軽駆逐戦車ヘッツァーとは? わかりやすく解説

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軽駆逐戦車ヘッツァー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/19 08:41 UTC 版)

38式軽駆逐戦車ヘッツァー(けいくちくせんしゃヘッツァー)は、第二次世界大戦時のドイツ駆逐戦車。ドイツ語では Jagdpanzer 38(t)と呼ばれる。制式番号は Sd.Kfz.138/2 。ヘッツァー(独:Hetzer, 狩りの勢子)というニックネームは本来、次世代軽駆逐戦車であるE-10もしくはE-25計画用のものであったが、いつの間にか本車のものになっている。また、先に設計されたルーマニアのマレシャル駆逐戦車が、デザイン上の参考になっているとの説もある。[1][2]


注釈

  1. ^ 軽突撃砲として開発が始まったものなので本来は砲兵科で運用されるべきものであったが、ヘッツァーを配下の機甲科で運用したいグデーリアンの主張が勝ち、軽駆逐戦車に区分が変更された。
  2. ^ 1970年代に発売されたイタレリ社のプラモデルでは、先に発売されたヘッツァーの足周りパーツを38(t)やマルダーIIIのキットに流用するという誤りのためオーバーサイズであったが、2010年代に作られた新金型の38(t)偵察戦車のパーツを使った新製品に差し替えられた。
  3. ^ 1944年10月5日のドイツ兵器第一課の報告書によると、クロムウェル・チャーチルMk.III・M4A2(75)の75mm戦車砲はヘッツァーの前面を射貫できず、M4A3(76)・T-34-85もヘッツァーがそれらを撃破できる距離より近づく必要があり、IS-2の122mm砲(と、射撃実験には使われていない17ポンド砲)だけがヘッツァーの有効射程外から前面を射貫可能であった。
  4. ^ 運用部隊からは、(路外での)速度が遅すぎて偵察任務には使えず、また完全機械化された機甲師団に追従して行動できない、と報告されていた。
  5. ^ ヘッツァーは当初から主砲が後座しない"シュタール"型として生産され、戦車長はその真後ろに配置されるはずであったが、実際にはPaK39搭載となったため、やむなく他の乗員から離れた位置に変更された。
  6. ^ 戦車長と装填手の配置が他のドイツ戦車と左右逆のため、装填手は砲尾の薬莢受けの支柱の上から手を回して装填しなくてはならず、不便だった。
  7. ^ 主砲のオフセット搭載のため射界、特に左側が狭く車体全体を動かして狙うこととなり、敵側に弱い側面を曝し易いのも欠点であった。
  8. ^ 乗員は一名のみが脱出に成功、焼けた外見のわりに再生可能であったことからポーランド国内軍の装備となるが、出撃前に爆撃により瓦礫に埋もれ、戦後また修復されてポーランド陸軍博物館の展示物となった。
  9. ^ 最初に配備された部隊での報告をとりあげた1944年10月の「戦車部隊ニュース」では、少なくとも小隊単位で運用すべきであり、ある防御戦闘では損害皆無で20輌の敵戦車(IS-2含む)を撃破したとある。
  10. ^ 1944年7・8月、ルーマニアに対し購入したレアメタルの対価として計30輌のヘッツァーが引き渡される予定であったが、ドイツ軍向けですら不足していた時期であったため、結局行われなかった。しかしハンガリーには12月中に25輌ずつ三回に分けて鉄道輸送され、ドイツ南方軍集団の一翼として突撃砲大隊(隊によってはズリーニィと混成)が編成され、東部戦線で戦った。
  11. ^ 1945年末にスイス側からヘッツァー購入希望の打診があり、翌年2月末にシュコダ社がドイツ軍向けヘッツァーから改造したG-13試作車が、スイス軍関係者に披露された。第一生産ロットは大戦中にドイツ軍向けに製造されたパーツから組み上げられたものだが、主砲はStuK40に変更されていた。
  12. ^ 映画『合衆国最後の日』『ハノーバー・ストリート』『ザ・ロンゲスト・デイ』では、マズルブレーキを付けたままのG-13が登場している。
  13. ^ ベルギー王立軍事博物館(案内板に表記されている)やムンスターのヘッツァー等はG-13改造と言われ、また個人所有で同様のレプリカヘッツァーも存在する。

出典

  1. ^ Steven J. Zaloga, Tanks of Hitler’s Eastern Allies 1941–45, p. 31
  2. ^ Mark Axworthy, Cornel Scafeș, Cristian Crăciunoiu, Third Axis. Fourth Ally. Romanian Armed Forces in the European War, 1941-1945, pp. 228-235.
  3. ^ 『世界の戦車パーフェクトBOOK 最新版』コスミック出版、2016年7月 2016。 
  4. ^ a b c d ヒラリー・ドイル/トム・イェンツ「38式駆逐戦車ヘッツァー 1944-1945」 大日本絵画
  5. ^ 高橋慶史 「バトル・オブ・カンプグルッペ(アーマーモデリングVol.81 連載記事)」 大日本絵画


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