ソフィア・フィッツクラレンスとは? わかりやすく解説

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ソフィア・フィッツクラレンス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/14 18:43 UTC 版)

ド・ライル男爵夫人、A・モートン英語版画、1832年
ソフィアの描いた最晩年の父ウィリアム4世、1837年

ド・ライル・アンド・ダドリー男爵夫人ソフィア・シドニーSophia Sidney, Baroness De L'Isle and Dudley, 1796年8月25日 - 1837年4月10日)は、イギリスの貴族夫人。王位継承前のイギリス王ウィリアム4世と、愛妾で女優のドロシー・ジョーダンの間の3番目の非嫡出子・長女[1]

生涯

ロンドンのサマセット通りで誕生し、同父母兄弟と同じく、父のクラレンス公爵位に因むフィッツクラレンス姓を名乗った[2][3]。両親は身分の違いから正式な結婚はできなかったものの、20年にわたり事実婚状態にあり、10人もの子供たちを大切に生み育てた[4][5]。1797年にはクラレンス・ロッジからテディントン英語版ブッシー・ハウスに転居、1807年まで住んだ[4]。しかしクラレンス公は1811年、正統な婚姻による王位継承者を作る必要からジョーダンと離別した[6]

1825年8月13日、ケント州ペンズハースト英語版シェリー=シドニー準男爵の後継ぎフィリップ・シドニー英語版と結婚[3][7]。夫は詩人パーシー・ビッシュ・シェリーの従弟だが、自分の姓から「シェリー」を削除している[8]。1831年5月、父王の勅許状により、妹たちと一緒に、宮中席次において侯爵令嬢として扱われることとなった。1835年には夫が初代ド・ライル・アンド・ダドリー男爵に昇叙された。

1837年1月にケンジントン宮殿の首席家政担当者(State Housekeeper)に任命される[7]。この時期、ソフィアは病がちだった父ウィリアム4世の肖像を描いているが、第4子を出産したあとに産後の肥立ちが悪く、4月に死亡した。ソフィアは高い知性をそなえた、魅力的で華やかな女性であったと言われ、父ウィリアム4世のお気に入りの娘だったため、父王の嘆きは深かった。ウィリアム4世自身、娘の死の2か月後に崩御している。ド・ライル家の地元ペンズハーストのセント・ジョン・ザ・バプティスト教会英語版にはソフィアの記念碑が作られた。寡夫のシドニーは1851年に死去した[3]

子女

ソフィアは夫との間に1男3女を得た[7][9]

  • アデレード・オーガスタ・ウィルミナ・シドニー(1826年 - 1904年) - 従兄のフレデリック・フィッツクラレンス(初代マンスター伯爵の次男)と結婚、子女なし
  • フィリップ・シドニー英語版(1828年 - 1898年) - 第2代ド・ライル・アンド・ダドリー男爵
  • アーネスティン・ウェリントン・シドニー(1834年 - 1910年) - フィリップ・パーシヴァルと結婚、セーリング選手フィリップ・ハンローク英語版の母
  • ソフィア・フィリッパ・シドニー(1837年 - 1907年) - アレクサンダー・フォン・キールマンスエックドイツ語版伯爵と結婚[10]、子女なし

引用・脚注

  1. ^ Beauclerk-Dewar & Powell 2008.
  2. ^ Wright 1837, pp. 429, 851–54.
  3. ^ a b c Weir 2008, p. 304.
  4. ^ a b Brock 2004.
  5. ^ Campbell Denlinger 2005, p. 81.
  6. ^ Campbell Denlinger 2005, p. 84.
  7. ^ a b c Wright 1837, p. 851.
  8. ^ Brennan 2006.
  9. ^ Burke 1880, p. 353.
  10. ^ 夫は父方祖父からハノーファー選帝侯エルンスト・アウグストクラーラ・エリーザベト・フォン・プラーテンの非嫡出子ゾフィー・シャルロッテ・フォン・キールマンスエックの血を引き、父方祖母からイギリス王ジョージ2世アマーリエ・ゾフィー・フォン・ヴァルモーデンの非嫡出子ヨハン・ルートヴィヒ・フォン・ヴァルモーデン=ギンボルンドイツ語版の血を引く人物で、この縁組はハノーファー家の非嫡出傍系同士の婚姻と見なされた。

参考文献




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