モルタル 外壁材として

モルタル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/06 22:04 UTC 版)

外壁材として

かつては日本住宅の外壁材として広く使用されたが、工程が複雑で、施工日数が20日前後かかり高コストであるのと、施工後に亀裂が入りやすいという欠点がある。そのため、大手ハウスメーカーで標準工法としてモルタル壁を採用するのは極めて少数となっており[注釈 2]、サイディングやガルバリウム、タイルなどを標準工法とするハウスメーカーが大半である。モルタル自体は水を通しにくいが、亀裂の問題があるので、施工後に塗装を実施する。

施工の手順として、構造材の上にラス板を固定し防水シートを張る。その上に金網をタッカーで固定し、そこにモルタルを塗っていく。モルタルは2層塗りが標準工法であり、クラック防止にネットを伏せ込むのが標準的工法である。また角についてもクラック防止に下地を練りこむ。モルタルが完全に乾燥したのちに、漆喰や樹脂などによって塗装を行う。塗装も通常2回以上塗られることが多い。

利点

  • 下地サイディングのように継ぎ目が浮き出ない。このため塗壁の正規の工法として確立している。
  • ガルバリウムのように熱くならない
  • コーキングによるジョイントがない

欠点

  • 材料費や人材費が高い
  • 施工期間が長い
  • 熟練した職人が必要
  • 天候などによる経年劣化に起因するひび割れ(クラック)が生じやすい
  • 重い

日本での歴史

日本でモルタルが盛んに用いられるようになったのは、大正12年(1923年)の関東大震災からである。関東大震災を通じてラスモルタル壁構法が少しずつ普及していき、第二次大戦中には火災を防ぐ目的で、ラスモルタル[注釈 3]による防火改修も行われた。しかし、それもほとんど役に立たず焼け野原になってしまったことで、木造住宅の防火性能の必要が強く認識され、昭和25年の建築基準法では、木造住宅の外壁を大壁としこれにラスモルタルが規定され、この法的規則のもとで全国的普及を見るようになった。

脚注


  1. ^ 粘土を燃やして粉砕することによって粘土から生成される人工のポゾラナ(火山灰の一種)。
  2. ^ 2010年現在、住友林業がモルタル壁を標準工法の1つの選択肢としている。
  3. ^ ラス網(金属製の網)をステープル等で止め、それを下地として上にモルタルを左官コテで塗り付ける施工方法のこと。


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