素性文字の具体例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/31 22:19 UTC 版)
素性文字の特徴を例示するため、非素性文字であるギリシア文字 (古代ギリシャ語) と素性文字であるハングル (朝鮮語)における破裂音の表記を以下に示す。 例として古代ギリシャ語において Π であらわされる子音 [p] は発声において声帯の振動を伴わない無声音であり、調音位置が両唇音であるといった弁別的素性を持つ。しかし Π という文字にこれらの素性は反映されておらず、例えば同じ両唇音を表す Β や Φ と共通点はない。 これに対して朝鮮語のハングルにおいては調音位置や無気音・有気音・濃音などの素性を同じくする子音を表す字母が共通のパターンを持っており、素性を反映していることがわかる。 ギリシア文字 (非素性文字)調音位置無声音有声音有気音両唇音Π [p] Β [b] Φ [pʰ] 歯茎音Τ [t] Δ [d] Θ [tʰ] 軟口蓋音Κ [k] Γ [g] Χ [kʰ] ハングル (素性文字)調音位置無気音有気音濃音両唇音ㅂ [p] ㅍ [pʰ] ㅃ [pʼ] 歯茎音ㄷ [t] ㅌ [tʰ] ㄸ [tʼ] 軟口蓋音ㄱ [k] ㅋ [kʰ] ㄲ [kʼ] また日本語におけるかなは素性文字ではないが、かなにおける濁点記法は有声音という弁別的素性を表しており、素性文字的な要素といえる。そのほか上記のようなIPA表記におけるダイアクリティカルマークについても同様である。
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