単純リー群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/04 08:30 UTC 版)
分類の手法
そのような群は複素単純リー環の先の分類を用いて分類される。ルート系の記事を参照。単純リー群は一度複素化されれば(つまり実ベクトル空間から複素ベクトル空間にされれば)そこのリストに現れる単純リー環を持つことが示される。これは分類を2つのさらなることに還元する。
実形
例えば、群 SO(p,q,R) および SO(p+q,R) は、異なる実リー環を生じるが、同じディンキン図形を持つ。一般に同じ複素リー環の異なる実形が存在するかもしれない。
単純リー環の群との関係
第二に、リー環はリー群 G の単位元を含む成分の単連結(普遍)被覆 G* を一意的に決定するだけである。G*が実際は単純群でない、例えば非自明な中心を持つことは、ある。したがって G の基本群(可換群:リー群はH空間である)を計算することによって大域的なトポロジーについて心配しなくてはならない。これはエリ・カルタンによってなされた。
例として、偶数次元の特殊直交群を考えよう。中心に単位行列でない −I があり、それらは実際は単純群ではない。そして二重スピン被覆を持ち、単連結でもない。上の記法で G* と G の「間」にある。
ディンキン図形による分類
ディンキンの分類により、可能性はこれらしかない。ここで n はノードの個数である。
無限系列
A 系列
A1, A2, ...
Ar は特殊ユニタリ群 SU(r + 1) と対応する。
B 系列
B2, B3, ...
Br は特殊直交群 SO(2r + 1) と対応する。
C 系列
C3, C4, ...
Cr はシンプレクティック群 Sp(2r) と対応する。
D 系列
D4, D5, ...
Dr は特殊直交群 SO(2r) と対応する。しかし SO(4) は単純群でないことに注意。ディンキン図形は連結でない 2 つのノードを持つ。四元数の乗法によって与えられる SO(3)* × SO(3)* から SO(4) への全射準同型が存在する。四元数と空間の回転を参照。したがってここで単純群は D3 で始まる。これは図形としてまっすぐ A3 になる。D4 にはいわゆる triality と対応している図形の 'exotic' な対称性がある。
例外的な場合
いわゆる例外群はG2, F4, E6, E7, E8 を参照。これらは次元の増加する群の無限系列に落とし込むことができないので「例外的」と見なされている。各群を別々に考えると、それほど異常なことは何もない。これらの例外群は複素数上の単純リー環の分類において1890年頃発見された(ヴィルヘルム・キリングによってされ、そしてエリ・カルタンによって再びなされた)。しばらくの間それらが具体的にどのように現れるか、例えば微分系の対称群として、を見つけることが研究課題だった。
E7½も参照。
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