油絵具 絵具の選択

油絵具

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/24 03:46 UTC 版)

絵具の選択

絵具を選択する上で重要な指標になるのは、それぞれの絵具に使用されている顔料であり、専門家用の製品であればそれぞれの製品やパンフレットに使用顔料が明記されている。特に実用的な判別方法としてカラーインデックスに従った名称、特にColour Index Generic Nameが記載されている。ただし、松田油絵具株式会社のようにColour Index Generic Nameを使用して来なかったメーカーもある。だが、松田油絵具株式会社は2011年頃から対応を変更し、パンフレット等にColour Index Generic Nameの記載をするように変わった。

Colour Index Generic Nameが同一の絵具であっても、同一の顔料が採用されているとは限らないが、総じて物性的には同様であると言える。また、特定の絵具メーカーが、特定のColour Index Generic Nameを有する顔料を数多く製品化することはほとんどない。複数の顔料の併用によって成立している製品を使用している場合に、使用している顔料を個別に製品化した物を見つけ出し、より広範囲の色調を効率的に表すことが可能になる場合もある。ただし、全てのメーカーが複数の顔料の併用によって成立している製品に使用されている顔料が全て単一顔料として絵具に使用されている訳ではない。

近年では、メーカーが製品に使用されている顔料のColour Index Generic Nameを公開されるようになってきたものの、特に日本のメーカーの場合は依然として複数の顔料を使用した製品が多く、基本的な知識の無い消費者が効率的に効果的な絵具を選択出来る状況に無い。


注釈

  1. ^ 植物や動物を加工して製造する顔料もある。
  2. ^ American Society for Testing and Materialsの略。美術・工芸材料における慢性的な健康への害に関するラベル表示。
  3. ^ ほとんど全てが、スタンドリンシードオイルであるが、ホルベイン工業株式会社の製品には、スタンドポピーオイルを含むものがある。
  4. ^ 普通、ウォルナットオイル(胡桃油)を加工した物である。
  5. ^ フランキンセンス(乳香)とは異なる。
  6. ^ 美術予備校の売店等で販売されている「ミネラルスピリット」冠名の商品がある。ただし、不快臭のあるものは絵画用途には適さない。具体的には、粗悪な溶剤の使用によって、絵画に亀裂を生じた例が知られている。

出典

  1. ^ 例えば、[1]
  2. ^ 例えば、広田勝也・信岡聰一郎「油彩画におけるホワイト絵具の劣化に関ずる研究」『色材協会誌』55巻9号 [2]
  3. ^ 『機能性顔料とナノテクノロジー』 伊藤 征司郎 シーエムシー出版 2006.11. ISBN 488231598X ISBN 978-4882315988
  4. ^ 【廃番案内】顔料「アイボリブラック」出荷停止について(2013/8/19)
  5. ^ 例えば、[3][4]
  6. ^ a b "例えば、「LCDに使われているナノ材料 H22年度 大阪大学大学院 博士課程 ナノ高度学際教育訓練プログラム ナノキャリアアップ特論」BASF ジャパン株式会社 尼崎研究開発センター 大和 真樹
  7. ^ 『画材の博物誌』 森田 恒之 中央公論美術出版社 1994.5(新装普及版) ISBN 4805502851 ISBN 978-4805502853
  8. ^ 『絵画技術体系』 マックス・デルナー 著 ハンス・ゲルト・ミュラー 著(改訂) 佐藤一郎 訳 美術出版社 1980/10 ASIN: B000J840KE
  9. ^ 『広辞苑』「発癌物質」
  10. ^ 『絵画術の書』岩波書店 2004.10 チェンニーノ チェンニーニ 著、辻 茂 編訳、石原 靖夫 訳、望月 一史 訳 ISBN 4000003372 ISBN 978-4000003377


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