HMV渋谷と「渋谷系」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 01:38 UTC 版)
日本では1990年2月28日に日本法人「HMVジャパン」を設立、同年11月16日には日本第1号店となる「HMV渋谷」を東京都渋谷区宇田川町(文化村通り)のONE-OH-NINEのキーテナントとして出店した。 「109 (商業施設)#ONE-OH-NINE」も参照 1990年代前半、旗艦店であったONE-OH-NINE時代のHMV渋谷は「渋谷系ミュージック」の発信源として重要な役割を担った。同店でプッシュされたアーティストが、テレビなどで流れるヒット曲を好まない音楽好きの若者に支持され、渋谷系というジャンルを生み出す原動力となり「渋谷系の聖地」と呼ばれた。 「渋谷系#語源」も参照 インターネットがなかった時代には、音楽雑誌やラジオ番組と並びレコード店が音楽情報の有力な発信源であり、六本木WAVE(元セゾングループ)、渋谷に店舗があったタワーレコード、ディスクユニオン(この2社は「タワレコ」「ユニオン」と略された)とともに、最先端の音楽情報を伝える発信地として注目されていた。HMV渋谷では積極的にインストアイベントやミニライブなどを開催し、渋谷に集まる音楽ファンにインディーズ系などの新進アーティストを紹介する役割を果たしていた。 その後1995年にONE-OH-NINEはアミューズメントビルに業態転換、HMV渋谷も1998年9月に渋谷センター街へ移転した。移転後は、J-WAVEのサテライトスタジオ「渋谷HMVスタジオ」が2009年9月まで存在し、同局の高聴取率番組『GROOVE LINE』が当スタジオより放送されていた。 渋谷の地で20年営業したHMV渋谷は2010年8月22日をもって閉店、最終営業日には多くの音楽ファンが集まり閉店を惜しんだ。「渋谷系の聖地」とまで呼ばれたHMV渋谷の閉店は、1998年をピークに販売低迷が続く「CD不況」やインターネットの普及による音楽配信販売の浸透など、時代の変化を象徴する出来事として新聞各紙やニュース番組で取り上げられた。 なお、渋谷センター街のHMV渋谷の跡地は京阪電気鉄道の関連会社である京阪流通システムズが建物を賃借し、ファストファッションチェーン「FOREVER 21」がテナントとして出店していた(2019年10月31日閉店)。
※この「HMV渋谷と「渋谷系」」の解説は、「HMV」の解説の一部です。
「HMV渋谷と「渋谷系」」を含む「HMV」の記事については、「HMV」の概要を参照ください。
- HMV渋谷と「渋谷系」のページへのリンク