ひとひら
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/27 09:50 UTC 版)
登場人物
- 各人物の声はアニメ版の声優。
- 解説文中の学年および所属は初期のもの。第19幕で演劇研究会は解散、第25幕より学年が1年上がり、麦は玉城春子率いる演劇部の部員となっている。
演劇研究会
- 麻井 麦(あさい むぎ)
- 声 - 樹元オリエ
- 本作の主人公。熊鷹芸術学院の1年生(序幕では水橋中学3年)。極度のあがり症で緊張すると声が出なくなるが、たまたま発した大きな声を聴いた野乃らに勧誘され、半ば強引に演劇研究会に入部させられてしまった。少々ネガティブだが、演劇を通じて徐々に変化を見せる。文化祭の出し物「ひとひら」では主役を演じるまで成長した。ちとせ・演劇部の先輩(2年生編)からは「麦チョコ」と呼ばれている。
- 2年生になって、苦悩した末に裏方希望で演劇部に入部する。しかし、ちとせや周りの説得により、再び役者として舞台に立つことになる。一時期ちとせとの仲がギクシャクしてしまったが、最終的には仲直りした。3年生に進級してからも演劇を続けており、「演劇をやってて良かった」と思えるようになった。また、第49幕で甲斐に告白され、恋人同士となった。
- 一ノ瀬 野乃(いちのせ のの)
- 声 - 川澄綾子
- 演劇研究会代表。熊鷹芸術学院3年生。元々演劇部に所属していたが、声帯麻痺である事を美麗に告げた際、彼女から演劇を辞めるように説得された。結局演劇部は辞めてしまったが、演劇を続けるために演劇研究会を作った。以来美麗とは犬猿の仲となってしまったが、演劇で希望を与えてくれた美麗には感謝している。アニメでは演劇部主催の合格祝賀会で演劇部が2つになってしまったことを演劇研究会及び演劇部の両部員に謝罪した。卒業後もたまに、麦や甲斐の様子を見に来ている。性格は一見クールだが、負けず嫌いな上に強引かつ自信家[注 1]で、状況を逆手に取る巧妙さを持つ。麦曰く、「野乃先輩の(発言や行動の)裏の真意が怖い」。演劇のためなら宿題3人分も平気でこなしていた。
- 桂木 たかし(かつらぎ たかし)
- 声 - 成田剣
- 演劇研究会メンバー。3年生。元演劇部員だったが、野乃に誘われて演劇研究会に入る。野乃に研究会を作ってみればと提案した(研究会を作った張本人とも言える)。麦たちによくアドバイスをくれる、研究会の頼れる存在。早口言葉が得意。野乃に好意を寄せているが、事あるごとに煙に巻かれてしまいその想いを中々伝えられずにいたが、クリスマスの日にようやく想いを伝える[注 2]。
- 西田 理咲(にしだ りさき)
- 声 - 氷上恭子
- 演劇研究会メンバー。3年生。甲斐の姉で、よく甲斐のことをからかって遊んでいる。野乃や桂木と同じく元演劇部員。美麗と「野乃の演劇続行」を巡ってケンカをしたのをきっかけに、研究会に入った。口よりも先に手が出るタイプ。成績はあまり良くなく、クリスマスパーティーの日に一人だけ補習を受ける羽目になる。卒業後は野乃、桂木、美麗は同じ大学に進学したが、理咲は別の大学に進学した。
- 西田 甲斐(にしだ かい)
- 声 - 岸尾大輔
- 理咲の弟。麦と佳代のクラスメイト(麦とは2年生に進級してからも一緒のクラス)。理咲によって強制的に演劇研究会へ入部させられた。口では文句をよく言うが、相手の心情を理解出来る優しい心を持っている。ダーツや金魚すくいといった屋台遊戯が得意。また、絵が得意で2年生になって美術部と演劇部を掛け持ちすることになった。麦のことが気になっている。佳代の留学後、麦の支えになりたいと思っている。第49幕で麦に告白し、恋人同士になる。
演劇部
- 榊 美麗(さかき みれい)
- 声 - 雪野五月
- 熊鷹芸術学院演劇部部長。3年生。野乃に演劇を勧めたが、結果的に野乃が声帯麻痺になってしまったことに責任を感じている。野乃が演劇部を辞めて研究会を作ってからは犬猿の仲となってしまったが、実は野乃の病気や演劇研究会のことを心配している。演劇研究会解散後、わずかながら対立こそあるが、野乃との仲は緩和された。アニメでは卒業の日に倉庫の衣装の前で和解した。卒業後もたまに、演劇部の様子を見に来ている。
- 玉城 春子(たましろ はるこ)
- 声 - 植田佳奈
- 演劇部部員。2年生。通称たまちゃん。容姿や学力が普通と言われるが、「平凡であることが個性」と言い切る漢らしいところがある。怒らせると怖く、普段の微笑ましく朗らかな口調や形相もまるで別人のように変貌する。幸枝と仲が良い。噂好き。野乃たちが演劇部を辞めた際には他の2年生たちと共に美麗の支えになることを決意する。
- 美麗が引退した後は演劇部の部長になる。美麗のような部長になりたいと思っているが、麦たち後輩の指導などで理想と現実の差に悩み自信を失ってしまう。しかし、その後美麗に励まされ自信を取り戻す。卒業後は美大に進学する。
- 綾瀬 幸枝(あやせ さちえ)
- 声 - 恒松あゆみ
- 演劇部部員。2年生。通称さちえちゃん(ちとせからはさっちーと呼ばれている)。春子と仲が良く、こちらも噂好き。
- 美麗が引退した後は演劇部の副部長になる。しかし、部長である春子の不安をよそにして、クリスマスのために練習日を削減したり、散々迷った挙句に前部長である美麗の指示を無視しようとした。しかし、合宿の際には落ち込む春子を気遣ったり、険悪化した部の空気を変えようとするなど彼女なりの考えで副部長の務めを果たしている。
- 学力が致命的に悪く進学も危ぶまれていたが、演劇部引退後に春子と和久井からスパルタ教育を受け、なんとか専門学校へ進学した。
- 山口 実(やまぐち みのる)
- 声 - 斎藤千和
- 演劇部部員。2年生。照明チーフ。演技が下手(同級生の部員曰く素人よりも酷い)なうえ、セリフを覚えることがほとんど出来ないために裏方を担当しているが、役者をやる気はあるらしい(さちえ曰く発声だけは良いらしい)。演劇部のムードメーカー的存在で気難しい響とも難なく会話出来てしまうため、和久井には「お前の存在って大きいんだな」と言われている。
- 幸枝と同様に成績が悪いので大学へは進学せず、卒業後は実家の花屋を手伝っている。
- 和久井 貞治(わくい さだはる)
- 声 - 土門仁
- 演劇部部員。2年生。舞台監督。通称ミケ。あだ名の由来は1年生の時に「俺はミケランジェロの生まれ変わりだ」と叫んだことから。演劇部の兄貴的存在。響との会話が苦手で常に山口の事を頼っている。
- 木野 信二(きの しんじ)
- 演劇部部員。1年生。脚本担当。ちとせにチビメガネと呼ばれており、あまり馬が合わない様子で、よく口喧嘩をする。玉城たちの引退後には、演劇部の部長になる。ちとせとは何だかんだで良いコンビとして演劇部を切り盛りしている。
- 神奈 ちとせ(かんな ちとせ)
- 声 - やぶさきえみ
- 演劇部部員。1年生。演劇部に所属しているが、研究会の方にもちょくちょく顔を出している。麦とは仲が良く、桂木に好意を寄せていて、クリスマス会(アニメでは演劇部主催の合格祝賀会)で告白するもフラれてしまう。水溜りでずぶ濡れになった麦に名入りのジャージを貸して以降、麦のクラスメイトからは「(神奈)オリジナル」、佳代や甲斐からは「オリナル」と呼ばれるようになった[注 3]。2年生に進級してから、麦や甲斐と同じクラスになった。一時期麦との仲がギクシャクしてしまったが、最終的には仲直りした。玉城たちの引退後、演劇部の副部長になる。木野とはよく口喧嘩をするが、良いコンビとして演劇部を切り盛りしている。
- 川崎 響(かわさき ひびき)
- 声 - 田中晶子
- 演劇部部員。1年生。音響チーフ。冷静沈着であまり表情を面に出さないが、若干天然気味な性格をしている。本人曰く「音響じゃないなら退部する」とまで発言する程音楽が好きである。麦が役者に割り振られた際にはトドメの一言を発した。
- 他人との会話が苦手なようで素っ気ない返事をしてしまう事が多いが、麦が落ち込んでいる際には相談に乗ったりするなど他人に関心が無い訳ではない。和久井に対して特に素っ気ない態度をとる事が多く、和久井には嫌われていると思われているが本人は嫌っているわけではなく、むしろ少なからず好意を抱いている様子。
- 武田 京介(たけだ きょうすけ)
- 声 - 大須賀純
- 文化祭(1年生編時)で麦をナンパした男。麦が2年生になった年に熊鷹芸術学院へ入学、麦に憧れて演劇部に入部する。運動が苦手で、体力作りの練習はかなりキツイ様子。運動をサボろうとして、甲斐に「麻井2号」と言われてしまう。通称きょーちゃん。
- 実は麦より1歳年上だが、他人と接する事が怖くて中学生の頃から不登校を繰り返していたため入学時期が遅れている。演劇部入部後は麦や甲斐の助けを借りながら苦手意識を克服しようと努力している。
その他
- 遠山 佳代(とおやま かよ)
- 声 - 宮川美保
- 写真部部員。1年生。麦の中学時代からの親友。麦の付き合いで演劇研究会の手伝いもすることがある。1年の終わりから写真の勉強をするため留学している。文化祭でわずかながらも進歩した麦の姿を見て安心し、甲斐やちとせに後事を托して旅立った。留学先で落ち込む事もあったが、麦からのメールに励まされ立ち直る。帰国後は麦の後輩となり[注 4]京介と同じクラスになった。
- 掛井(かけい)[注 5]
- 声 - 斎藤千和
- 熊鷹芸術学院生徒会長。2年生。1年生の頃に野乃と美麗の演劇部分裂騒動に巻き込まれてしまい、演劇研究会の設立を認める条件として翌年の文化祭での演劇対決を提示した。文化祭当日には他の仕事を投げ出してまで演劇対決の宣伝をしたり(本人曰く「私にしか出来ない仕事」)、美麗たちが卒業した後の演劇部の新歓公演の宣伝をしたり公演を観に来るなど、何かと演劇部の事を気に掛けている[注 6]。
注釈
出典
- ^ 双葉社『榊美麗のためなら僕は・・・ッ!! 』第1巻
- ^ 単行本『ひとひら 1』(第1巻)カバー裏より。
- ^ “桐原いづみ「ひとひら」が舞台化、高校演劇を描く人気作”. コミックナタリー (2014年4月4日). 2014年4月4日閲覧。
- ^ コミックハイ2007年7月号付録。
- ^ “スタッフ&キャスト インタビュー”. TVアニメーション「ひとひら」公式サイト. 2009年4月4日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “HiFxとは”. TVアニメーション「ひとひら」公式サイト. 2009年4月4日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 双葉社HP・『ひとひら 小説版』
固有名詞の分類
- ひとひらのページへのリンク