芒卯とは? わかりやすく解説

芒卯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/30 14:16 UTC 版)

芒 卯(ぼう ぼう、生没年不詳)は、中国戦国時代の人。昭王安釐王に仕えた将軍・政治家。

生涯

当初、魏の昭王に詐術で取り入りその信任を得た。後、魏の領土である玉屋・長羊・洛林の地を餌に昭襄王に協力し、その力添えもあって魏の司徒となった。上任されると玉屋・長羊・洛林の地を秦に割譲し、秦と連衡してを攻め、魏は斉の土地の22県を得た。

紀元前275年、秦の相国魏冄が秦軍を率いて魏に攻め込んだ。芒卯の率いる魏軍と救援に駆け付けた暴鳶率いる韓軍は秦軍の前に大敗し、魏都大梁が秦軍に囲まれるに至った[1][2]。魏の大夫である須賈が秦と交渉し、秦軍は大梁の包囲を解いた[3][4]

紀元前273年、秦の昭襄王が白起に命じて魏・を攻めると、魏・趙で合従して華陽の地でこれを迎え撃ったが大敗、魏軍は13万の兵の首を打たれ、3名の将軍が捕虜となり、趙の賈偃が率いる2万の兵は黄河に沈められた。魏の司令官であった芒卯も敗走し、その後の行方は知られていない(華陽の戦い)。

評価

史記においては孟嘗君と共に秦の昭襄王に名を挙げられ、評価されている[5]

参考文献

脚注

  1. ^ 史記』巻五 秦本紀:三十二年,相穣侯攻魏,至大梁,破暴鳶,斬首四万,鳶走,魏入三県請和。
  2. ^ 『史記』巻四十五 韓世家:二十一年,使暴鳶救魏,為秦所敗,鳶走開封。
  3. ^ 『史記』巻七十二 穣侯列伝:昭王三十二年,穣侯為相国,将兵攻魏,走芒卯,入北宅,遂囲大梁。梁大夫須賈説穣侯曰:「臣聞魏之長吏謂魏王曰:『昔梁恵王伐趙,戦勝三梁,抜邯鄲;趙氏不割,而邯鄲復帰。斉人攻衛,抜故国,殺子良;衛人不割,而故地復反。衛・趙之所以国全兵勁而地不併於諸侯者,以其能忍難而重出地也。宋・中山数伐割地,而国随以亡。臣以為衛・趙可法,而宋・中山可為戒也。秦,貪戻之国也,而毋親。蚕食魏氏,又尽晋国,戦勝暴子,割八県,地未畢入,兵復出矣。夫秦何厭之有哉!今又走芒卯,入北宅,此非敢攻梁也,且劫王以求多割地。王必勿聴也。今王背楚・趙而講秦,楚・趙怒而去王,与王争事秦,秦必受之。秦挾楚・趙之兵以復攻梁,則国求無亡不可得也。原王之必無講也。王若欲講,少割而有質;不然,必見欺』。此臣之所聞於魏也,原君之以是慮事也。周書曰『惟命不于常』,此言幸之不可数也。夫戦勝暴子,割八県,此非兵力之精也,又非計之工也,天幸為多矣。今又走芒卯,入北宅,以攻大梁,是以天幸自為常也。智者不然。臣聞魏氏悉其百県勝甲以上戍大梁,臣以為不下三十万。以三十万之衆守梁七仞之城,臣以為湯・武復生,不易攻也。夫軽背楚・趙之兵,陵七仞之城,戦三十万之衆,而志必挙之,臣以為自天地始分以至於今,未嘗有者也。攻而不抜,秦兵必罷,陶邑必亡,則前功必棄矣。今魏氏方疑,可以少割收也。原君逮楚・趙之兵未至於梁,亟以少割收魏。魏方疑而得以少割為利,必欲之,則君得所欲矣。楚・趙怒於魏之先己也,必争事秦,従以此散,而君後擇焉。且君之得地豈必以兵哉!割晋国,秦兵不攻,而魏必効絳・安邑。又為陶開両道,幾尽故宋,衛必効単父。秦兵可全,而君制之,何索而不得,何為而不成!原君熟慮之而無行危」。穣侯曰:「善」。乃罷梁囲。
  4. ^ 宋・呂祖謙『大事記』巻五:周赧王三十二年,秦昭王与楚頃襄王会于鄢,秋又会于穣。秦抜魏安成兵至大梁,燕・趙救之而還。秦丞相魏冄免。
  5. ^ 『史記』巻四十四 魏世家第十四:秦昭襄王:以孟嘗・芒卯之賢,率彊韓・魏以攻秦,猶無奈寡人何也。

芒卯(ぼう ぼう)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 00:42 UTC 版)

達人伝-9万里を風に乗り-」の記事における「芒卯(ぼう ぼう)」の解説

魏の将軍魏都大梁に向かう白起華陽の軍と挟撃するため、大梁から出陣する。

※この「芒卯(ぼう ぼう)」の解説は、「達人伝-9万里を風に乗り-」の解説の一部です。
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