負担金の残金支払いをめぐる愛知県と名古屋市の対立
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「あいちトリエンナーレ」の記事における「負担金の残金支払いをめぐる愛知県と名古屋市の対立」の解説
2019年4月16日、名古屋市は、実行委員会への負担金1億7,102万4千円の交付を決定。しかし不自由展の展示内容などを問題視した市は、1億3,722万2千円まで支払ったところで方針を転換。残金の3,380万円2千円について支払わない意思を固めた。 同年12月9日、名古屋市は「あいちトリエンナーレ名古屋市あり方・負担金検証委員会」を設置。名古屋市が支払いを保留していた負担金3,380万円について、第三者委員会による検討が行われることとなった。委員会の委員は山本庸幸(前最高裁判所判事)、浅野善治(元衆議院調査局決算行政監視調査室首席調査員)、田中秀臣(上武大学ビジネス情報学部教授)、中込秀樹(元名古屋高等裁判所長官)、田中由紀子(美術批評家)の5人。 2020年3月27日、第3回目の検証委員会が開催。座長の山本は、不払いの方針を是認する報告書案を提出。同案は山本、浅野、田中秀臣の3人が賛成し、中込、田中由紀子の2人が反対した。多数決により報告書は採択され、同日、名古屋市は3,380万円の不払いを行政決定し、愛知県に通知した。河村は「大村知事が独断で企画展の中止や再開を行った」などとして支払わないことをメディアに対しても明らかにした。 同年4月20日、大村知事は、実行委員会の会長、会長代行、副会長(2人)、委員(20人)に対し、名古屋市を提訴することについて賛否を問う文書を送付。書面での表決の結果、自身を含めた24人中、21人が回答し、賛成14、反対0、棄権7だった。 同年5月1日、愛知県は文書で「あいちトリエンナーレ2019は、75日間の会期を全うし、総数で67.6 万人の来場者を集めた国内最大規模の国際美術展として、多くの方々に楽しんでいただくことができました。このことからも明らかなように、今回のあいちトリエンナーレの開催の意義は十分に達成されており、名古屋市の主張する『事情の変更により特別の必要が生じた』 には、到底当たらないものであります」と反論し、「河村氏・名古屋市によって、一方的に負担金の残額の不交付がしかけられたものであり、極めて不謹慎かつ非常識なものと思料します」と河村を非難した。 同年5月21日、芸術祭実行委員会は、名古屋市を相手取り3,380万円の支払いを求めて名古屋地裁に提訴した。 2022年5月25日、名古屋地裁は実行委員会の請求を認め、名古屋市に未払い分3,380万2千円全額の支払いを命じた。名古屋市は判決を不服として控訴した。
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