ヴィクトリア (砲艦)
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ヴィクトリア(HMVS Victoria)はヴィクトリア植民地の砲艦。
アームストロング・ミッチェル社[1]ロー・ウォーカー造船所で建造[2]。1882年9月30日起工[1]。1883年6月25日進水[1]。1884年1月26日竣工[1]。
排水量511T(tons)[3]、530t(tonnes)[4]、または544T(tons)[2]、全長145フィート[3]、垂線間長140フィート[2]、幅27フィート[3]。機関は複式蒸気機関2基[3]。2軸推進[1]、出力800hpで速力12ノット(公試13ノット)[3]、または807ihpで速力12.58ノット[1]。
兵装は10インチ後装砲1門、12ポンド砲2門と[3]ノルデンフェルト機関砲2門で[4]、10インチ砲は射程10000ヤード、12ポンド砲は射程6000ヤードであった[3]。1887年に10インチ砲は新式の8インチ砲に換装され、1888年にノルデンフェルト砲は6ポンド速射砲に換装された[4]。

「ヴィクトリア」は砲艦「アルバート」とともに1884年2月3日にスピットヘッドへ向かい、2月14日にジブラルタルへ向けて出航[4]。2月26日にはマルタに着き、そこで水雷艇「Childers」が加わった[3]。当時イギリスはスーダンで戦闘中であり、そちらでの使用をヴィクトリア植民地政府が申し出でて3隻はSuakinへ派遣されたが、そこに3月19日に到着した時には3隻は必要とされなくなっていた[4]。6月25日、3隻はポートフィリップ湾に到着した[3]。
「ヴィクトリア」は1895年に係船状態となり、翌年西オーストラリア政府に測量船として売却されて兵装は撤去された[5]。1902年には曳船会社へ売却され、1920年にさらに別のところに売却された[3]。その後Kerosene湾で放置され、1935年以降に解体された[3]。
脚注
- ^ a b c d e f Colin Jones, "The Navy of Victoria, Australia", p. 78
- ^ a b c Peter Brook, Warships for Export, p. 34
- ^ a b c d e f g h i j k Ross Gillet, Australia's Colonial Navies, VICTORIA(II)
- ^ a b c d e HMAS Victoria (HMVS) | The Sea Power Centre(2024年12月2日閲覧)
- ^ Colin Jones, "The Navy of Victoria, Australia", p. 78. Ross Gillet, Australia's Colonial Navies, VICTORIA(II), WESTERN AUSTRALIA
参考文献
- Colin Jones, "The Navy of Victoria, Australia", Warship 2000-2001, Conway Maritime Press, 2000, ISBN 0-85177-791-0, pp. 73-82
- Ross Gillet, Australia's Colonial Navies, Naval Historical Society of Australia, 2021
- Peter Brook, Warships for Export: Armstrong Warships 1867-1927, World Ship Society, 1999, ISBN 0-905617-89-4
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