長門有希ちゃんの消失
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/12 02:54 UTC 版)
登場人物
原作での設定は「涼宮ハルヒシリーズの登場人物」、『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』での設定は「涼宮ハルヒちゃんの憂鬱#登場人物」を参照。
県立北高校
- 長門有希(ながと ゆき)
- 声 - 茅原実里[2]
- 本作の主人公。北高に通う1年生(物語途中より2年生)で文芸部部長。市立図書館での出来事がきっかけで、同じく北高に通う男子生徒「キョン」に恋をしてしまい、ゾッコンな面を持っている。原作での無感情、『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』での無感情で天然ボケな長門と違い、内気で少々抜けているが、とても感情豊かで、パニックになると奇行を起こす。キョンにはいつか自分の気持ちを告白したいと考え、何度か実行しているが、毎回肝心な所で邪魔が入り失敗している。また、かなりの食いしん坊で、食べ物に釣られて行動してしまうことも多い。趣味は読書とゲーム。服装についても、原作は制服のみ、『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』が一部シーンのみが私服であったのに対して、本作はほとんどが私服であり、逆に制服は学校以外で着ることはない。字が非常にうまく、コンピューターの書体のような文字を手書きすることができるほか、進学校レベルの数学も解くことができるほど頭がいい。しかし、説明は下手で、朝倉曰く「宇宙語」。住まいはマンションで、一人暮らし。また、極度の近眼で、メガネを外すと歩くのもおぼつかない。脳内会議の際には、頭の中に『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』に登場したウサギ型ヘッドホンを付けた長門が現れる。2年生に進級する際のクラス替えで、キョンや朝倉と同じクラスになっている。
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- 別人格の長門
- 声 - 茅原実里
- 車と接触しかけて転倒した際に一時的に現れた人格で、医師からは事故の際の衝撃に起因する記憶障害が原因で現れたと診断されている(本人曰く、記憶がなくなったわけではないが、それを自分の記憶とは認識できない状態)。性格は原作『涼宮ハルヒの憂鬱』の長門に近く、寡黙であり、表情もほとんど変化しない。また、自身の存在を「脳の異常で発生した存在」と自覚していたため、当初は朝倉やキョンに対して自身の正体を隠そうとしていた。ゲーム好きから本好きに変わったり、「宇宙語」を使わずにキョンに勉強を教えられるなど嗜好や能力が変化したが、朝倉曰く「食べ方や量は変わっていない」とのこと。本来の長門が抱いていたキョンへの恋愛感情は「今の私には分からない」と感じていたが、彼と日常生活を送る中でそれを理解し、自らもキョンに惹かれていく。
- キョン
- 声 - 杉田智和[2]
- 北高に通う1年生(物語途中より2年生)で文芸部部員。「キョン」というのは原作の設定と同じくあだ名で、本名は不明。本作では元からこの世界の住人として登場している[注 3]。図書館で貸し出しカードを作れず困っていた長門を助けたことで知り合い、その後、長門に廃部寸前の文芸部に誘われて入部する。また、文芸部に入部した直後に朝比奈みくると廊下でぶつかったことがあり、それをたまたま目撃していた鶴屋さんが、キョンがみくるを襲っていると勘違いしてしまい、それ以来なぜか勝手に「みくるファン倶楽部」に入会させられている。キョン自身はこの件をとても迷惑がっており、そのためか、原作のようにみくるを過剰に持ちあげる言動は取っていない。学力の方はあまりよくないようだが、原作でキョンの成績は明言されていないため、メタ発言でぼやかされている。原作と同様に妹がおり、長門と出会った日、キョンが図書館にいたのは、妹が借りる本を探すためであった。中学1年の時、中学校の校庭に宇宙へのメッセージを書こうとしたハルヒと1度出会っており、その際にハルヒに対して自身の名前を聞かれ「ジョン・スミス」と答え、年齢も「高校1年生」と偽った。朝倉から長門の人格が変わったことを知らされた際には、その事実を即座に受け止めて別人格の長門が負担を感じずに生活できるよう振舞うなど察しの良さを見せている。
- 朝倉涼子(あさくら りょうこ)
- 声 - 桑谷夏子[2]
- 北高に通う1年生(物語途中より2年生)で、長門と同じマンションに住む長門の親友で、幼馴染的な間柄。しかし、一人暮らしの長門を気遣って、ほぼ毎晩長門の部屋に行っては夕食を作ったり、ゲームばかりする長門を叱ったりと、作中ではよくお母さん的存在とされる。両親はカナダに赴任中で、本人も一人暮らしである。また、キョンのクラスの委員長でもあり、優等生。そのため、最初は部活動に参加していなかったが、廃部寸前の文芸部を守るために部員を集めていた長門に誘われ、キョンと同時期に入部している。基本的には長門に甘いものの、彼女が甘え過ぎと感じる時は厳しい態度を取るなど、さらに母親属性を発揮している。また、長門がキョンを好きな気持ちをもっとも理解しており、さりげなく長門に助言やアドバイスを行っている。とにかく何でもこなすことができ、1度鶴屋さんと激闘(料理対決など20本)を繰り広げ、それ以降お互い仲がよい。本作では完全に一般人なので、原作や『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』のような、キョンを殺そうとする描写や考えはまったくなく[注 4]、むしろ上記のように他の人を助けてくれる存在なのだが、時にはハルヒでさえも驚くほど大胆な行動に打って出ることがある。「美人」など自分の容姿を褒められると興奮して取り乱す傾向にある。なお、自分の容姿がいいことを否定はしない。
- 原作小説では早期に退場したキャラクターだが、この作品では長門、キョンに次ぐ準主人公的な立ち位置であり、アニメ版にも全話に登場する。
- 朝比奈みくる(あさひな みくる)
- 声 - 後藤邑子
- 北高に通う2年生(物語途中より3年生)で書道部部員。学校では男子にとても人気があり、そのため鶴屋さんによって、勝手にファンクラブが設立されている。未来人ではなくなっていること以外は原作の設定とほとんど変わらないキャラクターであるが、本作ではハルヒではなく鶴屋さんに振り回されていることが多い。原作では長門を苦手とする設定があり、本作でも当初こそあまり話せなかったが、バレンタイン以降は彼女の恋を応援しており、要所でアドバイスを送るなど先輩と後輩として良好な関係を築いている。
- 原作小説では主要キャラクターの一人だが、本作では登場しないエピソードも多い。
- 鶴屋さん(つるやさん)
- 声 - 松岡由貴
- 北高に通う2年生(物語途中より3年生)で書道部部員。みくるの親友で、いつも行動を共にしている。勝手に「みくるファン倶楽部」を設立し、創設者として会員番号001番となっている。また、キョンを勝手にこのファン倶楽部に入会させており、当初はキョンから恐れられていた。朝倉と同様で、非常に何でもこなすことができるうえに武闘派。天敵は森先生で、なぜか森先生の気配だけが察知できなかったことに驚いている。裕福な家の子であり、長門たちが何かをしようとすると、いろいろな物を援助してくれている。
- 谷口(たにぐち)
- 声 - 白石稔
- キョンが高校入学後に知り合った同級生の男友達。国木田と共に文芸部存続のために名前だけ貸して文芸部に在籍している(幽霊部員)。常に女子にモテることを考えており、女子を勝手にランク付けしている。
- 国木田(くにきだ)
- 声 - 松元惠
- キョンの同級生でキョンとは同じ中学出身の男友達。谷口と共に文芸部存続のために名前だけ貸して文芸部に在籍している(幽霊部員)。佐々木とも中学が同じため顔なじみ。
- 黄緑江美里(きみどり えみり)
- 北高に通う3年生で生徒会長の側近。長門や朝倉より1学年上であるが2人とは幼馴染の仲良し3人組。長門曰く、朝倉は彼女には頭が上がらないらしい。また、キョンたち行きつけの喫茶店「珈琲屋 夢(ドリーム)[注 5]」でウェイトレスのバイトをしている。
- 原作や『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』に登場する喜緑江美里と絵柄はほぼ同一であるが、一文字違いになっている。
- 森園生(もり そのう)
- 声 - 小見川千明[注 6]
- 北高の体育教師。暴走した鶴屋さんを簡単に止めることができるなど、謎の多い人物。原作では機関のメンバーであり、パートタイムでメイドをしていた。
- なお、アニメ第8話では同姓同名のよく似た人物が旅館「鶴寿館」で仲居として登場しているが、上記の森園生と同一人物かは不明である[注 7]。
光陽園学院
- 涼宮ハルヒ(すずみや ハルヒ)
- 声 - 平野綾
- 光陽園学院に通う1年生(物語途中より2年生)。原作(消失を除く)や『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』の時より髪が長い。クリスマスイブからクリスマス当日にかけて、サンタを捕獲しようと公園で張り込んでいたが、早朝、力つき倒れてしまい、たまたまそこを通りかかった長門とキョンによって助けられ、二人と関係を持つようになる。それ以降、古泉と共に北高の文芸部に現れるようになり、「北高文芸部ミステリー部門臨時部員」を名乗って[注 8]文芸部の活動に参加している。中学1年生の七夕の日に、自身の通っている中学校の校庭に宇宙へのメッセージを書こうとして、閉門している学校に不法侵入しようとしたところを、同じく中学1年のキョンに見つかり、そのままキョンにメッセージを全て書かせたことがある。原作の設定と同じく、行動的で突拍子もないことを言いまくり、「宇宙人や未来人や超能力者を探し出し一緒に遊ぶこと」を夢見ている。
- 普段は北高のメンバーや古泉を振り回しているが、朝倉と二人きりになった場合には長門を案ずる彼女の言動に振り回されることが多い。ただし、ハルヒにとって朝倉は対等に会話を交わせる数少ない同性の友人でもあり、普段は隠しているキョンへの想いを朝倉に打ち明けたこともある。
- 原作小説のメインヒロインではあるが、北高の生徒ではないため本作では登場しないエピソードも存在する。
- 古泉一樹(こいずみ いつき)
- 声 - 小野大輔
- 光陽園学院に通う1年生(物語途中より2年生)。ハルヒと同じく北高文芸部ミステリー部門臨時部員。ハルヒの付き人的存在で、ほとんど行動を共にしている。ハルヒと行動を共にする理由は、古泉は光陽園学院に1年生の春ごろという中途半端な時期にやってきた転校生であり、そのため周囲から孤立していた所を、ハルヒが「謎の転校生」として素直に接してくれたため。しかし、「転校生」という属性にしか興味のないハルヒには最近飽きられつつあると思い少し焦っている。ハルヒのことを魅力的と感じ、素直に好きと認めている。
- 原作小説の主要キャラクターではあるが、本作ではハルヒと同様に登場しないエピソードも存在する。
- 佐々木(ささき)
- 光陽園学院に通うキョンの幼なじみで、同級生の女子。一人称は「僕」のボクっ子だが、原作で言及された、話し相手の性別によって一人称を変える描写はない。キョン、国木田とは同じ中学校出身であり、中学時代から全国模試で上位に入るほどの秀才。キョンとはお互いに「親友」と口にするほど仲がよく、中学時代はいつも一緒に塾に通っていたために周囲(特に国木田)から二人が付き合っていると勘違いされていた。
- 周防九曜(すおう くよう)
- 光陽園学院に通う女子。単行本第6巻より登場。原作小説とは異なり眼鏡を掛けているのが特徴。文化祭の手伝いに来ていた谷口と衝突して鼻血を出すが、同時に一目惚れしたらしく、一緒に文化祭を回っている。谷口が勢い余って下品な発言をしてしまった際には爆笑して「おもしろい人」と評している。
その他
- キョンの妹
- 声 - あおきさやか
- キョンの妹。キョンと長門の関係に興味を持っており、彼女の発言がきっかけでキョンは自身の長門への想いを自覚することになる。
- 旅館「鶴寿館」従業員
- 文芸部一行が宿泊した旅館「鶴寿館」の従業員。ただし単行本3巻では「鶴寿館」の従業員は詳しく描写されていないため、アニメオリジナルの設定となっている。なお名前や容姿および森園生を除く3人の担当声優は、アニメ版の『涼宮ハルヒの憂鬱』に登場した「機関」関係者と同一である。
- 新川(あらかわ)
- 声 - 大塚明夫
- 旅館「鶴寿館」の料理長兼送迎車の運転手。文芸部一行には夕食時に料理長として挨拶をした。
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- 森園生(もり そのう)
- 声 - 小見川千明
- 来訪した文芸部一行を出迎えるとともに、仲居として荷物持ちや夕食の支度を行っている。
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- 多丸圭一(たまる けいいち)
- 声 - 井上和彦
- 来訪した文芸部一行を出迎えるとともに、チェックイン業務を担当する。
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- 多丸裕(たまる ゆたか)
- 声 - 森川智之
- 来訪した文芸部を圭一と一緒に出迎えるとともに、部屋までの案内を行う。
- ^ 「森が体育教師」「長門が『消失』時の長門」など世界観の類似点が多い。
- ^ そのため『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』に登場するキミドリさんは直接登場しない。しかし、長門宅の休日風景の中で犬型になっている風船が置かれていたり、衣服のブランド、ぬいぐるみとして登場している。
- ^ 原作や『涼宮ハルヒの消失』のキョンが『消失』の世界に残ったわけではない。
- ^ ただし、一度「ストレスがたまりすぎたら最近の若者よろしくキョン君の背中をナイフで…」と発言している。
- ^ この喫茶店は西宮市に実在しており、アニメ版でもスペシャルサンクスとしてスタッフロールに記載されている
- ^ 「涼宮ハルヒシリーズ」関連作品では大前茜が声を担当していたが、2010年に声優業を引退したため、新規にキャスティングされている。
- ^ キョンは「他人の空似か?」と発言しているが、他のメンバーがこのことに気付いた気配はない。
- ^ アニメでは更に「北高文芸部本部長」も名乗っている。
- ^ 第10話から第13話の映像では、途中で画面が反転する演出、登場人物がシルエットになる、長門が涙を流す、ラストシーンで足元に眼鏡が置かれている(第13話のみこの眼鏡が無い)などの変化がある。第14話以降のものは、以前までは星を手放していたシーンが星を掴み取るシーンに変更されている。
固有名詞の分類
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