Ionic orderとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Ionic orderの意味・解説 

イオニア式

(Ionic order から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/10 09:54 UTC 版)

イオニア式の柱
1.エンタブラチュア、2.コラム、3.コーニス、4.フリーズ、5.アーキトレーブ、6.柱頭、7.柱身、8.礎盤、9.ステュロバテス、10.基壇
アテナイのエレクテイオン
バースのロイヤル・クレセント英語版

イオニア式(イオニアしき)は、古代ギリシア建築における建築様式(オーダー)のひとつで、柱の上部のキャピタル(柱頭飾)が渦巻のものを指す[1]。他に、ドーリア式コリント式がある。

概要

イオニア式のオーダーは、紀元前6世紀半ばに、イオニア人が植民した小アジアの南西沿岸及び島嶼からなるイオニア地方で誕生し、紀元前5世紀にはギリシア本土でも用いられるようになった。

イオニア式が用いられた最初の大神殿は、紀元前570年 - 560年頃にロイコス(Rhoikos)によって建設されたサモス島ヘラ神殿であるが、この神殿は建設から10年も経たないうちに地震で崩壊した。紀元前6世紀のイオニア式神殿としては、他に、古代の古典古代における世界の七不思議 のひとつに数えられたエフェソスアルテミス神殿が挙げられる。

ドーリア式の柱と異なり、イオニア式の柱では、通常、柱身は、ステュロバテスや基壇に設けられた礎盤の上に立てられる(ドーリア式では、柱身は直接ステュロバテスや基壇の上に立てられる)。イオニア式の柱頭に特徴的なのは、エキノスの上に載置され、または、エキノスから突出する、組になった渦巻き飾りである。エキノスは通常、卵鏃装飾を有している。渦巻き飾りは初期には平面的であったが、後に隅部が突出する形状となり、前面から見ても側面から見ても同じ形状に見えるようになった。

イオニア式のエンタブラチュアは、アーキトレーブフリーズコーニスの3つの部分から構成される。アーキトレーブは2または3の飾りのない帯に分かれている(3分されているものが一般的である)。その上のフリーズには豊かな彫刻が施され、コーニスには歯飾りが設けられている。ドーリア式ではトリグリフが設けられていた場所には、絵画的で、物語を表したものも多い浅浮彫りが設けられ、イオニア式の特徴となっている。

アウグストゥスの時代の建築家であるウィトルウィウスは、その著書『建築十書』においてドーリア式は頑健な男性の身体のプロポーションを有するのに対して、イオニア式はより繊細な女性の体のプロポーションを有すると述べている[2]

代表的建造物

出典

  1. ^ 藤森昭信『フジモリ式建築入門』筑摩書房、2011、80頁。 
  2. ^ Vitruvius, Book IV, Chapter 1”. www.vitruvius.be. 2022年4月16日閲覧。
  3. ^ Parthenon”. www.reed.edu. 2022年4月16日閲覧。

「Ionic order」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Ionic order」の関連用語

Ionic orderのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Ionic orderのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのイオニア式 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS