盗賊 (小説)
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『盗賊』(とうぞく)は、三島由紀夫の最初の長編小説。全6章から成る。恋する相手に捨てられ傷つき、自殺を決心した男と女が出会う物語。失恋の苦悩と、新たな出会いから互いの胸の中の幻影を育て合う悲劇的な結末までを、人工的で精緻微妙なタッチで描いたロマネスクな心理小説である。文体や箴言の多用などにレイモン・ラディゲの『ドルジェル伯の舞踏会』の影響がみられる作品である[1][2][3]。東京帝国大学法学部在学中から大蔵省在職時代にかけて書かれたもので[1][4]、三島自身が「第四の処女作」「長篇の処女作」と呼んでいる作品である[5]。
注釈
出典
- ^ a b c d e f g h 「あとがき――盗賊」(『三島由紀夫作品集1』新潮社、1953年7月)。28巻 2003, pp. 93–97に所収
- ^ 江口 1973
- ^ 武井・トゥンマン・典子「『盗賊』――ラディゲの『ドルジェル伯の舞踏会』との接点を通して――」(論集II 2001, pp. 189–203)
- ^ a b c d e 「第二回 果てしない試行錯誤『盗賊』」(徹 2010, pp. 21–35)
- ^ a b c 「四つの処女作」(文学の世界 1948年12月号)。27巻 2003, pp. 122–124
- ^ a b 井上隆史「作品目録――昭和22年-昭和23年」(42巻 2005, pp. 388–391)
- ^ a b c d e f g 井上隆史「盗賊」(事典 2000, pp. 248–251)
- ^ a b 山中剛史「著書目録――目次」(42巻 2005, pp. 540–561)
- ^ 久保田裕子「三島由紀夫翻訳書目」(事典 2000, pp. 695–729)
- ^ 「第二章 戦中・戦後の苦闘」(佐藤 2006, pp. 39–72)
- ^ a b c 「I 青春――『酸模』から『盗賊』へ――恋の破局」(村松 1990, pp. 78–97)
- ^ 「蜷川親善宛ての書簡」(1949年)。日録 1996, p. 120、猪瀬 1999, p. 262
- ^ 「川端康成宛ての書簡」(昭和21年5月12日-昭和23年11月2日付)。川端書簡 2000, pp. 36–61、38巻 2004に所収
- ^ a b c d e f 川端康成「序」(『盗賊』真光社、1948年11月)。雑纂1 1982, p. 126に所収。28巻 2003, pp. 95–97、徹 2010, pp. 33–34、太陽 2010, pp. 40–41
- ^ 「終末感からの出発――昭和二十年の自画像」(新潮 1955年8月号)。28巻 2003, pp. 516–518に所収
- ^ a b 「『盗賊』創作ノート」(1巻 2000, pp. 605–650)
- ^ 田中美代子「『盗賊』の完全犯罪」(『三島由紀夫全集27巻』月報 新潮社、1975年7月)
- ^ 「戦後派ならぬ戦後派三島由紀夫」(本多・中 2005, pp. 97–141)
- ^ a b c d 武田泰淳「解説」(盗賊・文庫 1968, pp. 170–175)
- ^ a b 「殉教の美学 第一章 恩寵としての戦争」(文學界 1964年2月-4月号)。磯田 1979, pp. 17–34に所収
- 1 盗賊 (小説)とは
- 2 盗賊 (小説)の概要
- 3 作品評価・研究
- 4 おもな刊行本
- 5 脚注
「盗賊 (小説)」の例文・使い方・用例・文例
- 盗賊の1団
- 盗賊の巣
- 盗賊たちの巣
- 盗賊の一味
- 盗賊達は待っていた車で逃亡した。
- 盗賊は彼を縛り上げて窓から逃走した。
- 盗賊の一団が一行に襲いかかった。
- 盗賊が暗い戸口に潜んでいた。
- それが盗賊の通り言葉です。
- ここでは盗賊にご用心。
- 警察は盗賊の計画の裏をかいた.
- 盗賊団[デモ隊].
- (盗賊などの住む)山塞.
- ならず者[盗賊]の一団.
- 盗賊の一人がほかの仲間たちを密告した.
- 《諺》 盗賊を捕らえるのには盗賊を使え, 「じゃの道はへび」.
- 盗賊は身をよじらせてロープから抜け出した.
- 盗賊たちは獲物を車にいっぱい積んで帰った.
- 彼は盗賊の手からナイフを叩き落とした.
- その盗賊たちは山の中を根城にしていた.
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