筆跡の恒常性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 16:30 UTC 版)
人は,文字習得期間から,文字を教授した人物や保護者,学友などのあらゆる影響を受けながら自身の筆跡の個性を育み,個人差はあるものの成人するころより不変的な個性を持つ。同字を,いつ・どこで執筆しても,ほとんど同じ筆跡になることを筆跡の恒常性と呼ぶ。しかし筆跡は、常に不変不動のものではない。記載時の客観的条件や心理状態によって、多少の変動は不可避的に生じるから、恒常性と言っても完全に不変不動と言うものではなく、その変動が、一個人の筆跡として異同を比較検査した場合、許容の範囲内にあって無視得る程度のものであることを意味している。また,高齢化や疾病・負傷により,それまで行われていた書字行動に変化が生じ,恒常性を保てなくなることがあるため,筆跡鑑定の根拠として恒常性を採用する際には,比較対照する筆跡の執筆時期が近いことが条件となる。 逆に筆跡の変化がおかしい場合(ストレスがかかると筆跡が乱れるのは普通だが、2つの文章のうちストレスのかかる状況の方がきれいな文だったりするなど)、本来の筆跡が不明であっても偽造を疑われる場合もある。
※この「筆跡の恒常性」の解説は、「筆跡鑑定」の解説の一部です。
「筆跡の恒常性」を含む「筆跡鑑定」の記事については、「筆跡鑑定」の概要を参照ください。
- 筆跡の恒常性のページへのリンク