栄光の6月1日
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栄光の6月1日(えいこうのろくがつついたち、英: Glorious First of June)は、1794年6月1日、大西洋上でイギリス(グレートブリテン王国)と第一共和政下のフランスとの間で行われた、フランス革命戦争における最初にして最大級の海戦である。
注釈
- ^ このとき「チルダース」を指揮していたロバート・バーロウ海尉は、「栄光の6月1日」の海戦にフリゲート「ペガサス」の艦長として参加する。
- ^ スペインとの開戦を見越して行われた軍備拡張の事。
- ^ 歴史家のピーター・パッドフィールドによれば、これはヴィラレーのブレスト出港を促すハウの意図的な戦略の一部であったと言われている。外海にヴィラレーを誘導することができれば、ハウは、自艦隊の訓練を積み、戦術面でも優勢な艦隊によってフランス艦隊を撃破できたからである。またもしそれが成功すれば、以後何年にもわたってフランス大西洋艦隊の脅威を取り除くことになった[24]
- ^ 帆船時代の海戦においては風上を取ることは決定的な意味を持つ。軍艦が攻撃の主導権を握るためには適切な風量と風向を必要とするからである。帆船は逆風の場合、艦を上手回しにすることでその埋め合わせが可能だったが、風上に位置するということは、複雑な戦術を用いなくても、風を利して直接敵を攻撃することができるのである。
- ^ 「ヴァンジュール・ドゥ・プープル」の最後の数分に関して伝えられている事柄については広く、激しい議論が続いている。フランス側の報告に基づく文献では[4] 愛国的な行為とされている[68]。主にベルタラン・バレールによる国民公会でのこの海戦によせられた著名な演説による証言ではそうである、ハウは徹底的にこの証言の欺瞞を徹底的に暴き、事実無根であると主張している(Tracy, p. 95)。そしてイギリス側の文献も多くはそれに従っている(Jane, p. 95)。この話に関して面白い手がかりが投げかけられている。トマス・カーライルは、フランス革命戦争に冠する自分の作品にこの伝説を含めている。また、当時カローデンの海尉だったジョン・グリフィス提督は、沈没を目撃しており、カーライルの著作に公然と立ち向かい、バレールの演説もカーライルの私的許容も退け、カーライルはことの真相を突き止めることに着手し始めた。カーライルは最終的にヴァンジュールのジャン・フランソワ・レノーダン艦長から公的報告書を入手するに至り、バレールの演説を「狡猾に作られた話」と結論付け、その後の像半分で、ヴァンジュール沈没に関する記述を変えた[69]。ウィリアム・ジェームズは、この出来事は多分実際にあったことであろうという見解を理由をつけて表明している。彼は、沈みゆく船にいる人なら誰も、アルコールの影響下でこのようにふるまうことはありうると二者択一の理論を提案している。クロード・フェリエールは彼の著書『フランス海兵隊員の記録』(Histoire de la Marine française)の中で、沈没の原因を被害を受けた下層甲板の砲門を閉めなかった乗組員の怠慢によるものとし、負傷していない乗組員が船を放棄して脱出したと述べたうえで、愛国的な叫び声は救出の希望を失い、沈む船に閉じ込められた負傷者の叫びであるとしている[70]。
- ^ a b フランス側の損失は、著述者や歴史家によってさまざまに推定されている。N・A・M・ロジャーは死者4,200名、捕虜3,300名としている。ディグビー・スミスは死者4,270名、捕虜3,254名とする。またパドフィールドは死者3,500名をリストアップした。ガーディナーによる 死者は3,500名で捕虜も同数。サンタンドレは急送行文書で死傷者3,000名としており、またジェームズは死傷者・捕虜合せて7,000名は下らないと推定した。イギリスの犠牲者数は記録が残っているので算出はより容易であるが、ここにも矛盾はある。公式数値は、一連の戦闘を通じて死者287名、負傷者811名となっているが、ジェームズがリストアップした個々の艦の数字を合計すると1,148名となる。大部分の資料は総死傷者数がおよそ1,200名であることで一致している。
- ^ たとえば、沈没した「ヴァンジュール」の損失はさまざまな報告が行われており、「わずかな重傷者を除いて」150名の生存者としているもの、「600名以上が沈んだ」としているものなどがある。
- ^ ブルターニュ半島、岬にあるベルテオーム砦周辺の海域のことか。
- ^ いとこであるサミュエル・フッド提督がすでにフッド子爵およびフッド男爵の称号を得ていた。
- ^ トマス・パスリー少将旗艦
- ^ トマス・グレイヴス中将旗艦
- ^ ジェームズ・ガンビア艦長
- ^ ベンジャミン・コールドウェル少将旗艦
- ^ ジョージ・ボウヤー少将旗艦
- ^ リチャード・ハウ提督旗艦
- ^ アラン・ガードナー少将
- ^ アレグザンダー・フッド中将旗艦
- ^ フランソワ=ジョゼフ・ブーヴェ少将旗艦
- ^ ルイ・トマス・ヴィラレー・ド・ジョワイユーズ少将旗艦
- ^ ジョセフ=マリー・ニエリ少将旗艦
出典
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- ^ Collingwood, Cuthbert, Oxford Dictionary of National Biography, C. H. H. Owen, Retrieved 31 December 2007
- ^ "No. 20939". The London Gazette (英語). 26 January 1849. pp. 236–245. 2009年7月19日閲覧。
- ^ Gardiner, Fleet Battle and Blockade, p. 41
- ^ Gardiner, Fleet Battle and Blockade, p. 40
- ^ Wareham, p. 64
「Glorious First of June」の例文・使い方・用例・文例
- 昨年までは、Train FirstとTop Shareと契約をしていました。
- Microsoftがβ版をランチするのは「NetShow streaming server」で動画や音声をオンデマンドで提供する。
- 《主に米国で用いられる》 = 《主に英国で用いられる》 an admiral of the fleet 海軍元帥.
- 篏入的 r 音 《英音の India office /ndiərfɪs/の /r/の音》.
- =《口語》 These kind of stamps are rare. この種の[こういう]切手は珍しい.
- (英国の)運輸省. the Ministry of Education(, Science and Culture) (日本の)文部省.
- は of の誤植です.
- を off と誤植する.
- あいまい母音 《about, sofa などの /ə/》.
- 副詞的小詞 《on, in, out, over, off など》.
- 迂言的属格 《語尾変化によらず前置詞によって示す属格; たとえば Caesar's の代わりの of Caesar など》.
- çon of garlic [humor]. それにはガーリック[ユーモア]がちょっぴり必要だ.
- 《主に米国で用いられる》 = 《主に英国で用いられる》 the Speaker of the House of Commons 下院議長.
- 《主に米国で用いられる》 = 《主に英国で用いられる》 the Committee of Ways and Means 歳入委員会.
- 初めて読んだ英文小説は“The Vicar of Wakefield”
- (違法罪―a sin of commission―に対する)怠惰罪
- 『each』、『every』、『either』、『neither』、『none』が分配的、つまり集団の中の1つのものを指すのに対し、『which of the men』の『which』は分離的である
- 『hot off the press(最新情報)』は『hot(最新の)』の拡張感覚を示している
- 『Each made a list of the books that had influenced him』における制限節は、リストに載った本を制限節で定義された特定の本だけに制限する
- 臨床的鬱病を治療するのに用いられる三環系抗鬱薬(商品名ImavateとTofranil)
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