緑髭効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/09/04 22:01 UTC 版)
緑髭効果(みどりひげこうか、Green beard effectまたはGreen beard)とは遺伝子中心の進化観、いわゆる利己的遺伝子論に基づいて想定された、仮定の進化的効果である。W.D.ハミルトンが考案した。
- ^ Keller & Ross. "Selfish genes: a green beard in the red fire ant", Nature 394: 573-575, August 6, 1998.
- ^ Queller,D.C. et al.Single-Gene Greenbeard Effects in the Social Amoeba Dictyostelium discoideum Science 3 January 2003:Vol. 299. no. 5603, pp. 105 - 106
- ^ 辻和希 「血縁淘汰・包括適応度と社会性の進化」『行動・生態の進化』 岩波書店、pp.113-114。ISBN 4000069268。
緑髭効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/22 18:10 UTC 版)
「緑髭効果」も参照 ある遺伝子が、自分がその個体に存在していることを示す目印と、他個体の目印を識別する形質と、その個体への利他行為とを同時にコードしている場合、その遺伝子は淘汰に勝ち残る可能性がある。たとえば緑髭を持った個体は他の緑髭個体に対して利他行動とるという風になっている場合、緑髭はその個体群で優占する形質となってゆくかもしれない。これは血縁選択と同じ、包括適応度にかかわる利他的行動の発現であり、広義の血縁選択説に含められることもある。
※この「緑髭効果」の解説は、「利他的行動」の解説の一部です。
「緑髭効果」を含む「利他的行動」の記事については、「利他的行動」の概要を参照ください。
緑髭効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/22 16:16 UTC 版)
詳細は「緑髭効果」を参照 通常の血縁選択では、利他行動に関わる遺伝子を共有する確率の高い個体に対して利他行動をするように進化が起こると考えられる。しかし、もし利他行動の遺伝子を確実に共有する個体に対してだけ利他行動を行うことができれば、そのような遺伝子は容易に(b>cならば)自然選択において頻度を増すだろう。たとえば、もしある遺伝子が「緑の髭を生やす」効果と、「緑髭の個体に対して利他行動を行う」効果を同時に持てば、利他行動は確実に遺伝子を共有する個体に向けられる。このことを緑髭効果と呼び、広義には、これも血縁選択に含めることができる。同一の遺伝子が偶然このような2つの効果を持つというのは考えにくかったため、当初は緑髭効果は架空のものと思われていた。しかし利他行動の遺伝的基盤の研究から、実例が見つかってきている。
※この「緑髭効果」の解説は、「血縁選択説」の解説の一部です。
「緑髭効果」を含む「血縁選択説」の記事については、「血縁選択説」の概要を参照ください。
- 緑髭効果のページへのリンク