クーパー・ベーン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/26 08:00 UTC 版)
クーパー・ベーン (英: Cooper vane)は、旅客機の装置のひとつ。ボーイング727やDC-9といった後部エアステアのある機種において、飛行中にステアが開かないようにするために装着された。
D.B.クーパースイッチ(Dan Cooper switch)とも呼ばれる[1]。
概要

名前は1971年に発生したD.B.クーパー事件に由来する[2]。これは『ダン・クーパー』と名乗る男がボーイング727をハイジャックした後、飛行中に機体後部のエアステアから身代金とともにパラシュート降下して逃走した事件である(2020年5月現在、未解決)。これ以降も模倣犯による事件が相次ぎ、1972年にアメリカ連邦航空局は、すべてのボーイング727に飛行中の後部エアステア展開を防ぐための改修を義務付けた[3]。この際に取り付けられたのがクーパー・ベーンである。
現代の旅客機では、機内は与圧されており、パイロットが減圧しなければ飛行中にドアを開くことはできない[1][2]。
戦闘機もほとんど与圧されていないため、射出座席で脱出ができる[1]。
仕組み
クーパー・ベーンは、二枚の金属プレートを垂直に接合させた作りになっている。飛行中、一方のプレートが風圧を受けると、もう一方のプレートが回転して、エアステアのドアを開けないようにする。着陸後、プレートはバネの力で押し戻されて、ふたたびエアステアは開けるようになる。
関連項目
出典
- ^ a b c “航空機のドアは飛行中に開けられるか?”. natgeo.nikkeibp.co.jp. 2025年5月26日閲覧。
- ^ a b “What is the Cooper Vane? The SECRET tool to prevent your plane from being hijacked”. デイリー・エクスプレス. 2019年11月12日閲覧。
- ^ Shirlee Smith Matheson. Amazing Flights and Flyers. Frontenac House. p. 112. ISBN 978-1897181294
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