バーティカル・エアロスペース VX4とは？わかりやすく解説

バーティカル・エアロスペース VX4（英語: Vertical Aerospace VX4）は、イギリスのブリストルに拠点を置くバーティカル・エアロスペース社が設計、製造した電動垂直離着陸機(eVTOL)である^[1]。

概要

VX4は、320キロメートル毎時 (200 mph)以上で飛行可能で、航続距離は161キロメートル (100 mi)以上、パイロット1名と乗客4名を乗せることができる^[1]。都市部など限られた場所での運用を想定しており、騒音はヘリコプターの100倍静かで、安全性を備えるアーバン・エア・モビリティ。航空機のほとんどは固定翼の揚力に依存していた。これは、巡航する航空機の翼による揚力が効率的であることから、翼の揚力＋巡航およびベクトル推力の概念にへとeVTOL業界全体のより広範な動きに続くと予想されている^[2]。

2022年9月に、VX4は地面につながれた状態で最初の離着陸を達成した^[3]。VX4は、アメリカン航空、ヴァージン・アトランティック航空、エアアジアなどから受注している^[3]。

2023年8月9日、イギリスのコッツウォルド空港で、モーターに不具合が生じた場合を想定したテスト飛行を実施中に試作機が墜落した^[4]。試作機は無人での遠隔操縦であり、負傷者はない^[5]。予備調査結果によれば、根本的な原因はプロペラの欠陥とされる^[6]。

日本

2021年9月、バーティカル・エアロスペース社と丸紅は、業務提携契約を締結を発表。2025年の運航事業実現のために25機のVX4の購入予約権を取得している^[7]^[8]。

2021年10月、アイルランドの航空機リース会社アボロン（英語版）は、日本航空と空飛ぶクルマの日本市場でのパートナーシップ締結を発表。日本航空は、VX4を最大100機をリースする覚書を締結し、2025年日本国際博覧会での就航を予定している^[9]^[10]。

仕様

出典 ^[11]

機種：eVTOL機
パイロット：1 名
乗客：4 名
翼幅: 15 m
全長: 13 m
全高: 4 m
巡航速度: 241 km/h
航続距離: 161 km
ペイロード: 450 kg
プロペラ: 8 基（前方プロペラ x4、後方プロペラ x4）
電気モーター: 8 基
翼の形状: フラップとエルロンを備えた高ガル翼、翼端は両方ともウィングレットとアンヘドラル（下反角）ウィング
テール形状：ラダー付きVテール
着陸装置: 引き込み式の三輪車輪着陸装置
安全機能: 分散型電気推進 (DEP)

脚注

^ ^a ^b “Virgin Atlantic explores 'flying taxi' partnership” (英語). BBC News. (2021年6月11日) 2022年1月30日閲覧。
^ “Is There Room for Multicopters in Electric VTOL?” (英語). Aviation Today (2020年8月31日). 2022年1月30日閲覧。
^ ^a ^b “Vertical Aerospace's XV4 eVTOL Flies for the First Time”. SimpleFlying, September 26, 2022 (accessed on MSN.com). 2022年1月30日閲覧。
^ Siddharth Vikram Philip (2023年8月12日). “「空飛ぶタクシー」の英バーティカル、試作機の墜落で飛行テスト停止”. Bloomberg. 2025年8月4日閲覧。
^ “バーティカルエアロ、「VX4」プロトタイプ機が墜落”. 航空新聞社 (2023年8月17日). 2025年8月4日閲覧。
^ “バーティカルエアロ、事故はプロペラの欠陥”. 航空新聞社 (2023年9月5日). 2025年8月4日閲覧。
^ “英国Vertical Aerospace社が開発・製造する空飛ぶクルマ”VX4”の購入予約権取得について”. 丸紅
^ “丸紅、英バーティカルエアロスペースと業務提携エアモビリティ実装化で東京駅と成田空港の移動を約14分に”. Car Watch
^ “JAL、垂直離着陸機「VA-X4」を最大100機導入　アボロンとパートナーシップ”. traicy
^ “JAL、空飛ぶクルマで英独機種を予約　25年にも実用化”. nikkei
^ Vertical Aerospace VX4 (production model) - eVTOL news

外部リンク

[BBC-1] “Virgin Atlantic explores 'flying taxi' partnership” (英語). BBC News. (2021年6月11日) 2022年1月30日閲覧。

[2] “Is There Room for Multicopters in Electric VTOL?” (英語). Aviation Today (2020年8月31日). 2022年1月30日閲覧。

[Tethered-3] “Vertical Aerospace's XV4 eVTOL Flies for the First Time”. SimpleFlying, September 26, 2022 (accessed on MSN.com). 2022年1月30日閲覧。

[4] Siddharth Vikram Philip (2023年8月12日). “「空飛ぶタクシー」の英バーティカル、試作機の墜落で飛行テスト停止”. Bloomberg. 2025年8月4日閲覧。

[5] “バーティカルエアロ、「VX4」プロトタイプ機が墜落”. 航空新聞社 (2023年8月17日). 2025年8月4日閲覧。

[6] “バーティカルエアロ、事故はプロペラの欠陥”. 航空新聞社 (2023年9月5日). 2025年8月4日閲覧。

[7] “英国Vertical Aerospace社が開発・製造する空飛ぶクルマ”VX4”の購入予約権取得について”. 丸紅

[8] “丸紅、英バーティカルエアロスペースと業務提携エアモビリティ実装化で東京駅と成田空港の移動を約14分に”. Car Watch

[9] “JAL、垂直離着陸機「VA-X4」を最大100機導入　アボロンとパートナーシップ”. traicy

[10] “JAL、空飛ぶクルマで英独機種を予約　25年にも実用化”. nikkei

[11] Vertical Aerospace VX4 (production model) - eVTOL news

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バーティカル・エアロスペース VX4とは？わかりやすく解説