ガロア圏 定義

ガロア圏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/16 15:52 UTC 版)

定義

Cを圏、FCから有限集合の圏(Sets)への共変関手とし、次の公理を満たしているときCガロア圏とよぶ。

  1. Cは終対象を持ち、C内である対象上の2つの対象のファイバー積が存在する。
  2. Cは有限和が存在する。とりわけ始対象を持つ。
  3. 任意の射u:XYs:XZおよびt:ZYと一意に分解でき、sは全射、tは単射とできる。
  4. Fは左完全である。
  5. Fは有限和と可換である。Fは全射を全射に移す。および群による商と可換F(X/G)=F(X)/G
  6. C内の射u:XYに対しF(u)が同型ならばuも同型である。

このときガロア圏の上で有限群の射影極限である位相群πが構成され、圏Cπが連続に作用する有限集合の圏C(π)との同値が証明される。

その他の話題

知られているすべてのガロア理論がガロア圏の言葉で表現できるわけではない。微分体のガロア理論であるピカール・ヴェシオ理論はガロア圏上では展開できない。それらのためにグロタンディークによる淡中圏の理論が構成されている。

参考文献

  • Grothendieck, A.; et al. (1971). SGA1 Revêtements étales et groupe fondamental, 1960–1961'. Lecture Notes in Mathematics 224. Springer Verlag 
  • Joyal, André; Tierney, Myles (1984). An Extension of the Galois Theory of Grothendieck. Memoirs of the American Mathematical Society. Proquest Info & Learning. ISBN 0-8218-2312-4 
  • Borceux, F. and Janelidze, G., Cambridge University Press (2001). Galois theories, ISBN 0-521-80309-8 (This book introduces the reader to the Galois theory of Grothendieck, and some generalisations, leading to Galois groupoids.)
  • Szamuely, T., Galois Groups and Fundamental Groups, Cambridge University Press, 2009.

関連項目


  1. ^ *Grothendieck, Alexander; Raynaud, Michèle (2003) [1971], Revêtements étales et groupe fondamental (SGA 1), Documents Mathématiques (Paris) [Mathematical Documents (Paris)], 3, Paris: Société Mathématique de France, arXiv:math/0206203, ISBN 978-2-85629-141-2, MR2017446 


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