Outer ring system
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/10 15:42 UTC 版)
「天王星の環」の記事における「Outer ring system」の解説
2003年から2005年、ハッブル宇宙望遠鏡は、それまで知られていなかった1対の環を発見した。これはOuter ring systemと呼ばれ、既知の天王星の環は13個になった。これらの環はその後、μ環、ν環と名付けられた。μ環は2つのうち外側にあり、天王星からの距離は、明るいη環の2倍である。これら2つの環は、内側の環といくつかの点で異なっている。これらは、それぞれ約1万7,000 km、3,800 kmと幅広く、非常に希薄である。光学的深さの最大値は、それぞれ8.5 × 10−6と5.4 × 10−6であり、等価光学的深さは0.14 kmと0.012 kmである。放射方向の明るさは、三角形のようになっている。 μ環の明るさの最大値は、ほぼ正確に、環を構成する粒子の供給源になっていると考えられるマブの軌道上にある。ν環はポルティアとロザリンドの軌道の間にあり、その内側に衛星を持たない。ボイジャー2号の前方散乱の画像の再解析により、μ環とν環が明確に存在していることが明らかとなった。この方向からでは、環はさらに明るく、これはこの環が多くのμmサイズの塵を含んでいることを示していた。これら2つの環は、土星のG環とE環に類似している。G環は塵の供給源となるような天体を持たず、E環は非常に幅広く、エンケラドゥスから塵の供給を受けている。 μ環は、大きい粒子を全く含まず、ほぼ全て塵で構成されている可能性がある。この仮説は、ケック天文台の観測で、2.2μmの赤外線の波長でμ環を観測できなかったが、ν環を観測できた事実が支持している。μ環を観測できなかったことは、μ環の色が青く、そのほとんどが1μm以下の非常に小さい粒子で構成されていることを意味している。この塵は、恐らく水の氷でできている。対照的に、ν環の色は若干赤い。
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