スケバハゴロモ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/29 01:00 UTC 版)
分類
本種は当初は E. ocellus fascialis とされ、ヒトツメハゴロモ E. ocellus の亜種とされた。この種では翅の斑紋が螺旋状に連続している。この種は石井他編(1950)では台湾、中国、インドに産する[5]とされていたが、後に日本でも奄美大島以南に分布しているのが分かった[6]。
日本では他に類似のものにベッコウハゴロモ Ricanis japonika がある。この種は前翅が褐色で透明な窓は狭い帯状となっている。またアミガサハゴロモ Pochazia fuscata albomaculata は前翅全面が褐色で表面が暗緑色の粉で覆われる。
利害
桑畑の害虫となる。本種はクワによく出現し、幼虫成虫共に新梢から吸汁して加害する。ただしその害は直接的には大きなものではない。しかし成虫が黄きょう病菌 Isaria farinosa に感染して死亡することがよくあり、その死体が感染源となってカイコに黄きょう病が蔓延し、初秋蚕や晩秋蚕に大きな被害を与えることがある。また幼虫や成虫が分泌するロウ物質や脱皮殻などが多く付着した場合、クワの葉がカイコの飼料として使えなくなる場合もある[7]。
参考文献
- 石井悌他編、『日本昆蟲圖鑑』、(1950)、北隆館
- 伊藤修四郎他編著、『全改訂新版 原色日本昆虫図鑑 (下)』、(1977)、保育社
- 梅谷献二、岡田利益承編、『日本農業害虫大事典』、(2003)、全国農村教育協会
- 安松京三他、『原色昆虫大圖鑑 〔第3巻〕』、(1965)、北隆館