ぼくが消えないうちに
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/29 09:16 UTC 版)
| 著者 | A. F. ハロルド |
|---|---|
| 原題 | The Imaginary |
| 翻訳者 | こだま ともこ |
| 絵 | エミリー・グラヴェット |
| 国 | イギリス/日本 |
| 言語 | 英語(原書)/日本語(訳) |
| シリーズ | ポプラせかいの文学(日本語版) |
| ジャンル | 児童文学・ファンタジー |
| 出版社 | ポプラ社(日本語版) |
| 出版日 | 2016年10月5日(日本語版) |
| 出版形式 | 単行本 |
| ページ数 | 327ページ(日本語版) |
| ISBN | 978-4-591-15028-3 |
概要
『ぼくが消えないうちに』は、イギリスの作家A.F.ハロルドによる児童文学作品で、絵はエミリー・グラヴェットが担当し、日本語版訳はこだまともこが手がけている。[1] 物語は、少女アマンダが想像して生み出した「見えない親友(イマジナリー・フレンド)」ラジャーが、アマンダに忘れられてしまうと消えてしまうという運命に直面し、彼女を取り戻すために旅に出るという、友情・喪失・想像力をテーマにしたファンタジーである。[2] 日本語版は「ポプラせかいの文学」シリーズの第4巻として刊行された。[3]
あらすじ
ラジャーは、少女アマンダが想像して創りだした“見えない親友”。いつも一緒に遊び、世界を鮮やかに彩っていた。しかしある日、アマンダが姿を消してしまい、ラジャーは孤独と失われる恐怖にさいなまれる。アマンダに忘れられてしまったら、自分もこの世から消えてしまうという危機を抱えながら、ラジャーは想像の世界をめぐる冒険へと旅立つ。途中、子どもたちの想像力を奪おうとする不気味な存在と対峙しながら、友情と記憶の意味を問い直していく。[4]
登場人物
- ラジャー - 主人公。アマンダの想像によって生まれたイマジナリー・フレンド。
- アマンダ - ラジャーを創り出した少女。想像力豊かで、ラジャーと深い絆を持つ。
- その他の想像の存在たち - 図書館に集う「見えない友だち」たち。[5]
評価と受賞
原書刊行後、イギリス国内および海外で高い評価を受けた。日本語版紹介によれば、イギリス文学協会賞(UKLA Book Award)を受賞している。[6] また翻訳家・金原瑞人は、「子どものときのことなんて、みんな忘れていく。でも、子どもに忘れられていく友だちを書いたこの本を、きみはきっと忘れない」と評している。[7]
出版情報
- A.F.ハロルド(作)/エミリー・グラヴェット(絵)/こだま ともこ(訳)『ぼくが消えないうちに』ポプラ社、2016年10月5日、ISBN 978-4-591-15028-3。[8]
主題と特色
本作では「想像力」「記憶」「忘却」「友情」などが重層的に描かれる。 作者は「空想の友だち」が消えてしまうという設定を通して、子ども時代の喪失や成長を象徴的に描いており、挿絵もモノクロと部分カラーを組み合わせた独特の表現で読者に印象を与える。[9]
日本語版の特徴
訳者はこだま ともこ。装丁・挿絵は原版の雰囲気を生かしつつ、日本の児童文学層にも手に取りやすいデザインとなっている。刊行時には特設サイトや書店フェアが展開された。[10]
メディア展開
本作は、映画『屋根裏のラジャー』(2023年、スタジオポノック)としてアニメ化された作品の原作でもある。[11]
脚注
- ^ ポプラ社公式サイト「ぼくが消えないうちに」紹介ページ
- ^ ポプラ社書籍情報ページ
- ^ ポプラ社公式サイト
- ^ 書評ブログ「かせいのじぶん」『The Imaginary』レビュー
- ^ 書評ブログ「かせいのじぶん」
- ^ ポプラ社公式サイト
- ^ ポプラ社公式サイトより引用
- ^ ポプラ社 書籍紹介ページ
- ^ 書評ブログ「かせいのじぶん」
- ^ ポプラ社公式サイト
- ^ 「きみノベル」紹介ページ
外部リンク
- ぼくが消えないうちにのページへのリンク