冷戦末期には陳腐化が否めず、パッシブ式フェーズドアレイレーダーの「マルス・パッサート」やアクティブフェーズドアレイレーダーの5P20K「ポリメント」が開発されている。

派生型

MR-800『フラグ』(NATOコード「トップ・ペア」)
MR-500『クリーバー』(NATOコード「ビッグ・ネット」)二次元長距離対空レーダーとMR-600を組み合わせたもの[1]。「アンガラー」の改良型であるMR-310U「アンガラーM」(NATOコード「ヘッド・ネットC」)と同様に、2枚のパラボラアンテナを背中合わせに搭載するバック・トゥ・バック配置を採用している。
MR-650『ポドヴェレゾヴィク』(NATOコード「フラット・スクリーン」)
レーダーアンテナをパラボラアンテナからプレートアンテナに変更したもの。

装備艦艇

MR-600

MR-800

MR-650

関連項目

出典

  1. ^ 沈没したロシア海軍スラバ型巡洋艦「モスクワ」の電測兵装軍事とIT第449回 井上孝司 TECH+ 2022年4月18日



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  ヴォスホード (レーダー)のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ヴォスホード (レーダー)」の関連用語

ヴォスホード (レーダー)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ヴォスホード (レーダー)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのヴォスホード (レーダー) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS