ハオール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/15 14:32 UTC 版)



ハオール(Haor)とは、バングラデシュ北東部に広がる氾濫原。
概要
バングラデシュ北東部を流れるメグナ川水系のスルマ川とクシヤラ川流域のハオールと呼ばれる氾濫原では雨季には高台に築かれた集落の居住区を除いてほぼ全域が水没する[1][2]。乾季は水が引くためこの地域の人々は乾季は稲作などの農業を、雨季は漁業を営み生活していたが、気候変動に伴う雨季の長期化やボンナ(Banna)[注釈 1]の発生などで同地に住む人々は打撃を受けている[3][4]。
雨季にはほぼ全域が水没するため、子供の教育のために余分に舟を持つことのできない家庭の子供たちは学校に行くことができなかった。そのため支援団体によって船内で授業のできるボートによる授業が行われている[5]。
なおベンガル語には似たような低湿地帯を表す言葉としてハオールの他にビール (湿地)、バオール(baor)、ジール(jheel)がある。ビールはバングラデシュ全土及びインド西ベンガル州周辺に存在する乾季も水を湛える湿地のことを指し、バオールとジールはクミッラ県、ファリドプル県、ダッカ県、パブナ県などに多く存在する三日月湖を指す[6][7][8][9]。
脚注
注釈
- ^ 水害を及ぼす洪水のこと。肥沃な土壌と豊かな漁場をもたらしてくれる適度な洪水はボルシャ(Barsha)と呼ばれる。
出典
- ^ “ハオール地域洪水対策・生計向上事業”. www.jica.go.jp. 2025年1月14日閲覧。
- ^ “バングラデシュの「水に浮かぶ学校」~気候変動のソーシャルイノベーション | ウェブマガジンthink”. Think the Earth. 2025年1月14日閲覧。
- ^ “2022年6月「バングラデシュ国ハオール地域における災害に強い気候変動適応型農業の実践と普及」事業開始”. 一般社団法人シェア・ザ・プラネット (2022年9月8日). 2025年1月14日閲覧。
- ^ “バングラデシュの貧困とは?人口や貧困率の現状を知り解決策を考えよう|国際協力NGOワールド・ビジョン・ジャパン”. www.worldvision.jp. 2025年1月15日閲覧。
- ^ “水上の教室が洪水に苦しむバングラデシュのコミュニティに教育をもたらす” (jp). Global Voices 日本語 (2020年5月2日). 2025年1月14日閲覧。
- ^ Saila Parveen and Islam M Faisal, Open-water Fisheries in Bangladesh: A Critical Review Archived 2004-08-04 at the Wayback Machine., The Second International Symposium on the Management of Large Rivers for Fisheries, Large River Symposium
- ^ Bangladesh & Desertification Archived 2007-12-30 at the Wayback Machine., Sustainable Development Networking Programme (SDNP), Bangladesh; Retrieved: 2007-12-04
- ^ “Beel - Banglapedia”. en.banglapedia.org. 2025年1月15日閲覧。
- ^ Chakraborty, Tapas Ranjan (2005). Management of Haors, Baors, and Beels in Bangladesh. International Lake Environment Committee Foundation. オリジナルの2017-08-28時点におけるアーカイブ。 2017年8月28日閲覧。
関連項目
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