CAS (カイガラムシ)とは? わかりやすく解説

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CAS (カイガラムシ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/17 02:25 UTC 版)

ソテツシロカイガラムシ(仮称)
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: カメムシ目 Hemiptera
亜目 : 腹吻亜目 Sternorrhyncha
上科 : カイガラムシ上科 Coccoidea
: マルカイガラムシ科 Diaspididae
: Aulacaspis
: Aulacaspis yasumatsui

CAS(キャス)は、カメムシ目マルカイガラムシ科に属する和名未定の外来カイガラムシで、学名 Aulacaspis yasumatsui 。英名Cycad aulacaspis scaleの頭文字から通称CAS(キャス)と呼ばれ[1]、和名の仮称としてソテツシロカイガラムシとも呼ばれている[2]。日本では2022年に奄美大島で定着が確認された[3]。原産地はタイなど東南アジア。外来種として台湾、ハワイ、グアム、アメリカ大陸等に分布し、効果的な防除方法が確立されておらず、侵入先では自生あるいは植栽されたソテツに大きな被害を与えている。

日本での定着は、鹿児島県の奄美大島にて2022年11月22日に初確認以後、2023年11月までに奄美大島の5市町村すべてで被害が確認されたほか、沖縄県でも確認された[4]。奄美大島には台湾から侵入したと推測されている[5]

形態・生態

メス成虫はソテツに固着し、自ら分泌した長さ3mmほどの円形から洋ナシ形をした白く薄い殻で被われ、体長1mmほどの卵型で橙色の虫本体が透けて見える。オスの殻はより小型で長さ0.5-0.6mmほど形も細長い。オスの成虫は一対の翅を持ち、餌を摂らずにメスを探し交尾して死ぬ[6][7]。殻は虫の死後もソテツに固着して残り、擦っても高圧洗浄機で洗い流そうとしてもきれいに落とすことはできない。ソテツの葉だけでなく地中60cmまでの根にも寄生することが知られており、通常の農薬散布では駆除しきれない。原産地には天敵により大発生が抑制されていると思われるが、侵入先ではいまのところそのような強力な天敵がおらず、寄生したソテツの大多数を枯死させてしまう[8]

脚注

  1. ^ 森林技術総合センター 2022 ソテツを加害するカイガラムシ Aulacaspis yasumatsui の 国内初確認について(報告) https://www.pref.kagoshima.jp/ad07/sangyo-rodo/rinsui/shinrin/hogo/documents/107624_20230821151435-1.pdf
  2. ^ 時広五朗 2006 台湾産ソテツ苗木から発見されたソテツシロカイガラムシ(仮称)について 九州植物防疫(604)
  3. ^ 鹿児島県”ソテツを加害するカイガラムシについて”(https://www.pref.kagoshima.jp/ad07/sangyo-rodo/rinsui/shinrin/hogo/cycas_kaigaramusi.html )
  4. ^ 沖縄・国頭村ソテツCAS被害 (奄美新聞 2023年3月20日 https://amamishimbun.co.jp/2023/03/20/42915/ )
  5. ^ Takagi, S. 2023 Outbreak of Aulacaspis yasumatsui in Japan (Sternorrhyncha: Coccoidea: Diaspididae). Insecta Matsumurana New Series 79:81-84.
  6. ^ Pest Alert-Cycad Aulacaspis Scale  https://www.fs.usda.gov/Internet/FSE_DOCUMENTS/stelprdb5437895.pdf
  7. ^ Takagi, Sadao and De Faveri, Stefano 2009 Notes on scale insects of Aulacaspis associated with mangroves and cycads (Sternorrhyncha: Coccoidea: Diaspididae. Insecta matsumurana. New series 65: 101-129.
  8. ^ Cave, R. D., A. Moore, and M. Wright. 2022. Biological control of the cycad aulacaspis scale, Aulacaspis yasumatsui, pp. 189–203. In: Van Driesche, R.G., R. L. Winston, T. M. Perring, and V. M. Lopez (eds.). Contributions of Classical Biological Control to the U.S. Food Security, Forestry, and Biodiversity.FHAAST-2019-05. USDA Forest Service, Morgantown, West Virginia, USA. https://bugwoodcloud.org/resource/files/25341.pdf



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