おひとりさま族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/23 15:01 UTC 版)
おひとりさま族 | |
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혼자 사는 사람들 | |
監督 | ホン・ソンウン |
脚本 | ホン・ソンウン |
製作 | チョ・ソンウォン |
出演者 | コン・スンヨン チョン・ダウン クム・ヘナ |
音楽 | イム・ミンジュ |
撮影 | チェ・ヨンギ |
編集 | ホン・ソンウン |
製作会社 | 韓国映画アカデミー |
配給 | The Coup Distribution |
公開 | |
上映時間 | 91分 |
製作国 | ![]() |
言語 | 韓国語 |
おひとりさま族 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 혼자 사는 사람들 |
発音: | ホンジャ・サヌン・サラムドゥル |
英題: | Aloners |
『おひとりさま族』(おひとりさまぞく、原題:혼자 사는 사람들、英題:Aloners)は、2021年に公開された韓国映画。ホン・ソンウンの長編映画デビュー作。主演のコン・スンヨンは青龍映画賞で新人女優賞を、トリノ映画祭で主演女優賞を受賞した[2]。翌2022年に開かれた大阪アジアン映画祭でグランプリ(最優秀作品賞)に輝いた[3]。
概要
1988年生まれのホン・ソンウン(女性)は大学卒業後、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)に勤務した。子どものころフランスに住んでいたことから、フランス語圏を担当した。3年半ほど勤めたのち、子どものときの夢だった映画監督になるために2017年に韓国映画アカデミーに入学した [4][5][6]。2018年に卒業制作として短編映画『グッドファーザー』を発表。同作は全州国際映画祭で上映された[7]。
ホン・ソンウンはあるとき孤独死に関するドキュメンタリーを見た。そして「非常に恐怖を感じ、たくさん泣いた」と言う。そのような反応を示した理由は何かと悩んだことが本作を作るきっかけとなり、またモチーフとなった[8]。ホンによれば、感情労働としてのコールセンターは悪名が高く、記事やドキュメンタリーなど参考にする関連資料は多かったという[注 1]。経験者と会い、コールセンターに直接取材も行い[8]、2019年からシナリオを書き始めた[5]。主役を演じたコン・スンヨンは本作が長編映画初出演となった。ホンにとっても長編監督デビュー作となった。
2021年4月30日、全州国際映画祭に出品された。韓国映画アカデミーが制作した本作はCGVアートハウス配給支援賞を受賞し、コン・スンヨンは俳優賞を受賞した[13]。同年5月19日、一般公開された[1]。
同年9月9日から18日にかけて開催された第46回トロント国際映画祭に出品され、10日に上映された[1]。同年12月に開催されたトリノ映画祭でコン・スンヨンは主演女優賞を受賞した[2]。
2022年3月14日と19日、大阪アジアン映画祭でそれぞれ上映され、グランプリ(最優秀作品賞)に輝いた[3][5]。
同年10月31日から11月3日にかけて駐日韓国大使館韓国文化院が主催する「コリアン・シネマ・ウィーク2022」が開かれ、3本の日本未公開作品とともに出品された[14]。
韓国では2000年代から、一人で働き、一人でご飯を食べて、一人で休暇を楽しむ若者のライフスタイルがトレンドとして取り上げられ、統計も一人世帯の激増を示していた。いつしかそうした人々は「ナホロ族」(나홀로족。文字通り「私ひとりで生きていく族」という意味)と呼ばれるようになった。邦題の「おひとりさま族」はそこからとられた[6][15][16]。欧米圏では「Aloners」のタイトルで統一された[17]。
キャスト
受賞とノミネート
賞 | 部門 | 対象 | 結果 |
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第42回青龍映画賞 | 新人女優賞 | コン・スンヨン | 受賞 |
第15回アジア・フィルム・アワード | 新人賞 | コン・スンヨン | ノミネート |
第39回トリノ映画祭 | 主演女優賞 | コン・スンヨン | 受賞 |
全州国際映画祭 | CGVアートハウス配給支援賞 | 『おひとりさま族』 | 受賞 |
俳優賞 | コン・スンヨン | 受賞 | |
第17回大阪アジアン映画祭 | グランプリ | 『おひとりさま族』 | 受賞 |
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f Aloners - IMDb
- ^ a b 오기쁨 (2021年12月6日). “공승연, 토리노영화제 여우주연상 수상”. VOGUE. 2025年8月21日閲覧。
- ^ a b “グランプリは『おひとりさま族』(韓国)、『アニタ』(香港)は観客賞とスペシャルメンションの2冠に!第17回大阪アジアン映画祭受賞結果発表”. Cinemagical (2022年3月21日). 2025年8月21日閲覧。
- ^ “인터뷰 홍성은 감독 “그래서 혼자 사는 사람들을 찍었다””. KBS연예 (2021年5月19日). 2025年8月21日閲覧。
- ^ a b c “OAFF 2022『おひとりさま族 / Aloners』監督インタビュー Interview with the Director”. 大阪アジアン映画祭 (2022年3月14日). 2025年8月21日閲覧。
- ^ a b “혼자 사는 사람들”. 전주국제영화제. 2025年8月21日閲覧。
- ^ “홍성은”. KBS연예. 2025年8月21日閲覧。
- ^ a b “인터뷰 '혼자 사는 사람들' 홍성은 감독 - 제대로 된 작별 인사”. KAFA (2021年5月4日). 2025年8月21日閲覧。
- ^ 常川拓也 (2023年8月25日). “彼女の死は防げたのではないか。韓国映画『あしたの少女』監督が向ける社会と幼き者たちへのまなざし”. CINRA. 2025年1月21日閲覧。
- ^ 서정민 (2023年2月8日). ““학생이 일하다 죽었는데…” 배두나의 분노, 관객을 대변하다”. 한겨레. 2025年1月25日閲覧。
- ^ 이세아 (2023年2月19日). “칸영화제 기립박수 받은 ‘다음 소희’...유족들도 ‘고맙다’ 해주셨죠”. 여성신문. 2025年4月12日閲覧。
- ^ “ペ・ドゥナ主演映画「あしたの少女」カンヌ国際映画祭で批評家週間の閉幕作に選定”. Kstyle (2022年4月21日). 2024年7月31日閲覧。
- ^ 김태완 (2021年5月20日). “영화 <혼자 사는 사람들>... 우리들의 이야기”. 조선일보. 2025年8月21日閲覧。
- ^ “コリアン・シネマ・ウィーク2022”. 駐日韓国文化院 (2022年9月22日). 2025年8月5日閲覧。
- ^ “서울 1인가구 40년 만에 16배…나홀로족 63% “계속 혼자가 좋아””. 중앙일보 (2020年11月25日). 2025年8月21日閲覧。
- ^ “ナホロ族が急増中~韓国版“おひとり様”~”. KBS WORLD Japanese (2007年7月12日). 2025年8月21日閲覧。
- ^ Romney, Jonathan (2021年9月24日). “'Aloners': San Sebastian Review”. Screen Daily. 2021年10月31日閲覧。
外部リンク
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