ケンタウルス座アルファ星Bb 中心星

ケンタウルス座アルファ星Bb

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/26 01:30 UTC 版)

中心星

ケンタウルス座α星Bbが公転しているケンタウルス座α星Bは、ケンタウルス座α星系で2番目に大きな恒星である。太陽と比較して、質量は0.907倍、直径は0.865倍とやや小ぶりであり、明るさは半分ほどである[4]。スペクトル分類はKIV型である[2]。しかしケンタウルス座α星Bbはケンタウルス座α星Bからかなり近い軌道を公転しているため、先述の通りきわめて高温の惑星となっている。誕生から48億5000万年経っていると思われ、これは太陽系と同じくらい古い[4]

ケンタウルス座α星Bは、地球から見ると1.33等級の星として見えるが、実際にはケンタウルス座α星Aがきわめて近くにあり、視等級も-0.01等級[7]とこちらのほうが明るいため、しばしば-0.1等級の1個の恒星として扱われることもある[8]

ケンタウルス座α星Bbから見た空

ケンタウルス座α星Bbの表面から見た空の想像図

ケンタウルス座α星Bbから見れば、主星であるケンタウルス座α星Bは、地球から見た太陽の22倍大きく、312.5倍も明るい-33.1等級である。Bbはおそらく自転と公転が同期しているため、Bは空の1点に固定されて動かない。

ケンタウルス座α星Bは、ケンタウルス座α星Aとの共通重心の周りを互いに公転しており、ほぼ80年かけて公転している。軌道長半径は26億3000万km (17.57AU) と、太陽系で言えば天王星よりやや近い軌道であるが、離心率が0.5179と極端な楕円軌道であり、最小で12億7000万km (8.47AU) まで接近する[9]。このためBbから見るAは、80年周期で明るさが-22.6等から-20.1等の範囲で変化する。AはBbの空をBと異なり日周運動するため、昼半球の低緯度であれば(必要な緯度はAの位置やBbの自転軸により異なるが、Bbの自転軸が不明なため具体的な数値は不明)、AとBが同時に地平線上に見える時間帯がある。

同じ星系に属するプロキシマ・ケンタウリは、たかだか4.4等級の暗い恒星でしかなく、ケンタウルス座α星Bbから見た太陽の0.4等級よりすら暗い。

その他

もし地球から見て、ケンタウルス座α星Bbが恒星面を通過すれば、直径や大気組成など多くの情報が得られるため、発見チームはハッブル宇宙望遠鏡によって観測を行うことを申請している。しかし、実際にケンタウルス座α星Bbが通過している可能性は10%から30%と考えられている[10]

ケンタウルス座α星Bのハビタブルゾーンは0.5から0.9AUとされており、この範囲内で地球型惑星が存在する可能性がある。この影響はケンタウルス座α星Bbより更に小さい。HARPSが検出できる視線速度の変化の下限値は秒速30cmであるが、例えば地球が太陽に与える視線速度の変化はわずか秒速9cmである。仮にケンタウルス座α星系から太陽を観測したら、地球を見つけることは不可能である。しかし、2017年から開始されるESPRESSOならば観測可能かも知れない[11]。また、連星系は安定しているため、ハビタブルゾーン内の惑星がケンタウルス座α星Aによって軌道が乱される可能性は低い[12]

ケンタウルス座α星Bbの存在を示す証拠は極めて小さな値である。このため、一部の天文学者は惑星の存在にはまだ議論の余地があるとしている。2015年にはケンタウルス座α星Bbの発見の根拠とされたケンタウルス座α星のふらつきを示すデータに疑問を示す研究結果が発表されるなど、存在しない可能性が高くなっている[5]。不完全データが幻の惑星を生み出すという点で、ゴルディロックス惑星グリーゼ581gと議論が似ている[12]







英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ケンタウルス座アルファ星Bb」の関連用語

ケンタウルス座アルファ星Bbのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ケンタウルス座アルファ星Bbのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのケンタウルス座アルファ星Bb (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS