レーモン5世 (トゥールーズ伯)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/24 08:56 UTC 版)
レーモン5世 Raymond V |
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トゥールーズ伯 | |
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レーモン5世の銀貨
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在位 | 1148年 - 1194年 |
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出生 | 1134年ごろ |
死去 | 1194年 |
配偶者 | コンスタンス・ド・フランス |
子女 | レーモン6世 オーブリ アデライード ボードゥアン |
家名 | トゥールーズ家 |
父親 | トゥールーズ伯アルフォンス1世 |
母親 | フェイディヴァ・ドゥゼ |
レーモン5世(フランス語:Raymond V, 1134年ごろ - 1194年)は、トゥールーズ伯(在位:1148年 - 1194年)。
生涯
レーモン5世はトゥールーズ伯アルフォンス1世とフェイディヴァ・ドゥゼの息子である[1]。父アルフォンスは1147年にレーモン5世を伴い第2回十字軍に参加した[2]。アルフォンスがカイザリアにおいて1148年に死去し[3]、レーモン5世が14歳でトゥールーズ伯位を継承した。レーモン5世はナザレの助祭長ロルゴ・フレテルス(en)から称賛され、ロルゴは『Descriptio de locis sanctis』(聖地に関する記述)をレーモン5世に捧げた[2]。
トゥールーズ伯として、レーモン5世はトゥールーズで最初の市民の集会を許可し、これが後のキャピトゥールの起源である。
1165年、ロンベールにおいて、アルビ司教は聖職者やレーモン5世の妃コンスタンスを含む貴族が出席する中、異端とされる宗派のメンバーを尋問し、討論をおこなった。この集団は自身たちを「善達き人々」と呼び、カタリ派の影響を示すとともにローザンヌのアンリやブリュイのペトルスと同様の信仰を持っていた。この「善き人々」は自分達の信条に関する多くの質問に答えることを拒否する一方、司教に旧約聖書を受け入れておらず、新約聖書を読んで誓いを立てるべきではないと説得した。さらに司教の司法権についても異議を唱えた[4]。
1178年、レーモン5世は領内の異端と戦うためシトー会に支援を求めた。アラゴン王アルフォンソ2世の西側からの圧力にさらされていたレーモン5世が、自らを信仰の擁護者として示したかったためと考えられている。ローマ教皇特使と王立の合同委員会がトゥールーズに到着し、説教、調査、糾弾を行う権限を与えられた。委員会は3ヶ月間活動した[4]。
家族
1153/6年、レーモン5世はフランス王ルイ6世とその2番目の妃アデル・ド・サヴォワの娘コンスタンスと結婚した[1]。コンスタンスはブローニュ伯ウスタシュ4世の未亡人であった。しかし、レーモン5世はコンスタンスとは近親婚の範囲内であったため、1165年に教会の権威により離婚させられた。2人の間には以下の子女が生まれた。
- レーモン6世(1156年 - 1222年) - トゥールーズ伯[1]
- オーブリ(1180年没)
- アデライード(1158年頃 - 1199年) - 1171年にロジェ2世・ド・トランカヴェルと結婚[1]
- ボードゥアン(1165年 - 1214年) - 兄レーモン6世の命により処刑された[1]
離婚後にレーモン5世はプロヴァンス伯レーモン・ベランジェ2世の未亡人リクサ・シロンスカと婚約した。
また、以下の庶子がいる。
- インディー(1192年7月 - 1249年9月27日) - ロートレック子爵ギヨーム(1215年没)と結婚[1]、のち1226年にベルナール2世・ド・リル=ジュルダン(1228年没)と再婚。子女あり。
脚注
- ^ a b c d e f Pegg 2009, p. 5.
- ^ a b Boeren 1980, p. xviii.
- ^ Richard 1999, p. 165.
- ^ a b Wakefield & Evans 1991, p. 194.
参考文献
- Boeren, P. C. (1980). Rorgo Fretellus de Nazareth et sa description de la Terre Sainte: histoire et édition du texte. North-Holland Publishing
- Pegg, Mark Gregory (2009). A Most Holy War: The Albigensian Crusade and the Battle for Christendom. Oxford University Press
- Richard, Jean (1999). The Crusades, c.1071-c.1291. Cambridge University Press
- Wakefield, Walter Leggett; Evans, Austin Patterson, eds (1991). Heresies of the High Middle Ages. Columbia University Press
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