Haxe コンパイラ

Haxe

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/24 20:58 UTC 版)

コンパイラ

実装

HaxeのコンパイラはOCamlで実装されている。Haxeの利用者にはOCamlの知識は必要ない。

機能

Haxeのコンパイラは複数のプラットフォームへのコンパイルの他に以下のような機能を持つ。

ターゲット共通

  • デッドコード削除
  • 定数畳み込み
  • リソースデータの埋め込み
  • IDEに対してコンパイル・補完・リファクタリング機能を提供するサーバ機能
  • ドキュメント生成用のXml出力

各ターゲット個別

  • SWC、SWFのライブラリの利用(Flash)
    • 静的リンク・動的リンク
    • SWC、SWFのライブラリからのexternの生成
    • SWCファイルの生成
  • ソースマップの生成(JavaScript)
  • jarライブラリの利用(Java)
  • dllライブラリの利用(C#)

統合開発環境

Haxeでのプログラミングには各種の統合開発環境 (IDE) およびエディタが利用できる。Haxeのコンパイラには、IDEに対してコンパイル・補完機能を提供するサーバ機能が備わっている。

Haxeで書かれたソフトウェア

Flashコミュニティを出自とする言語のため、ゲームの用例が多い(言語上はそれに限定されない)。以下に代表的なものを挙げる。

  • Evoland - Haxe創始者(Nicolas Cannasse)ほかによるインディーRPG
  • Papers, Please - 架空の共産国の入国審査官を疑似体験するゲーム。OpenFLを使用。Metacriticのメタスコア85を獲得。GDC 2014のIndependent Games Festivalにおいて最優秀賞を受賞。
  • OpenFL - Showcase - OpenFLを使用したゲームのショーケース
  • Stencyl - 2Dゲームエディタ。OpenFLを使用。
  • TiVo - Android、iOS、デジタルビデオレコーダのアプリケーションに使用している。[25]

歴史

開発当初から現在まで、Nicolas Cannasseがプロジェクトのリーダーを務める。ActionScriptの代替コンパイラとして開発されたため、Flashターゲットの用途が多かったものの、現在はプラットフォーム中立な言語環境となることを目指している[26]

  • 2005年 10月 フランスのブラウザゲーム開発会社Motion Twin英語版の独自ActionScriptコンパイラMTASCの後継プロジェクトとしてHaxeが誕生(当初の綴りはhaXe)
  • 2006年 5月 Haxe 1.0がリリース、JavaScriptターゲットに対応
  • 2008年 7月 Haxe 2.0がリリース、Franco PonticelliによりPHPターゲットが追加
  • 2009年 7月 Haxe 2.04がリリース、Hugh SandersonによりC++ターゲットが追加
  • 2011年
    • JavaScriptターゲットのメンテナとして参加したBruno Garciaにより、2.08と2.09のリリースにおいてJavaScriptターゲットの最適化が行われた
    • Simon Krajewskiがチームに参加
    • Cauê WaneckによりJavaおよびC#ターゲットが追加
  • 2012年
    • 4月 パリ開催のWorld Wide Haxeカンファレンスにおいて、表記をHaxeに変更すること、次のメジャーバージョンとなるHaxe 3に向けて破壊的変更を行うことがアナウンスされる
    • Nicolas CannasseがMotion Twinより独立、インディーゲーム開発会社Shiro Games英語版およびHaxe Foundationを設立
  • 2013年 5月 Haxe 3.0がリリース

  1. ^ Haxe 4.2.2”. 2021年6月16日閲覧。
  2. ^ Haxe 4.0.0-rc.5”. 2019年11月3日閲覧。
  3. ^ Haxeの発音について言語開発者による回答
  4. ^ 公式メーリングリストにおけるHaxeの読み方についての会話
  5. ^ a b haXe is now Haxe
  6. ^ a b c d e History”. 2019年11月3日閲覧。
  7. ^ Using external JavaScript libraries”. 2019年11月3日閲覧。
  8. ^ JavaScript”. 2019年11月3日閲覧。
  9. ^ JavaScript”. 2019年11月3日閲覧。
  10. ^ Haxe 2.0.0”. 2019年11月3日閲覧。
  11. ^ Getting started with Haxe/PHP”. 2019年11月3日閲覧。
  12. ^ Haxe 2.4.0”. 2019年11月3日閲覧。
  13. ^ Getting started with Haxe/C++”. 2019年11月3日閲覧。
  14. ^ a b Haxe 2.10.0”. 2019年11月3日閲覧。
  15. ^ .NET version and external libraries”. 2019年11月3日閲覧。
  16. ^ Getting started with Haxe/Java”. 2019年11月3日閲覧。
  17. ^ Replace hxjava-std with Java 8.”. 2019年11月3日閲覧。
  18. ^ a b Haxe 3.2.0-rc.2”. 2019年11月3日閲覧。
  19. ^ Getting started with Haxe/Cppia”. 2019年11月3日閲覧。
  20. ^ Haxe 3.3.0-rc.1”. 2019年11月3日閲覧。
  21. ^ Haxe 3.3.0-rc.1”. 2019年11月3日閲覧。
  22. ^ Haxe 4.0.0-rc.3”. 2019年11月3日閲覧。
  23. ^ Language Features - Haxe - The Cross-platform Toolkit
  24. ^ Enum Instance - Haxe - The Cross-platform Toolkit
  25. ^ WWX2015 Haxe in the Enterprise
  26. ^ Getting Rid of Flash ?
  27. ^ Haxeのネーミングについて言語開発者のコメント
  28. ^ London Haxe Meetup 20th October 2016 - Part 2”. Haxe Foundation. 2019年3月15日閲覧。
  29. ^ About - Haxe Game Engine”. Heaps.io. 2019年3月15日閲覧。
  30. ^ Hello HashLink”. Heaps.io. 2019年3月15日閲覧。


「Haxe」の続きの解説一覧

haXe

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/04/17 08:02 UTC 版)

haXe(ヘックス[2]、発音記号は /heks/[3][4])はコンピュータ・プログラム用言語の1つであり、対応するウェブサイト上でなら汎用言語として使用でき、オープンソースで汎用性の高いクロスプラットフォームの高級プログラミング言語[5]である。言語は ActionScript 3 から派生していて類似している[6]API も NME により Adobe Flash と同等のものが提供されている[6]




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