電荷移動遷移エネルギー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/27 02:14 UTC 版)
「電荷移動錯体」の記事における「電荷移動遷移エネルギー」の解説
電荷移動遷移エネルギーは各錯体に特有であるため、各錯体が吸収する波長もまた各錯体に特有である。 供与体分子の電子供与力はイオン化ポテンシャル(最高被占軌道から電子を1個取り除くのに必要なエネルギー)によって測ることができる。また受容体分子の電子受容力は電子親和力(最低空軌道に1個電子を入れる際に放出されるエネルギー)によって決定される。 全体のエネルギー収支 (ΔE) の値は自発的な電荷移動によって発生するエネルギーの値から得られる。エネルギー収支は受容体の電子親和力 (EA) と供与体のイオン化エネルギー (EI) の差に受容体と供与体の間の静電気的エネルギーを足して得られ、以下の式で表現できる。 Δ E = E A − E I + J {\displaystyle {\Delta }E=E_{A}-E_{I}+J\,} 電磁スペクトルにおける電荷移動吸収帯の位置はこのエネルギー差と共鳴における非結合状態と配位状態の寄与のバランスに密接に関わっている。
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