兵隊元帥欧州戦記 兵隊元帥欧州戦記の概要

兵隊元帥欧州戦記

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/27 14:50 UTC 版)

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各巻題名

  • 歴史群像新書(学習研究社発行)
    • 兵隊元帥欧州戦記〈1〉独立戦車隊、北アフリカ殴り込み!(ISBN 405400833X
    • 兵隊元帥欧州戦記〈2〉仮装航巡東洋丸、北太平洋疾風怒濤!(ISBN 4054008631
    • 兵隊元帥欧州戦記〈3〉出撃!伊号第三〇潜、マルタ島陸海攻略作戦!!(ISBN 405400864X
    • 兵隊元帥欧州戦記〈4〉綾波隊、インド洋作戦!!(ISBN 405400914X
    • 兵隊元帥欧州戦記〈5〉中東打通作戦!(ISBN 405400959X

あらすじ

旧日本陸海軍では一兵卒から将校まで累進したいわゆる「たたき上げ」の進級の限界は、年齢やポストから普通は大尉であり、佐官にまで昇進した兵出身将校は俗に「兵隊元帥」と呼ばれていた。欧州戦線に派遣された兵隊元帥、影山秀夫少佐が率いる戦車部隊を中心に、その周りで起きるもうひとつの第二次世界大戦を下士官から見た物語。

  1. 独立戦車隊、北アフリカ殴り込み!
    昭和17年9月。影山靖子が町内会の主催した映画会で上映されたニュースを見て驚いた。そこに映し出されていたのは、ロンメル元帥から十字勲章を受け取る一人の帝国陸軍士官。それは行方不明であった夫、影山少佐であった。どうして、帝国陸軍の士官が十字勲章を受け取ることになったのか?どうして、北アフリカに帝国陸軍の戦車部隊がいるのか?
    それは昭和16年11月までさかのぼる。帝国陸軍は三国同盟の一環として、太平洋戦争勃発寸前に、独立戦車隊とよばれる特別編成部隊を、改良型の九七式戦車を引き下げて、北アフリカ戦線に送り込むことにしたのだ。膠着状態の北アフリカ戦線。独立戦車隊は果たして、この戦いに勝つことができるのだろうか。
  2. 仮装航巡東洋丸、北太平洋疾風怒濤!
    北大西洋を航行中のイギリス向けの輸送船団。イギリスの唯一の生命線であるこの部隊が、突如現れた航空機部隊によって壊滅。それは、欧州の枢軸国が空母を持った瞬間であった。
    欧州で枢軸国が唯一持つ空母、その名は仮装航空巡洋艦『シャルンホルスト』。その正体は、独立戦車隊をヨーロッパへ送り届けた貨物船『東洋丸』であった。
    空母を通商破壊の道具として、戦力化したドイツ海軍。しかし、内訳はドイツは艦を日本は空母の運営技術を、イタリアは航空機を、と独日伊の兵士たちが入り乱れた状態。だが、その攻撃力は計り知れないものであった。連合国側も黙って見過ごすわけには行かない。空母『シャルンホルスト』を撃沈すべく、北大西洋/北海に大規模な作戦が展開された。
    時間軸上は3巻・4巻より後の物語である。
  3. 出撃!伊号第三〇潜、マルタ島陸海攻略作戦!!
    ついに、地中海の要イギリス領マルタ島の攻略が開始される。主力戦力はドイツ・イタリアの連合航空部隊。独立戦隊の一部は降下兵として参加することになった。三国同盟に協力していない、と批判されることを恐れた日本海軍も宣伝目的で参加することに……。選ばれたのは、『飛龍』の生き残りをドイツまで送り届け、唯一のヨーロッパにいた伊号第三〇潜であった。
    おりしも、イギリスはマルタ島防衛のための艦隊がジブラルタルより出撃。地中海において、再びイギリス海軍と日本海軍が衝突することになった。
  4. 綾波隊、インド洋作戦!!
    独立戦車隊/仮装航空巡洋艦『シャルンホルスト』の活躍で、ようやく「何をすべきか」をわかった日本軍は『綾波隊』とよばれる初の通商破壊専門部隊を誕生させた。目的は、インドやオーストラリアなどからイギリス向けの輸送船団を撃破すること。
    マルタ島が陥落した今、インド洋から喜望峰を回ってくる輸送船団はイギリスにとって、何としても守らなければならない重要な生命線だった。綾波隊の戦力を過剰に見たイギリス海軍は、戦艦を主力として綾波隊の撃破を試みるが……
  5. 中東打通作戦!
    マルタ島陥落による地中海の枢軸化、インド洋での綾波隊の活躍により、ますます危うくなってきたイギリス。膠着状態であった北アフリカ戦線もようやく動き出した。地中海を渡ってくる豊富な物資により、ロンメルは戦闘を開始。逆に満足な補給を受けられないイギリス軍は後退を余儀なくされる。そして、ついにエジプトは陥落し、併せてスエズ運河が枢軸国側のモノとなった。
    日本はヨーロッパに向け、捕獲艦を中心とした輸送艦隊を派遣する。東南アジアで獲得した資源をヨーロッパの優れた工業品と交換するのが目的であった。一方アメリカ海軍は、これを阻止するために最新鋭の空母『エセックス』をインド洋に出撃させるが……。

登場人物

影山秀夫
陸軍少佐。いわゆる兵隊元帥。北アフリカで独立歩兵第一大隊(実質的には戦車隊)、通称影山隊を率いて活躍する。
欧州戦線では膠着状態であった北アフリカ戦線の突破口を開いたり、日本初の空中降下作戦の実戦経験を積んだりと活躍。そのため、日本で初めてロンメル元帥から十字勲章を受け取ることとなった。しかし、実際は北アフリカに飛ばされたと感じており、見知らぬ地で命を落としていく部下に同情を隠さない。いつか責任者に文句を言うつもりだが、欧州で活躍すればするほど日本に戻れなくなってきていることに気がつく。
なお、帝国歯車という中堅機械メーカーの御曹司であったが、士官学校に行かず、一兵卒として陸軍に入隊。そのことが士官学校に入ったモノと思っていた父親に発覚。軍へのコネを作ることを狙っていたために、激怒して勘当された。しかし、今回欧州へ渡るために、一時的に勘当は解かれ帝国歯車の「二代目」という身分を名乗った。
名前の由来は『超電子バイオマン』のドクターマンの本名から。
郷真一郎
影山部隊の士官、大尉。士官学校卒業のため、生真面目でカチコチの軍人。マルタ島攻略作戦において、影山少佐と共に降下猟兵となったが、高所恐怖症であったことが発覚する。
名前の由来は『バイオマン』のレッドワンの父親から。
高杉大尉
影山部隊の士官、大尉。郷大尉と同じ士官学校の卒業だが、彼とは対照的に機転が利き、軍人らしからぬ行動をすることも。
名前の由来は『バイオマン』のグリーンツーから。
柴田中佐
通称、親父。影山少佐の部隊を欧州に送った張本人。
小山内孝
海軍少佐。兵隊元帥。『シャルンホルスト』の掌整備長。
右近少佐
兵隊元帥。『シャルンホルスト』の飛行隊長。松山出身で秋山真之の後輩。多国語が話せるため、シャルンホルストのイタリア人パイロット達とのパイプ役になっている。イタリア語を喋る時はなぜか語尾に「ざんす」を付ける。また、ドイツ語はオカマ言葉。興奮すると、言語がゴチャゴチャに入り交じり、周りの人間は何を言っているのか解らなくなる。「ドイツの科学力は日本一」という迷言を残す。



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