ミハルゴヴリンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ミハルゴヴリンの意味・解説 

ミハル・ゴヴリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/07 01:48 UTC 版)

ミハル・ゴヴリン
Michal Govrin
ミハル・ゴヴリン
誕生 (1950-11-24) 1950年11月24日
職業 作家、詩人、劇場監督
言語 ヘブライ語、フランス語、英語
国籍 イスラエル
ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

ミハル・ゴヴリン (Michal Govrin; 1950年11月24日 - ) は、イスラエルの作家、詩人、劇場監督である[1]

経歴

ミハル・ゴヴリンはテルアビブで生まれ育ったが、父親は第3次アリーヤーの参加者でテル・ヨセフ・キブツ創設者の1人であり、母親はホロコースト生存者だった。テルアビブの公立高校を卒業後、ゴヴリンはイスラエル軍に入隊し従軍記者として働いた。兵役後にテルアビブ大学の比較文学部と演劇学部で学んだ[2]。1976年に彼女はパリ第8大学で演劇論とユダヤ教典礼の博士号を取得した[2]。彼女の「現代の宗教劇、理論と実践」に関する研究は、ハシディズムにおけるユダヤ教の神秘主義的実践の演劇的側面と、イェジー・グロトフスキピーター・ブルックの演劇研究だった。

ゴヴリンは数多くの小説と詩集を出版し、それらは多くの賞を受賞し、何か国語にも翻訳されている。2013年にはフランスの芸術文化勲章シュヴァリエを授与された[2][3]

ゴヴリンはイスラエルの全ての大劇場で演出をしており、ユダヤ実験劇場の創設者の1人である。

ゴヴリンはテルアビブ大学で教え、エムナ・カレッジの演劇学部長で、エルサレムのシェヒター・ユダヤ研究所英語版ヘブライ大学、視覚演劇学校でも教鞭をとった。またラトガーズ大学のライター・イン・レジデンスも務め、ニューヨークのクーパー・ユニオンで毎年訪問教授として講義した。

ヴァン・レール・エルサレム研究所英語版の一員として[4]、ゴヴリンは2013年に学際研究グループ「伝えられる記憶と創作」を創設しリーダーとなった[5]。グループはホロコースト生存者の記憶が薄れていく中で、その記憶の本質の解明に尽力した。2015年に締めくくりの展覧会「何が記憶か?70年後に」[6]をヴァン・レール・エルサレム研究所のポロンスキー・アカデミーで開催し、シンポジウムと映画制作も行った。このプロジェクトと並行して、ゴヴリンは歴史家、思索家、コミュニティリーダーと共に、ホロコースト祈念日に「ハッガーダー」集会を創設した[7]。集会には、「記憶の責任/責任を記憶する」という二つのテーマがあった。2015年には10の実験集会があった。2016年からはシャローム・ハルトマン研究所英語版が集会を開催し、イスラエル中の数多の学校、コミュニティ、職場や家庭で実践されている[8][9]

家族

母親はホロコーストで前夫と息子を失った後にイスラエルに渡り、再婚してゴヴリンが生まれた[2]。母親の親戚が「シンドラーのリスト」に入っていたので、ゴヴリンは子どもの頃オスカー・シンドラーに会った記憶がある[2]。ゴヴリンはユダヤ系フランス人数学教授ハイム・ブレジス英語版と結婚したが、2人が出会ったのは1978年にブレジスがエルサレムを訪れた時だった。彼はゴブリンがポーランドを訪れた時の紀行文を読み、イスラエルに彼女を探しに行ったのだった[2]。夫婦には2人の娘がいる。ゴヴリンはエルサレム近郊のレアヴィアに住んでいる。叔父のアキヴァ・ゴヴリン英語版はイスラエル政府の大臣の1人で、議会クネセトの議員でもあった。

作品

『その名』

『その名』(השם; HaShem)[10]は、ホロコーストで殺害された最初の妻の名を娘につけたホロコースト生存者と、その娘であるアマリアという名の若い女性の物語である。ヘブライ語のShemは「名前」の意味で、定冠詞Haがつくと意味が「神」に限定される[2]

本書はコレット・ユダヤ人図書賞英語版と、ホロン市主催のクーゲル賞ヘブライ語版を受賞し、英語とロシア語に翻訳された。出版に際し高い評価を得た[11][12]

文学および演劇作品

日本語に翻訳された著作

脚注

  1. ^ Govrin, Michal”. worldcat.org. March 6, 2025閲覧。
  2. ^ a b c d e f g 『砂漠の林檎:イスラエル短篇傑作選』河出書房新社、2023年8月、100-101頁。ISBN 978-4-309-20890-9 
  3. ^ Sela, Mia. “5 Israeli authors will receive an award from the French Government”. Haaretz. http://tools.wmflabs.org/hewiki-tools/redirect.php?q=http://www.haaretz.co.il/1.2056291 
  4. ^ Van Leer Jerusalem Institute”. March 06, 2025閲覧。
  5. ^ Transmitted Memory and Fiction Research Group”. March 06, 2025閲覧。
  6. ^ What Is Memory? Seventy Years Later – Meetings, Discussions, Exhibition”. March 06, 2025閲覧。
  7. ^ Gathering for the Holocaust Remembrance Day”. March 06, 2025閲覧。
  8. ^ C.V.”. Michal Govrin's Official Website. March 06, 2025閲覧。
  9. ^ Biography is translated from the existing Hebrew Wikipedia article at he:מיכל גוברין; see its history for attribution.
  10. ^ Govrin, Michal『השם』הקיבוץ המאוחד : ספרי סימן קריאה、1995年https://ci.nii.ac.jp/ncid/BB25209978 
  11. ^ The Name”. KIRKUS Reviews. March 06, 2025閲覧。
  12. ^ Barbara, Hoffert (1998). “The Name – Book Review”. Library Journal. 
  13. ^ 砂漠の林檎 :サヴィヨン・リーブレヒト,ウーリー・オルレブ,母袋 夏生|河出書房新社https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309208909/ 
  14. ^ 砂漠の林檎 : イスラエル短編傑作選 | NDLサーチ | 国立国会図書館”. 国立国会図書館サーチ(NDLサーチ). 2024年1月23日閲覧。

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  ミハルゴヴリンのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

ミハルゴヴリンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ミハルゴヴリンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのミハル・ゴヴリン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS