RMT停止
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 00:36 UTC 版)
しかし、エリザベス・ロフタスは記憶が操作される可能性を司法の場で指摘した。彼女は「ショッピングモールの迷子」という実験において、まず家族の証言による実際の過去の記録3つに「ショッピングモールにおいて迷子になった」という嘘の記録1つを混ぜることで、4分の1の被験者に対してその嘘の記憶を埋め込むことに成功したことを示し、人間の記憶の不確かさを指摘した。 1990年代初頭は、マクマーティン保育園裁判に見られるように、悪魔的儀式虐待および警察官らによる保育園などでの性的虐待の可能性に対する社会的恐怖は根拠が無い、という見方が強まっていた。この頃は「虚偽記憶」の可能性が重視され、マスメディアも多くこの話題を取り上げ、1990年代半ばに入り無罪の親がさらに脚光を浴びることになった。ロフタスを売春婦などとけなす人も数多く脅迫なども受けたが、ハーマンが勧めた催眠療法は様々な問題点があるとされ、1995年以降にこれについて多くの訴訟で被告側に優位な判決が出された。 また、1997年にはロフタスが、カウンセラーが虐待の記憶を呼び戻す治療法の有用性そのものについて否定的な論文を発表している。 この後、2000年ごろまでこの問題はくすぶり続けたが、回復記憶セラピー(RMT:Recovered Memory Therapy)が非常にまれなものとなったことにより、この論争はおおかた決着がついた。
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