れいんぼうべる
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/18 09:49 UTC 版)
概要
れいんぼうべる型の1番船として、1996年三菱重工業下関造船所で竣工。船名は博多と直江津を日本海側で結んだ航跡を虹になぞらえた「レインボー」と希望へのスタートをイメージする鐘を表す「ベル」を合わせ希望への架け橋となることを意味した。
1996年に直江津 - 博多に就航。続いて就航した2番船のれいんぼうらぶとともに直江津 - 博多航路に毎日運航で就航していたが、1998年9月1日から室蘭 - 直江津 - 博多航路での運航となり、隔日運航となった[9]。
2001年には低金利で安価な費用で建造された新造船「ニューれいんぼうらぶ」型を就航させ、船価の高騰した時期に建造され過剰な設備が問題となっていた本船型の売却益で経営改善を図る方針となり引退[10][11]、その後室蘭港等に停泊されたものの売却が早期に成立せず東日本フェリー倒産の一因となった[12][2]。
2004年3月にマリンエキスプレスに売却され、「フェリーひむか」と改名し同年10月には宮崎カーフェリーに移籍したが、2006年4月に航路廃止となり引退。同年11月にギリシャのヘレニック・シーウェイズに売却され「アリアドネ (Ariadne)」に改名[13]。煙突後方への客室ハウス増設やライフボート増載など大幅な改造を受け[7]、ピレウス-ヒオス島-ミティリーニ航路等に就航し、ANEK LINEやAlgérie Ferriesへの傭船も行われた。
2018年時点では、イタリアのティレニア・ラインに用船されナポリ - カリアリ(サルデーニャ島)航路に就航している[7]。
「フェリーひむか」時代には、映画『LIMIT OF LOVE 海猿』の撮影に使用されている[13]。 詳細は海猿#映画2作目を参照。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 船舶整備公団・九越フェリー「船のみどころみせどころ 日本海にヨーロピアンスタイルのフェリーが登場 "れいんぼうべる"」『海事総合誌 COMPASS』、海事プレス社、1996年5月号、90-97頁。
- ^ a b 東日本フェリー倒産の真相と背景 - 内航近海海運2003年8月号(内航ジャーナル)
- ^ a b c d e f g h i j k l 三菱重工業株式会社下関造船所船舶・海洋部「大型カーフェリー"れいんぼう べる"の概要」 - 船の科学1996年7月号
- ^ a b 世界の艦船(1995年11月号,p168)
- ^ a b c d e 世界の艦船(1996年7月号,p66-68)
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 日本船舶輸出組合 国際海事展への参加 平成9年度事業報告書 Ferries Passenger and Vehicles Ferry RAINBOW BELL - 日本財団図書館
- ^ a b c d e 地中海の元日本長距離フェリー最近影 - 世界の艦船2019年1月号
- ^ 新造船写真集No.573「カーフェリー れいんぼう べる RAINBOW BELL 船舶整備公団・九越フェリー株式会社」 - 船の科学1996年7月号
- ^ 世界の艦船(1998年10月号,p168)
- ^ 夏、紺碧の海に船出 新造船・ニューれいんぼうらぶ - ラメール2001年9・10月号(日本海事広報協会)
- ^ 九越フェリー/新造船投入で経営改善 - 日本海事新聞2000年8月31日
- ^ 東日本フェリー大型船*室蘭港で係留1年*見込み違い経営象徴 - フォト北海道(北海道新聞2003年7月2日)
- ^ a b さんふらわあコラムVol.13 虹からひまわりへ#4 海外へ雄飛した白い船たち - カジュアルクルーズさんふらわあ(商船三井)
- ^ SDI - Passenger Ship - STIRLING DESIGN INTERNATIONAL(Internet Archive)
- ^ 海難審判庁裁決録(平成13年度)平成11年広審第72号 旅客船れいんぼう べる岸壁衝突事件 - 日本財団図書館(電子図書館)
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