聖書_聖書協会共同訳とは? わかりやすく解説

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聖書 聖書協会共同訳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/02 01:23 UTC 版)

聖書 聖書協会共同訳(せいしょ せいしょきょうかいきょうどうやく、: Japan Bible Society Interconfessional Version)は、聖書の日本語訳のひとつ。聖書 新共同訳に引き続き、カトリックプロテスタントの共同で訳された。翻訳の著作権者と出版社は日本聖書協会[13]


注釈

  1. ^ 日本聖書協会の資料には、新約聖書の底本にドイツ聖書協会の『ギリシア語新約聖書(第5版)』を用いたとするものもある[3]。また、新翻訳事業で新約聖書の翻訳者(原語担当者)であった阿部包は、底本には聖書協会世界連盟の『ギリシア語新約聖書(第4版)』を用いたが、後に第5版が出版されたため、第5版も適宜参照したとしている[8]
  2. ^ 1968年に、聖書協会世界連盟と教皇庁キリスト教一致推進事務局とが連名で、「聖書翻訳におけるプロテスタントとカトリックの共同作業のための標準原則」を公表した[8]
  3. ^ 日本聖書協会は、2003年(平成15年)6月にスエーデン聖書協会(典: Svenska Bibelsällskapet)、同年10月にはオランダ聖書協会(蘭: Nederlands Bijbelgenootschap)に職員を派遣し、翻訳理論及び翻訳手順について聞き取りを行ったほか、同年9月に聖書協会世界連盟(英: United Bible Societies)及び聖書翻訳のための非営利団体である国際SIL: SIL International)が共同開発した聖書翻訳支援ソフト「パラテキスト(: Paratext)」についての研修会へ職員を参加させており、そこを新翻訳事業の起点とする意見もある[4][8]
  4. ^ 日本聖書協会では、書名が決まるまで仮に「標準訳聖書」と呼称していた[16][19]
  5. ^ 日本聖書協会 訳『聖書 口語訳』 JC44、日本聖書協会、東京、1955年。ISBN 978-4-8202-1281-2NCID BN01817929OCLC 1021016477 
  6. ^ 日本聖書協会は、2018年(平成30年)の発刊時には「31年ぶり、ゼロからの翻訳」を強調したが、2014年(平成26年)に発行した機関紙では、口語訳や新共同訳など過去の邦訳聖書の集大成であり、ゼロからの翻訳ではないとしていた[21][22]。また、同会が翻訳者(原語担当者)に配布した翻訳作業を進めるうえで準拠すべき指標『翻訳実務のためのガイドライン』には、必ず参照すべき過去の邦訳聖書として、口語訳[注 5]フランシスコ会聖書研究所訳及び岩波版が挙げられていた[8]
  7. ^ 三輪義也はイラストレーターで第4回日仏会館ポスター原画コンクールの大賞受賞者[28][29]。キリスト教信者でもあり、過去にも日本聖書協会の出版物の装訂を手掛けた[29][30]。2021年(令和3年)には聖書事業功労者賞を受賞している[29][30]
  8. ^ 『新共同訳 大型講壇用聖書旧約続編つき』 NI98DC、日本聖書協会、東京、1990年。ISBN 978-4-8202-1225-6 
  9. ^ 『新共同訳 大型講壇用聖書』 NI98、日本聖書協会、東京、1990年。ISBN 978-4-8202-1224-9 
  10. ^ 2021年(令和3年)に休刊となった新共同訳大型講壇用聖書は、カトリック向けの旧約聖書続編付き(NI98DC)[注 8]が本体価格16万円、旧約聖書続編なしのプロテスタント向け(NI98)[注 9]が本体価格14万円だった[3][33]
  11. ^ 造本装幀コンクールは、日本書籍出版協会及び日本印刷産業連合会が主催する造本装訂に携わる出版、印刷、製本及び装訂の成果を総合的に評価するもので、『聖書 聖書協会共同訳 引照・注付き(SIO43)』が入賞した第53回は、2019年(令和元年)5月29日に開催された審査会で受賞作品が決定された[36][37]

出典

  1. ^ a b 新翻訳聖書の書名が決定 ―『聖書 聖書協会共同訳』』(プレスリリース)日本聖書協会、2017年10月1日。 オリジナルの2020年1月3日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200103012116/https://www.bible.or.jp/contents/soc/pdf/jbs_kyoukai.pdf2022年12月18日閲覧 
  2. ^ 聖書の選び方ガイド”. 日本聖書協会. 2022年12月4日閲覧。
  3. ^ a b c d 聖書カタログ2018-2019”. 日本聖書協会. 2022年12月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月11日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i 変わらない言葉を 変わりゆく世界に〜31年ぶり新翻訳『聖書 聖書協会共同訳』完成〜」『ソア』第46号、日本聖書協会、東京、2019年4月1日、3-11頁、2022年12月4日閲覧 
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  6. ^ 聖書本文データ 凡例”. 日本聖書協会. 2022年12月4日閲覧。
  7. ^ 【聖書翻訳の最前線】 『聖書 聖書協会共同訳』について 2018年4月1日”. キリスト新聞社 (2018年4月1日). 2022年12月11日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g 阿部包「日本聖書協会の新しい聖書翻訳事業―『新共同訳』を超えてー」『日本基督教学会北海道支部公開シンポジウム記録』第4号、日本基督教学会北海道支部、札幌、2016年6月25日、2022年12月23日閲覧 
  9. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y 聖書 聖書協会共同訳について』日本聖書協会、東京、2018年12月15日。ISBN 978-4-8202-9268-5NCID BB27421995OCLC 1109735343全国書誌番号:23232222https://www.bible.or.jp/wp-content/uploads/2021/03/si_bible.pdf2022年12月4日閲覧 
  10. ^ 聖書 : 聖書協会共同訳 : 引照・注付き (日本聖書協会): 2018”. 書誌詳細. 国立国会図書館サーチ. 国立国会図書館. 2022年12月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月11日閲覧。
  11. ^ 長谷川修一「聖書の翻訳―古代から現代まで―」『通訳翻訳研究』第19号、日本通訳翻訳学会、東京、2019年、153-165頁、doi:10.50837/its.1908ISSN 1883-7522全国書誌番号:010217072022年12月23日閲覧 
  12. ^ a b c d 31年ぶりの新翻訳『聖書協会共同訳』発売 読者からの反響続々 2018年12月25日”. キリスト新聞社 (2018年12月25日). 2022年12月11日閲覧。
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  14. ^ a b 布川悦子 (2021年3月13日). “『聖書協会共同訳』の目指した翻訳”. 読書室. 日本聖公会東京教区 聖アンデレ主教座聖堂. 2022年12月18日閲覧。
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  17. ^ 『キリスト教年鑑』 52巻、キリスト新聞社、東京、2009年3月1日。ISBN 978-4-87395-538-4NCID BN07454191OCLC 316829114全国書誌番号:00051283 
  18. ^ 行本尚史 (2010年3月3日). “2016年に「標準訳聖書」 日本聖書協会が新訳に着手”. 神学・教育. クリスチャントゥデイ. 2022年12月18日閲覧。
  19. ^ 聖書 聖書協会共同訳 ─礼拝にふさわしい聖書を─ 特徴と実例』日本聖書協会、東京、2018年1月1日。 NCID BB27595566https://www.bible.or.jp/wp-content/uploads/2021/03/kyoukai02.pdf2022年12月18日閲覧 
  20. ^ a b 坂本直子 (2018年12月9日). “日本聖書協会が記者会見 31年ぶりに『聖書協会共同訳』を発行 原典に忠実で、読者に分かりやすく”. 日刊キリスト新聞 クリスチャンプレス. キリスト新聞社. 2022年12月18日閲覧。
  21. ^ 新翻訳事業――標準となる日本語訳聖書を求めて」『ソア』第41号、日本聖書協会、東京、2020年4月30日、3-7頁、2022年12月24日閲覧 
  22. ^ Paratext Homepage” (英語). Paratext. SIL International. 2022年12月23日閲覧。
  23. ^ 新翻訳聖書のパイロット版発行 来年の完成目指し日本聖書協会が意見募集 2017年4月1日”. キリスト新聞社 (2017年4月1日). 2022年12月11日閲覧。
  24. ^ 新翻訳聖書パイロット版の販売について”. 日本聖書協会. 2018年3月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月4日閲覧。
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  41. ^ 聖書各種データ」『2021年度 日本聖書協会年報』第122号、日本聖書協会、東京、2022年4月、19頁、2022年12月17日閲覧 
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  44. ^ 聖書語句訂正一覧(聖書 聖書協会共同訳)”. 日本聖書協会. 2022年12月18日閲覧。
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