ユノハマサラグモとは? わかりやすく解説

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ユノハマサラグモ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/02 00:17 UTC 版)

ユノハマサラグモ
ユノハマサラグモ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
亜門 : 鋏角亜門 Chelicerata
: クモ綱 Arachnida
: クモ目 Araneae
亜目 : クモ亜目 Opistothelae
下目 : クモ下目 Araneomorpha
階級なし : 完性域類 Entelegynae
上科 : コガネグモ上科 Araneioidea
: サラグモ科 Linyphiidae
: ユノハマサラグモ属 Turinyphia
: ユノハマサラグモ T. yunohamensis
学名
Turinyphia yunohamensis (Boesenberg & Strand, 1906)

ユノハマサラグモ Turinyphia yunohamensis (Boesenberg & Strand, 1906) は、サラグモ科クモの一つ。同科では大きくて目立つ網を張るものの一つ。

特徴

体長は雌で4.1-5.4mm[1]。頭胸部背面は明るい赤褐色で、中央に縦の黒い斑紋がある。歩脚は緑を帯びた赤褐色。腹部は卵形で地色は白、中央に縦長の黒い斑紋がある。また両側面にも縦に続く黒斑と、それに沿った黄斑がある。

雄は小柄で細身で、斑紋は雌に似るが不明瞭。触肢器官が小さく、その点で他種と区別できる。

分布と生息環境

本州、四国、九州に分布。国外では韓国と中国から知られる[2]。里山から山地に見られ、平地で見ることは少ない。森林の周辺や林道、渓流沿いの樹木の枝の間、草の間などに見られる[3]。浅間他(2001)は平地には少ないとしながらも、学校の校庭に出ることもあるとしている[4]

生態など

造網性で、伏せ皿型の皿網を張る。シート部分は直径10-3ocm、深さ1-5cm程度で、浅くはあるが[3]、このタイプの網では大きい方である。クモは皿の中央下面に定位する。獲物がかかるとシート面の下から噛み付いて、それから糸を掛け、ドームの中央で食べる[4]

初夏に成熟するが、成体の見られる期間は短く、特に雄は10日前後しか見られない[3]

分類・類似種など

同属のものでは日本ではこの1種のみ知られる。類似の種は幾つかある。伏せ皿型の皿網で、腹部が白地に黒斑を持つものはアシナガサラグモ、シロブチサラグモ、タイリクサラグモなど数種である。いずれもよく似ているが、背面の斑紋である程度は区別できる。

和名について

和名のユノハマサラグモは学名の種小名である yunohamensis(=ユノハマ産の)に由来する。ところがこの種のタイプ産地は佐賀県の湯ノ原(佐賀郡富士町)である。これは新種記載の時に誤ってこう書いたのに基づき、和名はその間違いをそのまま引いてしまった為である[4]

出典

  1. ^ 以下、小野編著(2009)p.334
  2. ^ 小野編著(2009)p.334
  3. ^ a b c 新海(2006)p.147
  4. ^ a b c 浅間他(2001)p.56

参考文献

  • 小野展嗣編著、『日本産クモ類』、(2009)、東海大学出版会
  • 新海栄一、『日本のクモ』,(2006),文一総合出版
  • 浅間茂他、『野外観察ハンドブック 改訂校庭のクモ・ダニ・アブラムシ』、(2001)、全国農村教育協会



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