配役の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/08 08:23 UTC 版)
ヴェルディはまた、支配人モチェニーゴから「カロリーナ・ヴィエッティなるコントラルト歌手を配役に加えてもらえないか」との懇請を受け、検討している。彼女はヴェネツィアでは大人気歌手であった。仮にこの依頼を受諾するとなると、主要登場人物の声域はエルナーニ(コントラルト)、ドン・カルロ(テノール)、シルヴァ(バリトン)、エルヴィーラ(ソプラノ)となるはずであった。 主人公の男性役を女声が担当するというのはもちろん18世紀には当たり前(例えばヘンデル『セルセ』)で、19世紀初めにもあり得た方式であるが(未完のベッリーニ版ではジュディッタ・パスタを想定していたとされる)、既にこの1840年代には時代遅れとみなされる傾きがあった。ピアーヴェがヴィエッティ起用案に強く反対し、モチェニーゴを説得してくれた上、最終的には契約条件中の「歌手の人選はヴェルディ」のおかげで、配役は青年エルナーニ(テノール)、壮年カルロ(バリトン)、老年シルヴァ(バス)、若き美女エルヴィーラ(ソプラノ)、という単純ながら声のバランスの良いものとなった。
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