ラリー 概要

ラリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/03 20:22 UTC 版)

概要

ジャンプするラリーカー
リエゾンでは一般車両に混じって法規に従って走行する必要がある

ラリー(rally)という言葉の由来は古フランス語の「ralier(re:再び+alier:参加する)[1]」であり、各地を出発してから一箇所に集うのがイベントの原型である[2]。その起源は、中世の騎士が各地から戦争を始める城へ集結した行動とされる[3]。平時においても訓練を兼ね、馬に騎乗して領主の元へ誰が一番早く到着できるか競い合う競技があり、その言葉が20世紀の自動車競技に継承された[4]

19世紀末に始まった自動車競技は都市間の公道を走行していたが、安全面などの理由から閉鎖周回路(サーキット)で行なうレースと、公道で行なうラリーに分化していった。自動車競技としてのラリーは、1911年に始まったラリー・モンテカルロが起源とされる[2]。当時は参加者がヨーロッパの各都市を出発し、指定地点を通過しながら、険しい峰々を越えて地中海岸のリゾート地モナコへ集合するというイベントだった[注 1]。ラリー界ではラリー・モンテカルロと1932年創設のRACラリー(現ウェールズ・ラリーGB)、1953年創設のサファリラリーのことを「三大ラリー」と呼ぶ[5]。かつては長距離・長時間走行の耐久性を競う傾向が強かったが、現代ではコースや日程をコンパクトにまとめ、短距離のタイムアタックを繰り返すスプリント形式が主流となっている。

ラリーの最高峰は1973年に創設された世界ラリー選手権 (World Rally Championship, WRC) 。その下にFIA認可の各地域の選手権、そして各国のASN(日本でいうJAF)やメーカー・ディーラーなどが開催しているシリーズがある。サーキットレースに比べると、比較的手の届きやすい価格帯の市販車がベースに用いられやすいラリーは、市販車の販売促進効果があるとされるため、上位シリーズや伝統イベントでは自動車メーカーが一流プロ選手と契約し、ワークス・チームを編成して参戦する。


注釈

  1. ^ のちにアルプス山岳部でのタイムアタック形式(SSラリー)に変容するが、往時のスタイルは「ラリー・モンテカルロ・ヒストリック」として現在も開催されている。
  2. ^ TCエリアにはターゲットタイムの1分前まで進入することができない。
  3. ^ 遅着よりも早着の方がペナルティが重いのは、ロードセクションにおける制限速度オーバーを防ぐという理由がある。
  4. ^ あらかじめCPの位置が分かっていると、CPの手前でオンタイムになるよう車速を調節できるため。

出典

  1. ^ ラリーの意味”. コトバンク プログレッシブ英和中辞典(第4版). 朝日新聞社/VOYAGE GROUP. 2017年3月13日閲覧。
  2. ^ a b "HISTORY". スズキWRCチャレンジ
  3. ^ WRC基礎用語辞典「ラリー」 世界ラリー選手権日本語オフィシャルサイト
  4. ^ 『F1と世界のモータースポーツ』138頁。
  5. ^ "ラリージャパンがやってくる!". ニッポンレンタカー. 2014年2月26日閲覧。
  6. ^ 2013国内競技規則 付則 (PDF, ラリー競技開催規定第2条(280頁))
  7. ^ "スペシャルステージラリーの競技規定について (2) ロードセクション". JRCA. 2014年2月25日閲覧。
  8. ^ 『新・実践ラリー入門』36頁。
  9. ^ a b 『新・実践ラリー入門』37頁。
  10. ^ 5. Rally Terra da Auga 2018
  11. ^ AUTO SPORTS 2012年12月13日 三栄書房刊
  12. ^ "ラリーを始めてみませんか". SSER. 2014年2月25日閲覧。
  13. ^ "【動画】ラリークロスの世界戦昇格が決定!". RALLY PLUS NET.(2010年10月9日)2014年2月25日閲覧。





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