書留郵便 国際郵便の書留類

書留郵便

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/07 05:57 UTC 版)

国際郵便の書留類

国際書留

基本的な特徴は、内国郵便の書留と似ている。郵便物の引受および配達を書面および端末データで記録する。配達時に印鑑、または、サインが必要。追跡番号があるのでインターネットで追跡できる(郵便物が海外にある間は、海外の郵便事業体のサイトで追跡するほうが詳しく分かる)。

特殊取扱料金は460円。

世界の多くの国に、(受取人が留守でなければ)約2週間で送ることができる。EMSと比較すると、安いが遅いサービスである。

大事な書類や小物商品を海外に送るのに利用されている(国際通販事業者向けに、「国際eパケット」という国際書留利用の割安なサービスもある)。

差出方法は、国際普通郵便を送るのと同様に宛名書きして、郵便局で「国際書留でお願いします」と言って差し出せばよい。国際書留専用ラベルもあるが、利用は必須ではない。

国際書留にできる輸送便は、航空便SAL便だけである。船便書留は万国郵便条約で廃止になった。

国際書留にできる種類は、通常郵便物(書状、小形包装物など全種類)だけであり、国際小包は国際書留にできない。

万一の紛失や破損の場合は、差出人に対して6000円までの実損額が賠償される。6000円よりも高額な賠償を必要とする場合にはEMSまたは保険付を利用する。

航空書留は殆どの国宛てに利用できるが、SAL書留は取り扱っていない宛先国が多い。例えば韓国台湾オーストラリアドイツなどはSAL書留を取り扱っていない。

差出国で付与される追跡番号の頭文字は「R」(Registeredの略)。後述の保険付通常の場合もRから始まる番号の場合が多いので注意が必要。

保険付

保険付は、国際書留とは異なり、6000円を超える損害要償額を設定できる。損害要償額の最低額は2万円で、追加料金を払えば、最高額は(宛先国にもよるが)200万円まで設定できる。

国際郵便で貴重品(国内外の貨幣、有価証券、貴金属)を送る場合は、必ず国際書留または保険付としなければならない(EMSでは送ることはできない。また、貴重品は国際書留ではなく保険付に限る宛先国がある)。

保険付にすることができる種類は、「通常郵便物(ただし航空書状に限る)」と「国際小包」だけである。

保険付を取り扱っていない宛先国は多い。例えば、カナダイギリス、ドイツなどは保険付を取り扱っていない。アメリカも保険付通常は取り扱っていない。

保険付通常は、引き受けた後は、国際書留とほぼ同じように輸送・配達している(外国来の保険付通常も日本では国際書留と全く区別せず配達している)。特殊取扱料金は最低460円(損害要償額2万円)。差出国で付与される追跡番号の頭文字は国際書留と同様に「R」のことが多い。

保険付小包は、引き受けた後は、普通小包とほぼ同じように輸送・配達している。特殊取扱料金は最低400円(損害要償額2万円)。差出国で付与される追跡番号の頭文字は普通小包と同様に「C」のことが多い。

国際書留・保険付に付加できる特殊取扱

受取通知

宛先に配達したことを差出人に書面で報告するサービス(内国郵便の配達証明のようなもの)。「A.R.」ともいう。

引受局は、引き受けた郵便物に専用の「A.R.葉書」を貼り付ける。宛先国で配達の際に配達員がA.R.葉書を郵便物から剥がしてそれに受取人から受領印、または、受領サインをもらい、配達員は受領印、受領サインの脇に配達日を記入する。この葉書を配達郵便局が差出人に返送することで、正当に配達したことを受領印、または、受領サイン付きで報告する。

受取通知を付けるには、国際書留または保険付としなければならない。

「A.R.」はフランス語で「Avis de Réception(アヴィ・ドゥ・レセプシォン)」の略。


  1. ^ a b c d e f g 総務省. “諸外国の郵便制度について”. 2019年1月27日閲覧。
  2. ^ 日本郵便. “配達証明”. 2019年1月27日閲覧。
  3. ^ 戸建住宅に設置した宅配ボックスへの書留郵便物等の配達 - 日本郵便
  4. ^ 2018-01-262020-10-15 (2018年1月26日). “「知らない」では済まされない!普通郵便でやってはいけない行為”. ハガキのウラの郵便情報. 2020年12月6日閲覧。
  5. ^ 井手秀樹『日本郵政 JAPAN POST』東洋経済新報社、2015年


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