関東府とは? わかりやすく解説

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鎌倉府

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/26 13:50 UTC 版)

鎌倉府(かまくらふ)は、南北朝時代京都に成立した室町幕府が前代鎌倉幕府の本拠地の鎌倉及びその地盤であった関東10か国を掌握するために設置した機関である。貞和5年(1349年)から室町時代中期の享徳4年(1455年)まで、約100年間存続した。初代将軍足利尊氏の次子基氏とその子孫が長を世襲し、鎌倉公方と呼ばれる。これを補佐する関東管領上杉氏が世襲した。その他に評定衆引付衆侍所政所等、幕府に準じた機構を有していた。


注釈

  1. ^ 『満済准后日記』応永二十四年(1417年)八月七日条、同二十五年九月十五日条 宇都宮氏の上総国守護職補任の経過、応永三十年(1423年)六月五日条にも関連記述。ただし、応永二十四年から二十五年の一連の交渉の主たる折衝は全て京都で行われて、最終的には反鎌倉府の宇都宮持綱(後に鎌倉府に討たれる)が任じられている経緯から、鎌倉公方は幕府の推挙を拒むのは困難で、「幕府の推挙権=事実上の任命権」であったとする杉山一弥の反論もある[17]
  2. ^ 上杉氏が半国守護であり、村上氏、屋代氏、芦田氏などから鎌倉公方や関東管領の家臣となる者を分派した。

出典

  1. ^ 伊藤 1992, pp. 173–175, 地方支配をめぐって・にらみあう奥羽と関東.
  2. ^ 伊藤 1999, pp. 247–250, 初期の鎌倉府・鎌倉府設置の理由
  3. ^ 佐藤 2006, pp. 56–58, 公武水火の世・尊氏の逆手どり.
  4. ^ 伊藤 1999, pp. 85–103, 広域行政府と地方支配
  5. ^ a b c d e f g 佐藤 1998, pp. 3–26, 鎌倉府についての覚書
  6. ^ 伊藤 1992, pp. 243–245, 鎌倉府と奥州管領・東国の情勢.
  7. ^ a b 安田 2008, pp. 72–74, 幕府再興・建武式目
  8. ^ 峰岸 2009, p. 46, 室町幕府の成立.
  9. ^ 峰岸 2009, pp. 113–115, 室町幕府と鎌倉府.
  10. ^ a b c 渡辺 1995, pp. 17–20, 室町幕府の職制と鎌倉府・鎌倉府の職制
  11. ^ 武蔵金沢称名寺書状下書
  12. ^ 金沢文庫文書』(観応二年四月)
  13. ^ 『石清水八幡文書』「貞治四年二月三日関東公方足利基氏宛将軍足利義詮書状」
  14. ^ 足利直義から上杉憲顕宛の六月二十日付文書
  15. ^ a b 田辺 1990, pp. 42–46, 関東分国
  16. ^ 小国 2013, pp. 38–41, 奥羽への進出.
  17. ^ 杉山一弥「室町幕府と下野〈京都扶持衆〉」『年報中世史研究』30号、2005年。 /所収:杉山一弥『室町幕府の東国政策』思文閣出版、2014年。ISBN 978-4-7842-1739-7 
  18. ^ 伊藤 1999, pp. 143–149, 室町期の国家と東国・鎌倉府と室町幕府
  19. ^ 小国 2013, pp. 199–219, 鎌倉府と室町幕府の対立.
  20. ^ a b c d 山田 1995, pp. 117–123, 総論 鎌倉府政権の構造と基盤
  21. ^ 山田 1995, pp. 145–199, 鎌倉府の奉公衆
  22. ^ a b 峰岸 1989, pp. 233–237, 東国における十五世紀内乱の意義-「享徳の乱」を中心に-
  23. ^ 山田 1995, pp. 145–199, 鎌倉府の奉公衆。なお本文献では、根拠となる史料の信頼性別に各氏族を分類し、時系列の線表に整理するなど詳細な分析結果が報告されている。
  24. ^ a b c d 山田 1995, pp. 274–280, 鎌倉府の直轄領・直轄領の分布
  25. ^ 山田 1995, pp. 201–325, 鎌倉府の直轄領。なお本文献では、根拠となる史料の信頼性別に各所領を分類し、各所領の形成過程を時系列の線表に整理するなど、詳細な分析結果が報告されている。他にも鎌倉府直轄領の一部とみなせる鎌倉寺院の所領情報も集積・分析されている。
  26. ^ 伊藤 1999, p. 41, 序論.
  27. ^ 伊藤 1999, p. 271-272, 鎌倉府覚書.
  28. ^ 佐藤 1989, pp. 453–474, 付論 戦国期における東国国家論の一視点.
  29. ^ 網野 1998, pp. 210–228, 東は東、西は西.
  30. ^ 網野 1998, pp. 259–263, 東国と九州、西国と東北.
  31. ^ 網野 1998, pp. 277–285, 東の文化と西の文化.
  32. ^ 伊藤 1999, pp. 28–33, 序論・鎌倉府と東国国家論.
  33. ^ 伊藤 1999, pp. 143–149, 室町期の国家と東国・鎌倉府と室町幕府.
  34. ^ 桜井 2009, pp. 60–62, 将軍のストック.
  35. ^ 永原 1961, pp. 366–380, 東国における惣領制の解体過程.
  36. ^ 江田 2008, pp. 5–8, 序章 鎌倉府研究の現状と課題.


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