毎月分配型投資信託
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/31 08:20 UTC 版)
デメリット
分配金は相場急落で引き下げられるが、相場上昇で引き上げられない
相場急落により基準価額が下がると、分配金を引き下げられる。また、相場急騰により投資先の商品(リートなら不動産)の調達コストの上昇などで引き下げられることもある。したがって、誤って利子として分配金を考える高齢者に配慮して、証券会社では近年、分配利回りという表現を自粛している。日本株式や米国株式といった各資産を代表する株価指数ベースでみてもほとんどの商品が良くて年率10%前後である[8]。
- 上昇相場での複利効果がきわめて低い
毎月分配型投資信託は、文字通り毎月決算日があり、基本的に運用損益を原資に分配金を出す。投資元本に対して利益が出ている場合の分配金に対しては20.315%の所得税・住民税・復興特別税が課せられる。上昇相場において分配金再投資を行った場合には、払い出された分配金に対して税金がひかれることによって、再投資金額は払い出された分配金の8割程度となる。そのため、運用成績が同じ1年決算の投資信託よりも複利効果が得にくい。
※例えば下表の条件で投資を行った場合、12か月経過時点でこの投資信託を換金すると、毎月分配型では分配時に既に課税されているため10477円がそのまま受け取れる。無分配型では売却益600円の20%である120円が税として差し引かれ、10480円が受け取れる。
同じ年利6%(1か月複利)の運用を行う商品に10000円を投資した場合における、毎月分配型(再投資した場合)と無分配型での資産の推移(税率20%として計算し、1円未満端数切捨て)
経過時間 | 毎月分配型 | 無分配型 |
---|---|---|
1か月後 | 10039 | 10049 |
2か月後 | 10078 | 10098 |
3か月後 | 10117 | 10147 |
4か月後 | 10157 | 10196 |
5か月後 | 10196 | 10246 |
6か月後 | 10236 | 10296 |
7か月後 | 10276 | 10346 |
8か月後 | 10316 | 10396 |
9か月後 | 10356 | 10447 |
10か月後 | 10396 | 10498 |
11か月後 | 10437 | 10549 |
12か月後 | 10477 | 10600 |
- ^ セゾン投信 アライアンス・バーンスタイン特集
- ^ グローバル・ソブリン・オープン(毎月分配型)
- ^ ニュースポストセブン お化け投信「グロソブ」 5兆7000億円から2兆2000億円消滅
- ^ ダイヤモンドオンライングロソブが12年ぶりに首位から陥落!いま、投資家に一番人気はあのファンド!
- ^ 毎日新聞2017年1月18日 毎月分配型投信元本取り崩し相次ぐ
- ^ フィデリティ・USリート・ファンド B(為替ヘッジなし) /フィデリティ投信株式会社
- ^ "投信分配金引き下げ 運用難、「毎月型」見直し相次ぐ". 日本経済新聞 2016年7月4日公開
- ^ マイインデックス リスクvsリターン表 過去20年の実績
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