エディパン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/06 07:04 UTC 版)
エディパン(Edi-Pan edizioni musicali)はイタリア・ローマの音楽出版社。
概要
ゼルボーニ音楽出版社、リコルディに並ぶ「三大老舗」と呼ばれるのがエディパンである。住所はローマにある。一時期はゼルボーニとリコルディでは扱えないような作曲家を次々と囲い、イタリアの現代音楽でも再演が殆どなかった作品もラインナップに揃う。看板作曲家だった人物にフェルナンド・メンケリーニ、カルロ・アレッサンドロ・ランディーニ、ルカ・フランチェスコーニ、ジャチント・シェルシ(これはデ・サンティス社から出版された過去の作品の再発売である。)、ダニエレ・ロンバルディ、テレサ・プロカッチーニ、ソニア・ボー、ピッポ・モリーノ、エンリケ・コレッジャ、フランコ・オッポ、エンリコ・レンナ、パオロ・カスタルディ、ジュリオ・カスタニョリなど大家が並ぶ。1990年代の全盛期はCDの販売も行っており、一人一枚づつ当時の中堅から若手をディスク化していった。そのCDはかつて日本にもよく入荷されていた。
しかし、2000年代初頭に経営が悪化し、かつては全世界からのオーダーをインターネットで受けていたはずの注文を受け付けなくなった。ホームページはリニューアルしたものの、現代音楽とは違う部門の商業音楽を中心に取り扱う路線に変更した。これはエディパンのインターネット化を推進したリッカルド・ビアンキーニ(Riccardo Bianchini)が2003年に急逝したためである。
2017年にようやくかつての販売形式が再稼働し、当面はテレサ・プロカッチーニの全作品の販売を中心に据え、他の作曲家の作品を順次PDF化することで、小規模ではあるが商業音楽を切り離さず再建に向かっている。かつてのシェルシの作品はDe Santis社そのままのリプリントで販売されていたが、現在はEdi-Panの表紙に変わっている。プロカッチーニに関する研究書籍も入手できる。
過去に扱っていた楽譜にシェルシのPreludi(prima serie)があるが、これは本来48 Preludi per pianoforte (Serie I-IV) として販売するはずであったのがシェルシが全曲の完成を放棄したため途中でとまったままになっている。Preludi, Serie Iの12曲のまま演奏している人物にDonna Amatoがいる。全曲録音はAlessandra Ammaraで行われたが、残された手稿譜から回収したのは47曲である。
教育
現在エディパン社とデ・サンティス社は2000年からContemponet社の傘下に入っており、Contemponet社からの購買が可能になっている。傘下に入った当初Edipan.comは長らくContemponetへの転送を示すガイドが表示されっぱなしになっていた。電子音楽のための教科書の出版に熱意を入れており、MAX/Mspが改訂されると即座に書籍の改訂がなされる。近年はMas/MspのほかPure Dataの教科書も販売されている。英語版とイタリア語版の双方が入手可能。
リッカルド・ビアンキーニの遺作Il suono virtualeはインターネット黎明期からカタログに入っており、どの時代を通じても絶えず販売されている。これも英語版とイタリア語版の双方が入手可能。
参考文献
過去の取り寄せカタログ
現在の取り寄せカタログ
外部リンク
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