2005年から2006年のドラフト制度
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「プロ野球ドラフト会議」の記事における「2005年から2006年のドラフト制度」の解説
導入の背景 2004年に明治大学の一場靖弘に対し、いくつかの球団の関係者が自由獲得枠での獲得を目指して裏金を渡していた問題(一場事件参照)が発覚した。この事件の元凶は、上に示した当時のドラフト制度にあるとされ、これを改めることになった。 改正内容に関しては、ドラフト制度の中で契約金と契約順が制限されている事が裏金を使う温床になったのであり、自由に新人選手を獲得できるようにすれば、裏金が生まれる必然性がなくなると主張しより自由競争に近い方式を求めた球団と、ドラフト制度の中に中途半端に自由競争を持ち込む自由獲得枠という制度が裏金の温床になると主張し、自由獲得枠を撤廃し完全ウェーバー方式のドラフトになれば裏金は発生することはないと主張する球団とがそれぞれの希望に沿った制度改正を主張した。 裏金問題の解決を目指して始まった議論だったが、各球団ともに自らが有力な選手が獲得できるような制度を求めたまま対立し、意見が一致することはなかった。妥協案として、試行的に2005年と2006年の2年間は、自由獲得枠の名称を希望入団枠と変更した上で枠を2から1に減らしたドラフト会議を行った。 希望入団枠 ドラフト会議以前に各球団1名までの選手を契約締結内定選手として自由に獲得することができる。 希望入団枠を使って高校生やこれに準ずる選手を獲得することはできない。 希望入団枠を使うか使わないかは各球団の自由であるが、事前にどちらにするかを申請しなければならない。 希望入団枠を使うことを申請したものの契約締結内定選手が得られないこともある。 希望入団枠によって獲得された選手は、ドラフト会議における通常の選手指名で他球団に指名されない。 高校生ドラフト 高校生のみを対象としたドラフト会議で10月に開催される(2006年は9月に開催)。 各球団は獲得を希望する選手がいなくなった段階で選択の終了を宣言し、それ以後の指名に参加することはできない。 1巡目は参加する全球団が同時に選手を指名して、指名が重複した場合には抽選を行う。抽選に外れた球団のみでウェーバーによる代替選手の指名を行う。1巡目の指名を行わなくてもよく、その場合は事前に申請する。 2巡目は希望入団枠を使わないことを事前に申請した球団のみが参加でき、ウェーバー方式で指名選手を確定する。 3巡目以降はウェーバー方式と逆ウェーバー方式を交互に行い、すべての球団が選択の終了を宣言するまでこれを続ける。 大学生・社会人ほかドラフト 大学生や社会人など、高校生以外の新人選手を対象としたドラフト会議で11月に開催される。 各球団は獲得を希望する選手がいなくなった段階で選択の終了を宣言し、それ以後の指名に参加することはできない。 1巡目は希望入団枠を使うことを事前に申請したものの契約締結内定選手が得られなかった球団のみが参加でき、ウェーバー方式で指名選手を確定する。 2巡目は高校生ドラフトで1巡目の指名を行わなかった球団のみが参加でき、ウェーバー方式で指名選手を確定する。 3巡目以降はウェーバー方式と逆ウェーバー方式を交互に行い、希望入団枠と高校生ドラフトを含む指名選手が全球団合わせて120名になるか、すべての球団が選択の終了を宣言するまでこれを続ける。 各球団は、通常の指名に続き、育成選手を指名することができる。
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