神学的位置付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/11 22:02 UTC 版)
正教会における復活大祭は、イイスス・ハリストスの死への勝利、それによって人に及んだ救いの記憶であり、かつまたイイスス・ハリストスの再臨の象りである。 このため、復活祭は他の一切の祭と別格のものとして位置付けられている。ナジアンゾスのグレゴリオスは、その説教のなかで復活祭を「祭の祭、祝の祝」と呼んでいる。ハリストス教徒であることの喜び、すなわち救済への希望は、イエスの復活に拠るからであり、この日以上に喜ばしく祝われるべき日は信者にとっては存しないからである。この理解はコリントの信徒への手紙一の15章14節にある使徒パウロの言葉に拠っても裏付けられている。 また復活祭はたんに「復活」という一つの出来事を記憶するにとどまらない。ハリストスは信じるものにとって死から生命また真理への「門」であり「過ぎ越し」である。復活を祝うとは、罪から赦しへ、死から生命へのそのような移り行きが、ハリストスによって与えられていることを祝い、また己がそのような移り行きを日々生きていることを想起し、信仰へと己を鼓舞することでもある。
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