PENTAXのフィルム一眼レフカメラ製品一覧:35mm判 (KマウントAF機種) ペンタックス MZシリーズ

PENTAXのフィルム一眼レフカメラ製品一覧:35mm判 (KマウントAF機種)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/12 22:15 UTC 版)

ペンタックス MZシリーズ

MZシリーズとは、従来のSF、Zシリーズより一転して新たなコンセプトで始まった小型軽量AF機シリーズである。機能の拡張よりも、「スリムでコンパクト」、「分かりやすさ」、「趣味性」に重点が置かれた。それに伴い、従来の大型筐体から小型筐体に変更された。操作体系も大幅に変更され、ハイパー露出は継承されず、見た目で分りやすい操作体系への回帰が図られた。シリーズ上級機はマニュアルMF機と同様のダイヤル操作方式を採用。一方普及機は、ダイヤル操作式であることは同様であるがオート撮影に特化した操作体系となった。スリム化路線の徹底によって必ずしもKAF2マウントではなくなり、またMF機もラインナップされる[6]など、マウントも機能も、機種の位置付けによって異なるバラエティに富んだシリーズ展開となった。このシリーズにあわせて、高性能だけでなく趣味性を加味した、新たな小型軽量化された高級ブランドレンズであるFAリミテッドレンズ群が登場した。アメリカではZXシリーズとして販売された。

  • MZ-5 クォーツデート - 1995年11月発売。ペンタックスMZ-5とは、MZシリーズ第1号機である。電子式AF機ながらも、絞り操作はレンズ側の絞り環で行い、シャッター速度はMFカメラと同様のデザインのダイヤルで設定。測距点が3点となった。TIPAとEISAのヨーロッパ2大カメラ賞を受賞し、その記念モデルも発売された。
  • MZ-10 クォーツデート - 1996年6月発売。MZシリーズ初の普及機である。ペンタミラー化などのコストダウンが図られている他、「オートピクチャーモード」を初めて搭載した。コストダウンと軽量化のため、ペンタックスとしては初めてのプラスチックマウントを採用している。この時期には一部Zシリーズも併売されていたため、普及機では唯一KAF2マウントが採用されている。
  • MZ-50 クォーツデート - 1997年5月発売。MZ-10の廉価機である。更なるスリム化が図られ、KAFマウントへの変更(パワーズームの使用不可)、オートピクチャーモードやパノラマ機構が省略されるとともに、測光方式がそれまでの6分割から2分割へ、AFがそれまでの3点測距からセンター1点測距へ変更された。さらに、35mm判ペンタックスカメラ初の絞り輪にA位置のないレンズ(K、Mレンズ)が使用不可能な機種となった。
  • MZ-3 クォーツデート -
    PENTAX MZ-3 Special Edition & smc PENTAX-FA 24mmF2AL[IF]
    1997年7月発売。MZ-5の後継機。外観は酷似するも、各所に実用面・操作性に重点をおいた機能向上が施され、メモリーロック機能(AEロック)、プレビュー機能搭載、各ダイヤルの高さの変更、グリップ部の形状変更など、MZ-5で不評だった箇所がほぼ改善された。最高シャッター速度が1/4000秒になるなどスペック面も向上された。CONTAX Ariaのベースモデルとしても知られている[要出典]
  • MZ-7 クォーツデート - 1999年8月発売。中級機。MZ-10をベースに高性能化された機種で、ペンタックス初のフラッシュオートポップアップ機能や、リモコンによるワイヤレスの遠隔撮影機能が追加された。また「オートピクチャーモード」も復活し、ダイヤル内にランプが埋め込まれ、その点灯位置によってどのモードが選択されたのかが分かる新機構が組み込まれた。他にも上級機にあった多重露出機能、視度調整機能の追加。調光機能、測光機能も強化され、絞り輪にA位置のないレンズの使用の可能など、スペック面では過去の上級機であるMZ-5とほぼ遜色のない機種となった。後にブラックモデルも発売された。
  • MZ-30 クォーツデート - 2000年2月発売。MZ-7をベースにした新たな廉価機種。オートポップアップ機能、強化された調光機能などを受け継いだ。オートピクチャーモードと光るモードダイヤルは省略され、Aレンズ群以降のレンズしか使えないシンプルな仕様である。
  • MZ-5N クォーツデート - 2001年3月発売(国内)。シャッターユニットはMZ-5、ボディはMZ-3という機種である。MZ-3と差別化のため、シャッター速度の上限が1/2000秒に抑えられている。
  • MZ-S クォーツデート -
    PENTAX MZ-S & HD PENTAX-DA 40mmF2.8Limited
    2001年5月発売。シリーズ最上級機。MZ-3で指摘されたいくつかの問題点の解決が試みられた。ミラーショックを小さくするために、ミラーアップ機構はモーターによって制御され、さらにセルフタイマーを利用したミラーアップ機能の追加もある。AF機能は、ペンタックス初の6点測距、測距点選択機能が実装され、調光機能は、この機種より新規に設けられたP-TTLシステムに対応し、それぞれ強化された。また、データバックに撮影データの印字機能が標準実装され、ペンタックス645シリーズでも採用されたパーフォレーション間印字機構が取り入れられている(レリーズコード用コネクタも、シリーズで唯一645NIIの新規格が採用されている)。操作面ではシャッターダイヤル・ロックが廃止され、新たな操作体系である「ハイパーオペレーティングシステム」が採用された。また、ダイヤルの操作性と液晶画面の視認性の向上のため、軍艦部が撮影者に向けて大きく傾斜された。
  • MZ-L クォーツデート - 2001年11月発売。MZ-7の後継機種。機能はすべて継承された上でスペックアップが図られた。最高シャッター速度が1/4000秒に引き上げられただけではなく、P-TTLを始めとした2001年以降の数々の新規格の各機能に対応すべく仕様変更され、『ケーブルスイッチ(レリーズコード)』のコネクタも*istで採用されているものが初採用された。他に「電子プレビュー機能」、「オートブラケット機能」、「ペンタックスファンクション(カスタムファンクション)」が追加された。MZ-7より受け継がれたリモコン機能にはAF機能が追加されている。
  • MZ-60 クォーツデート - 2002年11月発売。MZシリーズの最終モデル。徹底的な機能のスリム化が図られた。外部レリーズコード用ソケット、露出補正機能までが廃止され(ISO感度設定変更は可能である)、さらにAF機能付きレンズ専用機になってしまった。同様に構造も簡素化され、従来の撮影モード設定ダイヤルを無くし、ボタン+セレクトダイヤル方式に変更。更に裏ブタのデート設定機構をボディ本体側に移し、ボディの構造を単純化させるなどの工夫がなされた。しかし替わりにオートブラケット機能(1/2、1段)や、セルフタイマー機能を利用したミラーアップ機能、バルブタイマー機能(最長32分)などが実装されている。

  1. ^ 後に他社カメラでも採用され、一眼レフの標準的な機能となった。デジタル一眼レフが主流となった現在でも採用されている
  2. ^ ME FおよびsmcペンタックスAFズーム35-70mmF2.8でのみ採用
  3. ^ KAFマウントの詳細記事はKマウントの系譜の節を参照のこと。
  4. ^ SMCペンタックス-Fレンズ群の詳細記事はKマウント用交換レンズ:35mm判カメラ用の節のSMCペンタックス-Fシリーズの項目を参照のこと。
  5. ^ MZシリーズでは「1」の数字を持つ機種が発売されなかったこともあり(MZ-1やK-1(2000)は開発のみで未発売)、「1」の数字を与えられた機種は、2016年発売の35mmフルサイズデジタル一眼レフK-1まで待たなければならなかった。
  6. ^ シリーズ唯一のMF機であるMZ-Mについてはペンタックスのフィルム一眼レフカメラ製品一覧:35mm判 (KマウントMF機種)を参照。
  7. ^ https://www.facebook.com/ricohimaging.jp/posts/1253867778044248(2018年6月6日閲覧)
  8. ^ SMCペンタックス-FA Jレンズ群の詳細記事はKマウント用交換レンズ:35mm判カメラ用の節のSMCペンタックス-FA Jシリーズの項目を参照のこと。
  9. ^ カスタムファンクション設定によって絞り優先オート、あるいは露出計非作動のフルマニュアル撮影での使用に限定される





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