しづくに濁るとは? わかりやすく解説

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しづくに濁る

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/08/20 23:11 UTC 版)

しづくに濁る(しづくににごる)は、鎌倉時代に成立した擬古物語。作者不詳。 『しづくに濁る物語』とも。

題名は「むすぶ手のしづくににごる山の井のあかでも人に別れぬるかな」(紀貫之古今和歌集404)より、「あかぬ別れ」(名残惜しい別れ)を主題とした物語の内容による[1][2][3]

成立年代は不詳だが、『風葉和歌集』に作中歌が収録されていることから文永8年(1271年)以前に成立したものと考えられる。冒頭部をはじめ散逸部分が多く、錯簡・欠脱もあり詳しい内容は完全には判明していない[4]

粗筋

内侍督は帝の寵愛をもっぱらにして妊娠するが、中宮はじめ他の后妃たちの妬みを買う。内侍督に恋する中納言(中宮の兄弟)は、中宮と共謀して内侍督を誘拐する。内侍督は中納言のもとで若宮を出産するが、帝と中納言の板挟みに苦しみ死ぬ。内侍督を失った帝は退位して出家し、法華経法師品を読みながら即身成仏する。中納言は帝の怒りを恐れ、出仕しないで隠棲する。新しい帝には内侍督の産んだ若宮が立ち、内侍督の兄が関白となって一門は栄えた。

脚注

  1. ^ 山岸徳平『物語随筆文学研究』(1972年)より。
  2. ^ 小木喬『散逸物語の研究-平安・鎌倉時代編』(1973年)より。
  3. ^ 中野幸一『物語文学論攷』(1971年)より
  4. ^ 樋口芳麻呂『平安・鎌倉時代散逸物語の研究』(1882年)より。

参考文献

  • 大曾根章介ほか編『研究資料日本古典文学』第1巻、明治書院、1983年。
  • 日本古典文学大辞典編集委員会編『日本古典文学大辞典』、岩波書店、1983年



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