美濃弁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/20 06:16 UTC 版)
語彙
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語彙については同じギア方言である尾張弁・三河弁・飛騨弁と共通するものが多くみられる。
あ行
あ
- あいさ
- 【名】あいだ。[58]
- あうつ
- 【動】(うちわで)扇ぐ。
- あからかす
- 【動】こぼす。
- あかる
- 【動】こぼれる。
- あがる
- 【尊】召し上がる。「あがってくだせぇぁ(お召し上がりください)。」
- あかん、あかへん
- 【複合】だめ。いけない。「埒が開かん」に由来。[58]「あかすか」「だちかん」とも言う。
- あじない
- 【形】不味い。
- あじめし
- 【名】五目ごはん。「あじごはん」は三重県の方言になる[59]。
- あすぶ
- 【動】遊ぶ、時間を持て余す。使っていないもの。(例)「あっこの畑あすんどらっせるなら、この肥やし撒いてみてちょーでぇぁ。(あそこの畑を休耕してらっしゃるなら、この肥料を撒いてみてちょうだい。)」
- あぬく
- 【動】上を向く。仰向けになる(例)「あぬいたいくところぶぞ(上を向いて歩いていると転ぶよ)[60]。」
- あつこい
- 【形】厚い。
- あばばする
- 【動】溺れる。[58]
- あぶつ
- 【動】動悸がする。(例)「心臓があぶった」(心臓がドキドキした)
- あらや(新家)
- 【名】分家。名古屋弁では「しんや」と言う。本家は「ほんや」。
- あらけない
- 【形】沢山の。
- あらへん
- 【複合】(物などが)無い。[58]
- あんき
- 【名】安心。気楽。気軽。「安気」と書く。
- あんじゃない
- 心配ない。「案じはない」から。
- あんばよう
- 塩梅よく。程よく。[58]
- あんも
- 【名】あんころ餅。
い
- いがむ
- 【形】ゆがむ[58]
- いげる
- 【動】飽きる。東濃では「いげる」加茂郡から下呂市南部では「えげる」と言う。
- いきる
- 【動】蒸し暑い。「今日は、えろういきるなぉ(今日は随分と蒸し暑いな)」
- いざる、いのかす、いごく
- 【動】座ったまま動く。動かす。
- いしな
- 【名】石。
- いたまらかす
- 【動】壊す。
- いてる
- 【動】凍る。
- いろむ
- 【動】熟す。
- いんだ
- 【動】死んでしまった。
- いんさった
- 【尊】おっしゃった。
- いんね
- 【感】いいえ。
う
- うちんた
- 【代名】我々、私共。
- うでる
- 【動】茹でる。
え
- えらい、えれぁー
- 【形】①疲労や病気で体がだるい[58]。②とても。「ど」を付けるとさらに強調。(例①)「おちょぼさんまでようさん歩いたもんでえれぁーてえれぁーて(千代保稲荷神社まで沢山歩いたので疲労困憊で仕方がない)」(例②)「木村さん、どえれぁーええ男やったよ(木村さん、すごくいい男だったよ)」
- ええて
- 【文】(投げやりな意味で)いいよ。(例)「まーえーて」(もういいよ)
- ええころかげん
- 【連】いい加減。
- えか
- 【接尾】強調・念押しに使う。良いか。さらに強調して念押す場合は「えかて」(例)やっといてちょ。えか!(やっといてくれ。いいか!)
- えれる
- 【動】入れる。
- えんぺつ
- 【名】えんぴつ。
お
- おいでる
- 【尊】いらっしゃる。
- おうじょうこく(往生こく)
- 【動】びっくりする
- おうちゃき・おうちゃくい
- 【形】手抜きでいい加減な。名古屋弁の「横着」に相当。
- おおきに(大きに)
- 【文】ありがとう。(主に西濃で)[58]
- おく
- 【動】やめる。やめておく[58]
- おくりさん
- 【名】僧侶の妻。
- おけぞくさん
- 【名】(神仏への)餅などのお供えもの。
- おこえー
- 【名】おこわ、赤飯。
- おさうり
- 【名】井戸端会議。油を売ること。(例)「おさばっかりうっとる」(油ばかり売っている)
- おじょろまむし、おじょろへんび
- 【名】表向きはしおらしくしているが、内面的には、ヘビやマムシのように恐い女性。
- おぞい
- 【形】悪い。お粗末。だらしない。
- おそがい・おそげぇ
- 【形】恐ろしい。怖い。[58]
- おだいじん(お大尽)
- 【名】金持ち。
- おっさま
- 【名】お坊さん、僧侶、住職。「ごえんさん」とも言う。
- おとらかす
- 【動】落とす。
- おにゅーございます
- 雨の日の挨拶(可児市)。多治見市では「おにずーございます」と言う。
- おぶくさま
- 【名】お仏供様。お西では「お仏飯」と言う。
- おまはん
- あなた。おまえさん。[58]
- おやさん
- 【名】親御さん。[61]
- おりんぼせ
- 【名】おりんの棒、幼い・小さな男の子。
- おんさる
- 【動】いらっしゃる。「おんさい」で「いらっしゃい」の意。[58]
- おんつ・めんつ
- 【名】オス・メスのこと。「おんた」・「めんた」とも。[58]
- おんぼ
- 【名】おんぶ。
か行
か
- がいき
- 【名】風邪。(例)「がいきひかんよう、きーつけんせーよ(風邪をひかないように気をつけなさいよ)」
- かいもち
- 【名】おはぎ。「粥餅」が由来。
- かう(支う)
- 【動】(ボタン・鍵などを)かける。
- …かしゃん
- 【接尾】疑問をともなった独り言。東京・山の手言葉の女性語「…かしら」と同様、"…か、知らぬ"の転。性別に関係なく用いる。…かなあ。…だろうか。 (例)「明日雨降るかしゃん」(明日雨降るかなあ)
- かがはいい
- 【形】眩しい。「かがはえー」「はがいい」「はがええ」と言う地域もある。
- かざ
- 【名】におい。
- かわええ
- 【形動】かわいそうだ。
- かしわ
- 【名】鶏肉。(例:かしわ買ってくるわ)
- かど
- 【名】庭。
- かド
- 【名】漢字ドリル。愛知県一宮市でも使用[62]。
- がばり(画針)
- 【名】画鋲。
- かやす
- 【動】返す。
- かやる
- 【動】(物が)倒れる。(例)「自転車がかやってまった」(自転車が倒れてしまった)
- からかす
- 【動】(…し)まくる、しきりに…する、…てばかりいる。 (例)「本読みからかしとったわ」(本を読みまくっていたよ) 「あの犬は穴掘りからかすんやて」(あの犬は穴を掘ってばかりいるんだよ)[58]
- かん
- 【複合】駄目。いけない。ならない。「豆腐買わなかん」(豆腐を買わなければならない)
- かんからかん
- 【形】非常に固い。
- かんかん
- 【形動】硬い様。アクセントは平板。
- かんこう(勘考)
- 【名サ】工夫、検討、考慮。
- かんす
- 【名】蚊。[58]
き
- きいない
- 【形】黄色の。[58]
- ぎざ
- 【名】縁起。[58]
- きつい
- 【形】強い。(例)「あの相撲取りはきついわ」(あの相撲取りは強い)
- きもい
- 【形】(衣服・帽子・靴などが)きつい、窮屈だ。若者言葉で「気持ちが悪い」の省略形「キモい」とは無関係。「きむい」とも言う。
- きっつくらい
- 【名】大嫌い。
- きやす
- 【動】消す。[58]
- ぎょうさん、ようさん(仰山)
- 【形】たくさん。(例)「ぎょうさん食べやあ」(沢山食べなさい)[58]
- きりばん
- 【名】まな板
- きんのう
- 【名】昨日。
- きんたまぶえ
- 【名】風船。
く
- くじな
- 【名】たんぽぽ。
- くそ…
- 【形】後に続く言葉の「最上形」(例)くそたわけ(とても馬鹿) くそえれぇ(とても辛い)
- くだれた
- 【尊】いただいた。
- くたぶれた
- 【動】くたびれた。
- くっくら
- 【形動】黙々と。
- くるう
- 【動】暴れる。(例)「部屋の中で狂ったらあかん」(暴れたら駄目)
- くろ
- 【名】隅っこ。[58]
- くろにえ
- 【名】青アザ。
け
- げえ
- 【接尾】…じゃないか。…じゃん。眼前の事出来事に驚いた時に用いる(相手に抗議するときなどは「…やん」を使う)。(例)虹がでとるげえ! (虹が出ているじゃないか!)
- ケッタ
- 【名】自転車。新方言。岐阜ではけたくりことも言う。
- けっつまずく
- 【動】躓く。
- けってく
- 【動】帰っていく。
- けド
- 【名】計算ドリル。愛知県一宮市でも使用[62]。
- けなるい
- 【形】うらやましい。[58]
- ゲボ
- 【名】嘔吐。
こ
- こーれー
- 【名】とうもろこし。「高麗黍(こうらいきび。とうもろこしの古い言い方)」が短縮され訛ったもの。
- …こいた
- 【動】…した。(例)「びっくりこいた」(びっくりした)
- こうしゃく
- 【名】不平不満。
- ごくどうしてる
- 【動詞】さぼっている。怠けている。
- ごいんさま(御院様)
- 【名】お寺の住職。
- ごがわく(業が沸く)
- 【動】腹が立つ、ムカつく。[58] (例)「おんしの顔見とるとごがわくわ (あなたと顔を合わせるだけで腹が立つ)」
- こぎる
- 【動】値切る。
- ござる
- 【動】いらっしゃる。(例)待ってござる(待っていらっしゃる)
- こそばいい
- 【形】くすぐったい。「こそばええ」郡上では「くつばしい」中濃では「こそべたい」とも言う。
- ごたいげさま
- ありがとう。
- こばる
- 【動】配る。
- ご無礼する
- 【名サ動】(先に帰るときなどに)失礼する。(お先に頂く際に)失礼する。
- こまる
- 【動】(歯などに)はさまる。
- こやあた
- 【尊】いらっしゃった。
- こわい(強い)
- 【形】(食べ物が)固い。
- こわける
- 【動】壊れる。
- これば
- 【仮定】来(く)れば。無意識的に使用している方言とされる。「こ(来)りゃ」「こ(来)や」から派生。[63]
- (お金を)こわす
- 【動】両替する。
- ごんぼ
- 【名】ごぼう。
さ行
さ
- …さ
- 【接尾】…さん。(例)「シゲさ」(シゲさん) [58]
- ざいしょ
- 【名】出身地、実家、故郷。「ぜぇぁーしょ」と発音する。三重県の御在所岳ではない。[61]
- さきがた
- 【名】先程。
- さぶぼろ
- 【名】鳥肌。
- さらえる
- 【動】皿の食べ物などを食べて空にする。
- さんまえ(さんめー)
- 【名】火葬場。
し
- じいも(地芋)
- 【名】サトイモ。[58]
- しず(沈)まる
- 【動】(お風呂で肩まで)つかる。
- しおからい(塩辛い)
- 【形】しょっぱい。
- しとなる
- 【動】成長する。大きくなる。「ひとなる」「しとねる」「ひとねる」とも言う。「人になる」が語源。
- しゃち
- 【名】口出し、節介 「しゃち(を)焼く」(口出しをする、お節介を言う)の形で用いる。
- じょり
- 【名】つっかけ履き。「ジョリッパ」「ゾリ」「ゾリッパ」とも言う。草履とスリッパの合体語・その略。
- じん(仁)
- 【名】(「…のじん」で)…の人。 (例)「岐阜のじん」(岐阜の人)[58]
す
- ずくんぼ
- 【名】つくしんぼ。
- ずつない
- 【形】辛い。苦しい。(例)「お母ちゃんのーなってまって気がずつねゃぁてかん(お母さんが亡くなってしまって気が苦しくて仕方がない。)」
せ
- せいだいて
- 【名】一生懸命。
- せん(が)ない
- 【形】さみしい。残念だ。岐阜市周辺で使用頻度が高い[64]。
そ
- そーすーとせーが
- 【接】そうすると。
- そうましい
- 【形】(主に東濃地方)やかましい様子。散らかっている様子。(例)「どえらいそうましい連中」「どえらいそうましい部屋」
- そうれん(葬斂)
- 【名】葬式・葬儀の列。
た行
た
- だいたげる
- 【動】出してあげる。「だいてください」は「出してください」になる。
- だだくさ
- 【形動】(行動が)いい加減、ずぼら、乱暴、粗末、粗雑。「駄沢山」の転。[58](例)「食べ物をだだくさにしたらあかんに」(食べ物を粗末にしてはいけないよ)
- だちかん
- 【複合】駄目。[58]「埒が開かん」の転 cf.「あかん」。
- たべともない
- 食べたくない。
- ためらって
- 気をつけて。
- たわけ、たあけ
- 【形】馬鹿。「たわけ」「どたわけ」「くそたわけ」と後者ほど愚か者の度合いが強い[61]。名古屋弁と認識されがちであるが、岐阜県がルーツである[65]。
- たるい
- 【形】だるい。かったるい。
【形】悲しい。つまらない。(東濃地域)
- たんちん
- 【名】馬鹿者。よく子供に向かって「おたんちん」と言う。
- たんと
- 【形】たくさん。[58]
ち
- …ちょ、ちょう(せ)【動】
- …(して)くれ。相手へのお願い。「せ」を付けるとより丁寧になる。
- ちょうすく
- 【動】図に乗る。生意気。「調子付く」の転。
- ちょーらかす
- 【動】あやす。だます。(例)「子供をちょーらかす」(子供をあやす)
- ちょんぼ
- 【名】髪どめ用のゴム。または、ゴムでとめた状態の髪。(例)「おちょんぼする」
- ちんちん、ちんちこちん、あっちんちん
- 【形動】高温になっている様。アクセントは平板。「ちんちこちん」の方が程度が甚だしい。(例)「このヤカンちんちんやわ」(この薬缶は熱くなっている)
つ
- つーろく
- 【動】釣り合う。マッチング。
- つくなる
- 【動】座る。正座する。
- つける
- 【動】ご飯をよそう。
- つっつっからかす
- 【動】突きまくる。
- つっと
- 【副】急に。すぐに。
- つもい
- 【形】→きもい
- つる
- 【動】(机や椅子などを)持ち上げて動かす。運ぶ。
- つれ
- 【名】友達。知り合い。
て
- てったう
- 【動】手伝う。
- でーこ
- 【名】大根。
- でぬけとる
- 【動】外出している。留守にしている。
と
- ど…
- 【副】すごく、超…。(例)どむかつく(すごいむかつく)
- とうまめ、とまめ
- 【名】ソラマメ。唐(から来た)豆の意。岐阜市周辺では「とうまめ」、西濃では「とまめ」と言う[66]。
- どえらい
- 【副】すごく、超〜。[58]「どっと(て)れー」「どんのすげー」との言い方もある。若者は「でーれー」とも言う。
- どかみ
- 【形動】蒸し暑いこと。(例)「どかどかで、よう寝れんわ」(蒸し暑くてよく寝られない)
- どこぞかんぞに
- 【副】どこかに。
- ときんときん
- 【形動】尖っている様。アクセントは平板。(例)「この鉛筆ときんときんにして」(鉛筆を(削って)尖らせて)
- とっつく
- 【動】届く。日本書紀の「とづく」が由来。
- とらまえる
- 【動】つかまえる。
- とろくさい
- 【形】ばからしい。あほらしい。
- とれぇ
- 【形】どんくさい。
- どんどこどん
- 【形】めちゃくちゃ暑い。
- どんびき
- 【名】カエル。
な行
な
- ながたん
- 【名】包丁。
- なぶる
- 【動】いじる。さわる。手を加える[58]
- なまかわ
- 【形動】なまけること。(例)「あいつは、なまかわや」(あいつは怠惰だ)
- なも
- 【助動】~ね。~な。和紙で有名な美濃市において、江戸時代に尾張藩が利益独占のため直轄地になったことから、多くの名古屋弁が流入し馴染んだとされる[67]。
- なんにもしらすと
- 何も知らずに。
ね
の
- のうならかす
- 【動】なくす。紛失する。
- のうなる
- 【動】亡くなる。
は行
は
- ばーっかな
- 【連】ご丁寧に
- ばか
- 【助】だいたい~くらい。(例)「林さんバイパスで渋滞はまっとるで、一時間ばか待っとったらんとかん(林さんがバイパスで渋滞に巻き込まれたから、一時間ほど待ってあげないとだめだ)。」
- はざこ
- 【名】オオサンショウウオ。
- はじかい
- 【形】痛痒い。
- はす
- 【名】斜め。
- はすかい
- 【名】斜め向かい。
- はた
- 【名】畑。
- バナ
- 【名】バナナ。
- ばばい
- 【形】汚い。
- ばりかく
- 【動】引っ掻く。
- ばんげ
- 【名】夜。
ひ
- びい
- 【名】女の子、娘、嫁。複数形は「びんた」。
- びーし(B紙)
- 【名】模造紙。B1サイズに近いことから。
- ひきずり
- 【名】すき焼き。
- ひず
- 【形】元気。(例)「ひずがねぇぁ(元気がない)」
- ひとつぼ
- 【助数】一粒。
- ひなた
- あなた
- ひね
- 【形】古い。(例)「ひね漬け」(古い漬物)
- ひやかす
- 【動】水に浸す。「冷やす」とは限らない。[58]
- ひまざえ
- 【尊】御足労
- ひんなか
- 【名】日中(にっちゅう)。
ふ
- ふっつり
- 【副】きっぱり。
- ふけらかす
- 【動】自慢する。
- ぶんだこ
- 【名】草餅、ヨモギ餅。
へ
- へーつくばる
- 【動】這いつくばる。
- へーともない
- 【連】とんでもない。
- べた
- 【終助】あっちべた・こっちべた・そっちべた…あちら・こちら・そちら
- へっあ
- 【連】こんにちは。郡上市で使用。店や家を跨ぐ時に使う。「へっあ、まめなかな(こんにちは、ごめん下さい。)」[68]
- へっつく
- 【動】くっつく。
- べんこう
- 【名】生意気。弁口と書く。「べんこうな」「べんこらしい」と使われる。
- ぼう
- 【名】男の子、息子、坊主。複数形は「ぼんた」。(例)くそぼんた(糞坊主ども) うちのぼんた(うちの息子たち)
ほ
ま行
ま
- …まう
- 【動】…(して)しまう。(異なるアクセントで)…(して)もらう。 過去形は「…まった」。(例)食べてまう(食べてしまう) やってまえよ(やってしまえよ) 飲んでまった(飲んでしまった)
- まあ
- 【副】もう。[58](例)まあ帰らなあかんに。(もう帰らないと駄目だよ。)
- まーおけ
- もうやめておけ。
- まーはい
- 【副】もう。「まーへー」とも言う。
- まっかすけ
- 【形】真っ赤っか。まっかしけ、まっかちかとも言う。
- まっと
- 【副】もっと。[58]
- まめ
- 【名】元気。達者。[58]まめにしとったか?(元気にしてたか?)
- …まるけ
- 【形動】…だらけ。…まみれ。(例)砂まるけ(砂まみれ)
- まわし
- 【名サ動】準備、支度。[58](例)はよーまわししやぁ(早く準備しなさい)
み
- みえる
- 【動】いらっしゃる、(…して)いらっしゃる。[58]「ござる」よりも新しい表現。(例)待ってみえる(待っていらっしゃる)
む
- むしやしない(虫養い)
- 【名】腹の虫を満足させること。軽い間食。
め
- めっそ
- 【副】だいたい、およそ、大雑把に。「どめっそ」さらにアバウトに。
も
- もーはい
- 【副】もうすぐ。「もーへー」とも言う。
- もうやいする
- 【動】一つのものを共有する、分け合う(半分に分ける・分割する意味ではない)。舟を繋ぎ止める「舫綱(もやいづな)」が由来。
- ももた
- 【名】太もも。
- もんで
- 【接続】…から。…ので。「…で」と比べると言い訳など理由に重点をおきたいときに用いられやすい。「仕事しとったもんで行けなんだ」(仕事していたから行けなかった)
や行
や
- やーこい
- 【形】柔らかい。ふにゃふにゃ。
- やえる
- 【動】重複する。
- やけずり
- 【名】やけど。「焼けて攣(つ)る」から由来。
- やぐい
- 【形】壊れやすい。
- やっとかめ(八十日目)
- 【形】久しぶり。[58](例)「やっとかめやなも」(久しぶりだねえ)奥美濃では「やっとめ」、加茂郡七宗町では「やっとこめ」、山県市高富町では「しばらくぶり」とも言う[68]。
- …やの
- 【接尾】なの。「どういうことやの?」(どういうことなの?)
- やめる(病める)
- 【動】身体に痛みなどの不調がある。[58](例)きんのうから足がやめでゃあてかなん(昨日から足が痛くてたまらない)
- ややこやしい
- 【形】ややこしい。
- やらしい
- 【形】恥ずかしい。「あらやだわ」のようなニュアンスであり、卑猥な意味では無い。「どやらしい」になると罵倒となり意味合いが変わる[69]。
- やん
- 【接尾】…じゃないか。…じゃん。「柿食べたいって言っとったやん」(柿が食べたいって言ってたじゃないか)
よ
- ようけ
- 【形】たくさん。[58]「柿がようけなっとる」(柿がたくさんなっている)
- ようさ(り)
- 【名】 夜中。 [58]「ゆうさ」とも言う。「ようさようさ出ていくな」(夜中に出歩くな)
- よど
- 【名】よだれ。
- よばる
- 【動】呼ぶ。
- ~よる
- 【動】~している。「居(お)る」から。(例)「よー雨降りよるわ。」西濃では悪態をつくことに使われる。(例)「あいつ、なかなかやりよるわ」
- よろしかったですか
- 【文】よろしいですか。岐阜弁では誤用ではない。
ら行
ら
- らっしもない
- 【形】だらしない。
わ行
- わっち
- 【代名】俺、僕、わし、あたし。男女を問わず用いる。[58]
- …んた(あ)
- 【接尾】…たち、…ら。(例)「俺んたあ」(俺たち) (cf.「あんたんた」「うちんた」「びんた」「ぼんた」)
注釈
- ^ (一例)「ガメ(カメムシ)」「ガエル(カエル)」「ガニ(カニ)」「ガンオケ(棺桶)」
出典
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